2016年発売
ある朝、オリヴィアは突然の知らせに驚き、息をのんだ。別居中の大富豪の夫ザンダーが、事故にあって記憶を失ったというのだ!駆けつけたオリヴィアに、彼は以前と変わらぬ魅惑的な笑顔を向けた。かけがえのない息子の死と、その後のふたりの別居のことを忘れて…。かつての、海辺の邸宅での愛情あふれる生活が、また始まった。罪悪感が胸を刺すけれど、ザンダーとの甘い日々は彼女を酔わせる。このまま、彼が記憶を取りもどさなければーそう思った矢先、ザンダーは偶然にも過去を知り、家を出ていってしまう。なすすべもなく打ちひしがれるオリヴィア。だが、重大なことに気づいた。私のお腹には、あらたな命が宿っている…。
ペニーは悲惨な事件で姉を亡くして以来、過保護な両親に束縛され、24歳の今も恋はおろか外の世界さえほとんど知らずに生きてきた。そろそろ自立のために仕事を得たいと両親に告げると、生前の姉と比較されたうえ猛反対され、ショックを受ける。姉を愛する父と母にとって、私は“できの悪い代用品”なんだわ!家を飛び出した彼女は方々をまわったすえ宿の仕事を見つけ、療養のため宿泊中の男性、マイケルの世話をすることになった。数多の女性を虜にするハンサムで知的な彼のそばにいるうち、ペニーの胸に初めての恋が芽生えるとともに、不安の影が差した。しがないメイドの私を、彼が愛してくれるはずもないのに…。
ロザンナは病床の母を残し、ひとりシチリアの祖父を訪ねた。母の治療費を工面するための苦肉の策として、冷酷な祖父が持ちかけた取引を受け入れたのだ。お金と引き替えに、祖父が選んだ男性と結婚する、と。ところがシチリアに着いてまもなく、ロザンナは、町の大通りで車にはねられて気を失ってしまう。気がつくと、運転していた男性の部屋に寝かされていた。ロザンナは彼の野性的な顔を魅せられたように見つめた。翌日祖父から紹介される相手、ドン・カルロ・ビチェンツィが、目の前の男性だとはつゆも知らずに…。
パティは名門ランド家で働く家政婦の娘だった。御曹司スペンスと惹かれ合い、恋に落ちたが、ふたりの仲は彼の父親に容赦なく引き裂かれた。妊娠がわかったのは、スペンスが出奔したあとー赤ん坊を死産したパティは、彼を捜すことも諦めてしまう。数年後、突然スペンスが彼女の目の前に現れる。ひとりの美しい少女を連れて。「この子は僕たちの子だ、パティ」いったいどういうこと?パティはくずおれそうになりながら、肌身離さずつけているネックレスに通したふたつの指輪を握りしめた。昔スペンスがくれた指輪と、新しいままの、小さなベビーリングを。
インドへの赴任を命じられた技術者の俊彦は、村の古い屋敷に新婚の妻と入居。ここで妻をのっとろうとする怨霊と立ち向かうことに…。インドと日本の神々が交叉し、祈りと癒しの物語が時を超える。
何人もの子供を育てる女たち。回転木馬のそばでは係員が静かに佇む。少女たちは日が暮れるまで緑の庭で戯れ、数字を名にもつ者たちがみずうみのほとりで暮らす。遙か遠い未来、人々は小さな集団に分かれ、密やかに暮らしていた。生きながらえるために、ある祈りを胸に秘めー。滅びゆく世界の、かすかな光を求めてー傑作長篇小説!
男と女、女と女、男と男ーそれぞれの人生がすれ違うとき、平凡な日常がドラマに変わる。一瞬のきらめきを鮮やかに射とめる、魅惑の片岡義男ワールドへようこそ。7人の作家を主人公に描く、“最高の小説”のつくりかた。
2年前、剛が持ち去ったシグナルチェイサー。チェイスの死を胸に秘め、新しいドライブシステムのきっかけを求めて、剛は再び日本に戻ってきた。ところが、突如として夜の街が大規模停電に見舞われる。似ている!剛の脳裏に暗黒の聖夜事件がよぎった。ロイミュード?いや、ロイミュードはすべて撲滅したはずだ。これは単なる偶然なのか、それとも…。剛の不安の通り、過去に起きたロイミュード事件に酷似した現象が続発。剛は再びマッハに変身できるのか!?
