2016年5月7日発売
剣と魔法の世界に迷い込んだFPSプレイヤー・シュバルツ。空の王と呼ばれる上位格モンスターを撃退した彼は、冒険者として名を上げた。FPSの経験を活かした大活躍を買われ、彼は突如出現した巨大迷宮へ派遣される。高ランクの女性冒険者と共に探索を進めるうち、この迷宮の“違和感”に気づき始めてー。次々謎が増えていく迷宮で、シャバルツは自分が異世界に落ちた理由を知ることに…!?
公爵令嬢キャロル。本日、王子から婚約破棄されました。あらまぁなんて…幸運なんでしょう!これで、ずっとお慕いしている“あの方”に心置きなくアタックできますわ!今度こそ真実の愛に生きるのです。そう決意した私が狙うは、白いおひげが素敵な騎士団長・ヴィルヘルム様(62)。「どうかキャロルを、お嫁にしてくださいませ」年齢も身分も関係ありません。恋愛初心者の堅物騎士団長を、攻めて攻めて、攻め落とします!
あの夏、真賀田研究所でプログラマとして働いていた島田文子は、いくつかの職を経て、香港を拠点とする会社に籍を置いていた。人工知能に関するエキシビションの初日、島田は遠田長通という男に以前、愛知で起きた飛行機事故に関する質問をされる。トラムという動く密室で起きる殺人。その背後に感じられる陰謀。静かだった島田の生活が、その日を機に大きく動き始める。Gシリーズの転換点。後期三部作開幕!
第一次大戦に従軍し、心に傷を負った父親は、妻の死後、二人の娘に背を向けた。姉のヴィアンヌは当時十四歳、妹のイザベルは四歳だった。ヴィアンヌは十六で妊娠、翌年結婚するが流産。持て余された妹は寄宿学校に入れられる。やがて第二次大戦が勃発、フランスはナチに屈服する。出征した夫を待つヴィアンヌの家には、ドイツ軍大尉が住み始める。一方、イザベルはパリで対独抵抗運動に参加、連合軍航空兵の逃亡を助ける秘密活動を始める。暗号名は、ナイチンゲールだった。NYタイムズ・ベストセラーに一年以上ランクイン。全米を感動でつつんだ傑作長編。
イザベルは航空兵たちを引き連れ、最初のピレネー山脈越えを敢行する。悪天に見舞われた山路は、困難を極めた。同じころ、ナチスのユダヤ人狩りがヴィアンヌの親友を襲う。幼子を託されたヴィアンヌは、やがて町のユダヤ人の子を匿う行動に出る。ドイツ軍大尉がヴィアンヌの家から姿を消す。かわりに住み始めたのは、狡猾な親衛隊少佐だった。親友の子を救うためヴィアンヌは少佐に体をさし出す。イザベルも遂に逮捕され、秘密国家警察の激しい拷問が始まるのだが…。戦争が与える試練を懸命に生き抜く姉妹の姿は圧倒的だ。感動のラストを迎える下巻!
どうやら世界は本当に終わりを迎えるらしいー。突然、世界が鉛色の厚い雲に覆われた。空から青い光が注がれた町は、人も獣も鳥も木も、なにもかもが動きを止めてしまう。ぼくは、離れ離れになってしまった雪乃に会うため、危険な旅に出る。十年前、鉄塔の下で出会った彼女と初めて見た夕焼けを思い出しながら…。『いま、会いにゆきます』『恋愛寫眞 もうひとつの物語』『そのときは彼によろしく』と、立て続けに爆発的ベストセラーを発表してきた市川拓司が、震災後久々に書き下ろした傑作恋愛小説、待望の文庫版!
