2016年9月8日発売
大阪・黒川署で暴力犯係長を務める葛城みずきが直面する警察組織の腐敗。現場から被害者の金を盗む検視官。遺言状を捏造し、巨額の遺産を奪い取ろうとする警官。引き取り手のいない変死体を利用した策謀。金銭欲と出世欲を満たすためだけに動く上級キャリア。だが葛城もまた同じ毒に蝕まれていく。上司、同僚、自分、みな悪辣。女刑事はどこまで堕ちるのか?元マル暴刑事が強烈な現場体験をもとに容赦なく描く、告発的警察小説!
揺るぎ無いはずの「日常」が乱れる時、人は心の奥に潜む「闇」と直面する。意識の底に産まれた「妖怪」が精神を喰らう。女の手を忌む教師。十糎ほどの小さな女を幻視する病気がちの女。自分を覗く視線に恐怖する職人。煙に憑かれた火消し。海を厭う私小説作家。人が出合う「恐怖」の形を多様に描き出す怪異譚ー。
日常が、安寧が、心が、人が、闇に呑まれていくー。存在せぬはずのきょうだいの影に懊悩する管財人。性欲に惑う刑事。名状しがたいうしろめたさに囚われる老婆。魚の眼に憧れる無欠の薔薇十字探偵。自己の揺らぎとともに立ち現れる「畏怖」が「怪異」へと姿を変える。妖怪小説第弐集が講談社ノベルスに初登場。
ある母娘を脅かす「悪魔の声」。その正体と目的は?警視庁捜査一課の刑事・百成完から相談を受けた「闇の探偵」月澤凌士は、たちどころにその謎を解き明かす。だが、、それは複雑怪奇な連鎖殺人の序章でしかなかった。完璧なアリバイを支えるトリックと、犯罪の恐るべき全貌を月澤は見破れるか?そして月澤自身に隠された最凶の秘密とは?本格ミステリー界を揺さぶる強烈な名探偵登場!!
装備を新たにしたジョウたちに過酷な依頼が入った。勢力争いの末に、自身を独自に進化させた無人兵器「猟犬」が、現在も争いを続けながら、近づくものをすべて破壊するという危険きわまりない感星に潜任して、失われた古代金貨を探索せよというものであった。これまでも軍隊によって猟犬の掃討が試みられたが、すべて失敗に終わっている。巨大犯罪組織に加え、竜の一族、虎の一族をも巻きこんだすさまじい戦いの行方は?
京都・鴨川の河川敷で、女の変死体が発見された。四日後、東京・清澄白河のマンションで男の腐乱死体が見つかる。共に青酸ソーダによる中毒死。二人は愛人関係にあったことが判明する。女が男を殺して自殺したのか!?同一犯によって二人は殺されたのか!?壮の弟・洋をきっかけにして、事件に関わることになった壮と美緒。愛の死角に隠れた真実を解き明かす!
紅蓮の焔が町を焼き尽くすー真っ平御免なはずの厄災を、大工の幸太は渇望していた。火事さえ起きれば、普請の仕事が増えると。そんな幸太に、男が親しげに近づいてきた。「じゃあ、起こしたらどうです?」物騒なことを言う男に嵌められ、幸太は付け火の罪を着せられてしまったー。正義の同心・柚木源九郎は、幸太の疑いを晴らし、陰にいる首謀者を暴けるか!?
着々と仕事を進める爽香の前にトラブルは絶えない!都市開発を主導する大企業が抱える複雑な事情。愛人の死体隠蔽に奔走する取引先の男。そして、勤務する“G興産”の社長・田端の心変わり!?期せずして爽香は苦難の渦に呑み込まれる。一方、夫・明男は、彼に恋する未亡人・大宅栄子と二人きりで会うこととなり…。登場人物が年齢を重ねる大人気シリーズ!
ある日、僕は前から歩いてくる人に避けられるようになった。まるで目の前の“気配”に急に気がついたかのように、彼らは驚き避けていく…。(表題作)とある企業の研究者「小泉」が同僚たちから相談を持ちかけられ、不可思議な出来事の謎に挑む。超常現象の法則が判明したとき、その奥にある「なぜ?」が解き明かされる!チャレンジ精神溢れる六編のミステリー短編集。
三十一歳の元CA・入江紗都が、何者かに刺された。彼女は、麗子と清香に、「じゃくちゅう、の」というひと言を遺し、亡くなった。紗都は画廊に勤めながら、名画の複製画を描いていた。遺されたメッセージは、日本画家の伊藤若冲のことなのか!?犯人像作成のプロ・麗子と美人検屍官・清香は、彼女の部屋に遺された物から、美術界の大きな闇を浮かび上がらせる!