1人目は東京立川に住む主婦。1年前に5歳の息子を幼稚園に預けたまま忽然と姿を消した。2人目は急成長中のデベロッパー勤務エリート社員。彼は半年前、職場のトイレで自殺。そして先々週、司法書士が幹線道路でダンプカーに轢かれ死んだ。一見何の関係もない3人の残された持ち物からは、新興宗教「聖浄心会」のチラシが発見された。謎の教団が事件に関与しているのか。警視庁捜査一課「特殊犯4係」の極秘捜査開始。
62歳になる父から突然聞かされた再婚話。14年前に母が若い男と駆け落ちした後、結婚して早々に家を出た長女・橙子(39)、代わりに家庭を支え続けた次女・柊子(36)、引きこもりの三女・桐子(31)、空気より軽い四女・楓子(29)が一堂に会した姉妹会議の場に、再婚相手が現れて…。
最初は子供同士のトラブルだった。海辺の公立幼稚園、園のパーティで聞こえるのは罵声と保護者の乱闘の音。そして一人が死亡した。事故か?殺人か?事の起こりは六カ月前、シングルマザーのジェーンの息子にいじめの嫌疑がかかった。本人は否定するが、保護者同士は険悪に。ジェーンは二人の友人と事態に立ち向かう。31カ国で翻訳、英米で150万部突破の傑作ミステリ登場。
資金集めのための保護者懇親会は目前というのに、ジェーンの息子のいじめ疑惑は一向に晴れない。一方、友人マデリーンは、別れた夫とその妻の子が娘と同じ幼稚園に通っているストレスで爆発寸前。もう一人の友人、優雅な生活を送っているように見えるセレストは、夫の暴力に苦しんでいた。それぞれ表に出せない秘密を抱えた保護者たちの感情が懇親会で暴走、そして事件が…
バー『スクウェア』に通う大阪府警薬物対策課の刑事・三田。彼は今まで追ってきた事件の陰に、謎のバーテンダー「名無しのリュウ」と、その相棒の元ボクサー・宇多島の策謀があることを知り、葛藤を抱いていた。三田は彼らが目論む計画に、どう向き合うのか。そして武闘派暴力団が絡む大規模な薬物事件の捜査の行方は?傷と影を抱える男たちの活躍を描く、連作ミステリ第2弾。
OL・志乃は仕事のストレス解消にと出かける途中、路地裏でおしゃれな店『Granz』を発見する。看板には「わがままな眼鏡店」とあり、首を傾げつつ店に入ると無愛想すぎる店員・天王寺がいた。第一印象は最悪だったが、メガネを見て悩みを言い当てたり解決する不思議な彼は、どんなことよりもメガネを愛する究極のメガネ男子で…?「小説家になろう」『お仕事小説コン』優秀賞受賞!
他人の不幸や欲望にまみれたワケアリ品を好む質屋からすの店主・烏島に、特殊能力ごと買い取られた千里。ある日、店に地元の名士・七杜家の長男・宗介から、失踪した使用人の捜索という依頼が来る。千里は烏島に命じられるままに調査するが、その足跡を辿るうち「七柱の伝説」に行きあたり、鍵を握る神社に向かったもののピンチに陥ってしまい…?物に宿った記憶を読み解くダークミステリー完結編!
もしかして、私、ニセモノなんじゃない?ある日、六年間連れ添った妻はこう告白し、ホンモノ捜しの奇妙な日々が始まったー。けれどいったい、僕は誰を愛してきたのだろう?奇想の町の名手が切り拓く、愛おしき新境地。非日常に巻き込まれた夫婦の、可笑しくてホロリと切ない四つの物語。