東武浅草駅のコインロッカーから、位牌の入った木箱が発見された。位牌には名前と十日先の日付が入っており、箱の底には特急スペーシアの写真もあった。予告殺人を警戒した十津川警部と亀井だったが、その期日に特急「きぬ135号」の車内で男の死体が発見された。男は位牌に名前のある梅原誠だった。そして、今度は上野駅で位牌が見つかる。さらなる警戒も空しく、位牌に記載された坂西洋一郎が予告通りにカシオペア車内で殺害されてしまった。捜査は難航したが、十津川のひらめきにより容疑者が浮上。犯人の狙いは!?次の標的を防ぐことができるのか。
脚本家を夢見るOLのドラマな日常を描いたお仕事小説。丸の内総研に勤める仁藤茉由子の仕事はデータ入力。かわり映えのしない退屈な毎日を送るなかでシナリオコンクール入賞の朗報が届く。「これで脚本家に!」と期待に胸躍らせる茉由子だったが、待っていたのは厳しい現実…。原稿料の出ない仕事、プロデューサーのセクハラ…。それでも「いつか君が脚本を書いて僕が主演する」-新人俳優、秋月愁の言葉を胸に脚本家デビューを目指す茉由子。迷い傷ついた先に見つけた本当に書きたいドラマとは。巻末に、人気脚本家後藤法子さんとのスペシャル対談を掲載。
絵に描いたような文学少年であった高校時代、谷崎潤一郎は最も好きだった作家の一人で、全集の七割は読破していた。今回、主だった作品を一気に再読して、実生活で起こした「細君譲渡事件」がどれほどこの人の作品世界に深い影を投げかけているかを再認識した。『蓼喰ふ蟲』をはじめとする一連の作品の現代性にあらためて驚嘆しつつ、その「陰翳」を及ばずながら現代社会にトレースするつもりで書き上げたのが本作である。
神田の長屋に住む平賀源内。元は讃岐藩の藩士だったが、窮屈な暮らしを嫌い、家督を妹婿に譲り、江戸へ出てきた変わり者。好奇心旺盛な彼は、本草学を修めるだけでなく、読み物を書いたり、様々な研究をしたりと日々多忙な暮らしを送っている。ある日、同じ長屋に住む大工の藤次郎が、源内に紹介された仕事先で盗っ人の疑いをかけられた相棒の三治を助けてくれと泣きついてきた。
大挙襲来した刺客から将軍家綱を救った織江緋之介のもとに新たな危機が迫る。家綱失墜を企てる堀田正俊の命で、大奥別式女衆の武芸達者が緋之介暗殺に動いたのだ。かつてない強敵と対峙する緋之介。そこにさらなる難局が。妖刀村正をめぐる幕府領袖の熾烈な争奪戦に許婚の真弓が巻き込まれた。徳川家に祟る村正に隠された神君家康の驚愕の秘密とは。緋之介は愛する者を、幕府を護れるか。
チャイナホワイトとは中国を経由し香港からアメリカへ持ち込まれるヘロインのことだ。一九九七年、世界最大の薬物ターミナル香港には、各国の犯罪組織が盤踞していた。ロシアマフィア、蛇頭、日本の広域暴力団、そして麻薬ビジネスを新たに牛耳ろうとする謎の男“ホワイトタイガー”。台湾ルートを追っていた麻薬取締官三崎は何者かに襲われ拉致される。大沢在昌の最高峰ハードボイルド巨篇!
華僑の徐とともに捜査を進める厚生省麻薬取締官三崎。アジアでの動きを睨むDEA(米連邦麻薬取締局)も捜査官ベリコフを日本に送り込んだ。三崎とベリコフは共通の敵“ホワイトタイガー”を追い詰めていく。中国公安部、CIAもからみ、ユーラシア大陸に広がる麻薬の連鎖“ユーラシアホワイト”を三崎とベリコフは壊滅できるのか。ホワイトタイガーの正体は!?ハードボイルド巨篇完結篇。
警視庁公安総務課庶務係分室、通称「J分室」。類稀なる身体能力、海外で傭兵として活動したことによる豊富な経験、莫大な財産を持つ小日向純也が率いる公安の特別室である。ある日、警視庁公安部部長・長島に美貌のドイツ駐在武官が自衛隊観閲式への同行を要請する。式のさなか狙撃事件が起き、長島が凶弾に倒れた。犯人の狙いは駐在武官の機転で難を逃れた総理大臣だったのか…。
これが一番こわい怪談だ、をよりすぐった傑作15篇。綺堂の絶品「停車場の少女」、“お前、寒かろう”“こんな晩”と見事に紡がれる八雲の「日本海に沿うて」、芥川の最晩年「妙な話」、気持ちの悪い荷風「井戸の水」、女の手首の怨念、大佛次郎「怪談」、最恐!橘外男「蒲団」…実話!あの田中河内介の…
イタリアに行ったまま帰らない息子ディッキーを連れ戻してほしいと富豪に頼まれ、トム・リプリーは旅立つ。その地でディッキーは、絵を描きながら女友達マージとともに自由な生活をおくっていた。ディッキーに心惹かれたトムは、そのすべてを手に入れることを求め、殺人を犯す…巨匠ハイスミスの代表作。
パリ郊外で自由な生活をおくるリプリーのもとに、ロンドンの画廊から連絡が入る。天才画家ダーワットの死を隠して贋作販売を行なう事業にトムも一枚噛んでいたのだが、贋作が露見しそうな事態が生じたという。トムは画家に変装して危機を乗り越えようとするが…トム・リプリーの新たなる物語が始まる。
陸軍所属のネイサンは、任務の最中に敵にとらえられ、昼か夜かもわからないような日の当たらない暗く狭い監房に閉じこめられた。しかし、自分にはアメリカ陸軍と一流の民間軍事組織を経営する兄たちがついている。だから、すぐに救助が来る。最初の数週間はそう確信していたものの、終わることのない孤独と激痛のなか、希望を持つことは次第に難しくなっていった。そんなとき、まるで地獄から救ってくれるかのように、ネイサンに奇跡が起こった。ここにいるわー頭の中に直接響いたかに思える女性の声は、ネイサンに安らぎを与え…。
スペイン王家のフェリペ2世や狂女フアナなどの実在の人物たちと、ドン・キホーテやドン・フアンなどの架空の登場人物たちを斬新な手法で錯綜させ、イベロアメリカ全体に影響を及ぼす征服者の悲劇を、旧世界・新世界・別世界の3部構成で物語る世紀の叙事詩!メキシコを代表する作家が残した畢生の大作、待望の完訳!