2016年5月17日発売
定年退職したその男ハロルド65歳は、むかし同僚だったひとりの女性を見舞うために、1000キロの道を歩き始めた。彼女は末期がんでホスピスにいたが、ハロルド自身知らない、彼の生涯の秘密をすべて知っていたのだった!2014年本屋大賞翻訳小説部門2位!
みなさま、おなじみのセシウム137は無事、半減期を迎えました。祝いましょう!30年後のニホンの未来像を描き絶筆となった表題作ほか、強くしなやかに生きる女性たちの姿を追った「ニューヨーク、ニューヨーク」「オートバイ、あるいは夢の手触り」を収録。女性や弱者、辺境のものたちへの優しい眼差しと現状への異議ー。日本を超えて世界規模の視野を切り拓き続けた津島文学のエッセンスがここにある!
ヒルメスを追放しミスル国を掌握したテュニプは。孔雀姫フィトナを押し立ててパルス侵攻をもくろむ。その陰には、パルス人の商人・ラヴァンの暗躍があった。一方、マルヤム国に辿り着したヒルメスは、国王ギスカールと再会する。二人はふたたび手を結ぶのか!?チュルク国では魔軍を率いる魔将軍イルテリシュが、パルス蹂躙の機を待つ。そしてついに、蛇王ザッハークが完全復活を遂げる!?四方を難敵に包囲されたアルスラーンの運命は!?クライマックス迫る!!超絶ヒロイック・ファンタジー小説、慟哭の書下ろし最新作、第15弾!
女優の藤吉弓香は、故郷で開催される同窓会の誘いを断った。母親に会いたくないのだ。中学生の頃から、自分を思うようにコントロールしようとする母親が原因の頭痛に悩まされてきた。同じ苦しみを抱えた親友からの説得もあって悩んだのだが…。そんな折、「毒親」をテーマにしたトーク番組への出演依頼が届く(「ポイズンドーター」)。呆然、驚愕、爽快、感動ーさまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!
29歳の如月玲奈は、東京入国管理局で働く“難民調査官”。補佐の高杉と共に、難民申請者が本当に母国で迫害される恐れがあるのか、調査するのが仕事だ。ある日、ムスタファというクルド人難民申請者が、合法的に来日しながらパスポートを処分し、なぜか密入国者を装っていたと発覚する。その頃、ネットカフェ難民の西嶋耕作は、自分の通報が原因で家族想いのムスタファとその妻子を引き裂いたことを悔いていた。善良そうに見える難民申請者は、一体何を隠しているのか?現在最も注目される乱歩賞作家が難民問題に鋭く切り込んだ、怒涛のポリティカル・サスペンス小説。
浪人時代に交通事故に遭い、大手術とリハビリ生活を余儀なくされた雪嶋直久。家族関係に鬱屈していた彼は、東京を離れ、京都の冥王大学へ入学。仏像修復師・門真のもとでアルバイトを始める。地味ながらも奥深い作業に次第に引き込まれてゆく雪嶋。だが、作業場にたまに姿を現す、門真の従姉妹・もえ美のことはあまりいけ好かない。そんなある日、門真から、腕を七本も失くした謎の仏像を見せられる。その正体を探るべく、大学の「のんびり仏像めぐり研究会」を訪れた雪嶋は、天真爛漫な部長・今岡と、金髪のイケメン宇田に出会いー。