証拠品鑑定のため、粒子加速器をもつ研究施設を訪れた検事の菊園綾子。だが鑑定中に加速器が暴走し始める。一方、調査のため弁護士の森江春策と共に西洋館を訪れた菊園は、密室殺人事件に遭遇する。菊園が推理を披露しようとしたそのとき、加速器の影響で彼女は異次元へ飛ばされてしまう!真相を見抜かないと元の世界に戻れない!?奇想爆発の本格ミステリー。
金目当ての義父殺害を疑われる峰岸諒一は、かたくなに無罪を主張していた。弁護人・衣田征夫は、肝心な点で証言を濁す彼に終始翻弄されるが、アリバイの証明により無罪が確定し、釈放に。ところが、間もなく峰岸の死体が発見される!冤罪事件に端を発し、めまぐるしく浮上する疑惑の果てに潜む真実とは!?予想は即座に裏切られる展開に、驚嘆必至のミステリー!
オフィスビルの地下三階にひっそりと佇む店。そこで売られている何の変哲もない折りたたみ傘の値段が、十万円だというのだが…。(表題作)「妻」を名乗る女性から毎日かかってくるようになった電話。だが、その甘い声は妻のものではない。食事に誘うと、やって来たのは見知らぬ美女だった。(「ある日の妻」)ショートショートの魔術師が贈る、魅惑の二十五編を収録。
水中綱引きの神事で賑わう福井県若狭の名勝日向湖に男の死体が流れ着く!その一年後、東京・高島平で広告代理店勤務の細野久男が絞殺された。細野が死の前に、同人誌に発表していた短編小説「死舞」には、若狭を舞台とし、黒い服の男の謎の行動と暗い過去が描かれていた。浅見光彦は、小説が結びつける二つの殺人事件の接点に引きつけられ、若狭へ向かう!
あたしって、ついてない。三つ目の働き口をなくし、るいは途方に暮れていた。母を早くに亡くし、左官をしていた父もぽっくり逝き、天涯孤独の身だ。その死んだはずの父が困りものなのだが…。ふと入った路地で見つけた「働き手を求む」の貼り紙ー。この世ならぬ者が見える少女が、ちょっと迷惑な父とともに、人助けならぬ亡者助けに奔走する!痛快時代小説。
小伝馬町から囚人たちが切放しになった。囚人たちに恐れをなし、町から人気は消えた。そんななか、縁切り寺「慶光寺」の御用宿「橘屋」の雇われ人である塙十四郎は、殴られていた男を救い出す。その男の口から出てきた話は、にわかには信じられない話だった。そして、最後に待っていた衝撃の結末…。涙なくしては読めない珠玉の作品が詰まったシリーズ第五作!
一人の伊賀忍びに大御所・徳川吉宗が殺害されて二年。その忍びは、長屋で平穏な暮らしをしていた。しかし、富士講に出た長屋の者が皆殺しにされる。仇を討たんと、「コノハズク」とあだ名されていた伊賀忍び「竹次」は、長屋の人々の死の真相を探り始める。そして、辿り着いた驚愕の真相とはー。富士山と尾張藩を舞台とした、著者ならではの大スペクタクル活劇!
駿河国汐崎藩の御刀番を務める左京之介。汐崎藩元藩主の御落胤で久能山東照宮の別当代となった祥慶から、秘蔵されていた相州五郎正宗が盗まれたと知らされる。五郎正宗探しに乗り出した京之介の前に現れたのは謎の修験者集団「黒法師」。はたして五郎正宗の行方は。そして、五郎正宗を奪わせた真の黒幕とはー。ますます好調の人気シリーズ、会心の第五弾。
将軍の毒味役「鬼役」を務める矢背蔵人介。将軍を誹謗する落首を書いたとして、知己の奥医師が切腹を申し付けられた。冤罪を晴らさんと動く蔵人介の前に立ちはだかったのは「甲賀五人之者」と呼ばれる手練たち。その一人を斬ったことで蔵人介は謎の勢力を敵に回すこととなった。想像を絶する強大な敵を相手に、蔵人介の運命やいかに。次作へつながる胸騒ぎの第十九弾。