2016年6月22日発売
「倒幕」と「年貢半減」を目指す小島四郎は、江戸で「青雲隊」を結成。後に京に上って、薩摩藩の西郷吉之助(のちの隆盛)との面会で、江戸を撹乱するよう頼まれる。四郎はさっそく江戸に戻り、相楽総三と名乗って江戸周辺で強盗・放火を繰り返す。大成果を上げた総三は京に戻り、東征隊の先鋒隊に任じられ「赤報隊」と命名する。だが、東山道を進むうち、自隊が「偽官軍」と呼ばれているとの情報が…。
新潟の祖父に米作りを教わりに来た翔太。朝五時起きで田んぼに向かい、田んぼを注視する祖父。ある日、翔太は寝坊して朝五時に起きられなかった。すると喜一は一言「帰れ」と言う。このまま帰っては負けだと居直る翔太はある日、喜一の米を食べる。光り輝く米粒、鼻孔に飛び込む芳醇な香り、味覚をぶん回す旨味、ぷつりぷつりと弾ける歯ごたえ。仲間達と、最高の米づくりを目指す日々が始まった。 新潟の祖父に米作りを教わりに来た翔太。朝五時起きで田んぼに向かい、田んぼを注視する祖父。真っ黒に日焼けした新米農家の里美、農薬を使い効率よく米を生産する兼業農家の光太郎。まったく気が合わない農家たちの仲を取り持とうとする市役所職員のまさる。 友人もおらず、携帯の電波も届かない。同居の祖父は何も話さず、出かけるにも周囲には田んぼしかない。 ある日、翔太は寝坊して朝五時に起きられなかった。すると喜一は一言「帰れ」と言う。このまま帰っては負けだと居直る翔太はある日、喜一の米を食べる。 光り輝く米粒、鼻孔に飛び込む芳醇な香り、味覚をぶん回す旨味、ぷつりぷつりと弾ける歯ごたえーー。 最高の米づくりを目指す日々が始まった。 「雨が降ろうが雪が降ろうが、親の葬式の翌日だろうが、とにかく一日も休まず田んぼを見ろ」 風が運ぶ土の匂い、まばらに育つ稲の顔色、雑草を防ぐために放たれた鴨。田んぼの様子はめまぐるしく移り変わり、小さな違いが稲に大打撃を与える。喜一の勘が、経験が、稲を最高の米“神米”へと導いていく。新米による神米のための米小説!
得体の知れない過去の幻影が、ペダルを踏む足をさらう。それでもぼくたちはツールを走る。すべてを賭けて! 黒い噂が絶えない、堕ちたカリスマの復活。選手やファンに動揺が広がる中、今年も世界最高の舞台(ツール・ド・フランス)が幕を開ける。かつての英雄の真の目的、選手をつけ狙う影、不穏なレースの行方ーー。それでもぼくの手は、ハンドルを離さない。チカと伊庭がツールを走る! 新たな興奮と感動を呼び起こす、「サクリファイス」シリーズ最新長編。
あなたは絶対にこの「結末」を予測できない! 新時代到来を告げる、驚愕の暗黒ミステリ。かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を、あえて手にかけたのか……日本推理作家協会賞短編部門ノミネートの表題作ほか、悲劇をひき起こさざるを得なかった女たちを端整な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す全五篇。
深夜のコールセンターで働く「僕」は、3000円で賭けに乗り、さえない上司・映子との模擬恋愛を始める。自尊心ばかり肥大した男と、自己卑下にとり憑かれた女。孤独だった二人の魂がようやくひとつになったとき、男は滅びはじめる…
地方都市・月影市で探偵業を営む十村のもとに「殺人事件の容疑者となっている男の無実を証明して欲しい」と依頼が舞い込む。依頼人は元恋人の妹でとびきりの美人。しかも久しぶりの依頼にはりきる十村は,旧友の警察署長も巻き込んで,癖のある月影市の住人たちを相手に早速調査に着手する。しかし,過去に月影市で起きた別の未解決殺人事件との奇妙な共通点が見つかり,さらに別の事件の存在も浮かび上がる。ドミノ倒しのように真実を追えば追うほど連鎖する事件。その真相に探偵が迫るとき,恐るべき結末が待ち受けるーー。人間の歪みと捩れを浮き彫りにする,衝撃の長編ミステリ。
注文を受けて粘土をこね、ろくろを回し魔法を込めた焼き物に焼く。果たして魔道師は職人か否か「陶工魔道師」、女たちの密かな魔法組織を描く「闇を抱く」、死体を用いる姿なきプアダンの魔道師の復讐譚「黒蓮華」、そして魔道ならざる魔道をあやつるもの、もうひとりの〈夜の写本師〉の物語「魔道写本師」。四つの異なる魔法を操る魔道師たちの物語を収録。日本ファンタジーの歴史を塗り替えた著者の人気シリーズ初の短編集文庫化。