2017年11月9日発売
まるで吸い寄せられるように二人の男が訪れた廃車置場。そこにうち捨てられた冷蔵庫の中にいたのは、死にかけた裸の幼女だった。男の一人、住職の浄鑑はその幼女ミハルを引き取ることにする。だが、彼女が寺に身を寄せてから、集落では凶事が続き、人々の間に邪気が増殖していくー。ミハルとはいったい何者なのか?まほかるワールド全開の、サスペンス長編!
「まんじゃしろ」に祭られている美森さま。過疎が進む山村、美森町の守り神だ。去年越してきたなんでも屋・岩室猛志と、地元出身の大学生・貫行詐織は、町で起こる事件を解決すべく探偵ユニット“竿竹室士”を結成した。事件の数々は、美森さまのお使いが起こしていると言うが、それって本当…?不思議な存在と民俗学、SFが交錯する、新感覚のミステリー!
祖母の蔵書に挟まっていた一通の手紙。宛名はヒッチコック。差出人は祖母の旧姓だが、心当たりはない。誰が何のために挟んだ手紙なのか。開けて読んでみると、祖母のかつてのルームメイトからのメッセージで…。(「恋文」)大食い・本好き美少女エミールと、ジャンク映画フリーク男子のユキサキが、解かれないままになっていた謎を読み解いていく!
王都へと急ぐ女騎士・エステルら一行が雨で足止めされた町に、魔軍の怪物たちが襲来する。その窮地に現れたのが、ダリューンらパルス精鋭軍だった。ついに並び立つ十六翼将。だが、魔の山デマヴァントの地底では、蛇王ザッハークが縛めを解かれ、自由の身になろうとしていた。さらに、深傷を負ったエステルの運命は!?衝撃的展開をみせるシリーズ第十三弾!
蝶ヶ岳で遭難し救助された物部佐千子。ところが、道後湯之町の自宅に戻った数日後、何者かに刺殺される!事件を追う安曇野署の刑事・道原伝吉は、部下と共に愛媛・松山へ。関係者を辿るほどに浮かび上がる不審な人々と、佐千子が抱えていた悲しき過去…。「文学のまち」と美しき山々を舞台に、道原の推理が冴え渡る。名手の仕掛けた謎の連鎖に唸る山岳ミステリー!
取材でラオスの首都ビエンチャンを訪れていた石田伸一が、メコン河畔で死体で見つかった。谷口爾郎は取材と称し、石田の死の真相を調べるべく、ビエンチャンに入る。石田の通訳兼ガイドとして共に行動していた山本実に案内を頼み、死ぬまでの足跡を辿っていくが…。内戦に揺れるラオス国内の混沌とした現状が殺人事件と絡み合い、謎は深まるばかりー。
小姓組番衆を務める若き旗本、新宮鷹之介に、将軍家斉から「滅びゆく武芸流派を調べよ」と、武芸帖編纂所の頭取につくよう命が下る。鷹之介には助っ人がつけられたが、飲んだくれの柳生新陰流の遣い手に、不器用すぎる円明流の達人と、癖のある剣客ばかり。武芸帖編纂手始めの流派は幻の手裏剣術。その遣い手に辿り着けるのか。笑いあり涙ありの傑作シリーズ開幕!
米沢町にある井筒屋の番頭・忠助は、古い知り合いのお米に会う。彼女の夫・友蔵は盗賊に殺されており、口封じのためにお米がさらに襲撃されることを恐れた忠助は、杢之助らと協力し、彼女の救出作戦を決行する!作戦は成功したかに思われたが、両国広小路に現れた、木彫りの鵜の見世物を扱う芸人の一座が、杢之助の守る町内に、怪しい目を光らせ始めて…。
松尾芭蕉の一番弟子ながら、一門に馴染めない俳諧師・宝井其角と、豪放磊落な絵師・多賀朝湖(後の英一蝶)。二人は不思議と馬が合った。ある夜、吉原で、彼らは二人の太夫に呼び出される。屏風に描かれた犬が動き、それを見た遊女が次々と姿を消したという。謎解きを頼まれた二人は女たちを救うべく奔走するが…。江戸の人々の生き様、哀切を描く傑作時代小説!
元南町奉行所の定町廻り同心で、いまは船頭となった沢村伝次郎。同心時代の髪結いが骸となって見つかった。その下手人探しを始めるが、一方、千草が懇意にしていた子供、半助が消息を絶った。孫を心配する祖父の八百蔵に代わり半助探しにも奔走する伝次郎。そして、二つの事件が繋がった時、真相が明らかになる。江戸情緒と人情を深く描いた傑作シリーズ第十八弾。
本書の中で心屋が紹介している手法は、世にいうカウンセリングの手法から逸脱したものかもしれません。実際、心屋自身がさまざまな手法を学び、体験する中で大きな変化を遂げてきました。そして、その中で最後に残った心の中の「核」が「怒り」でした。この「怒り」を解放できないかと考えたのですー。人気カウンセラーの名著、待望の文庫化。
亡くなった父が経営していたオークションハウスは、美術や工芸品の鑑定を学んできたキャサリンにとって宝物だ。父はこの店の経営権を兄とキャサリンの共同にすると遺言に残したが、彼女には条件がつけられていた。それは結婚しなければ経営に携わることができないというものだ。父なきあとオークションハウスの切り盛りに力を尽くしてきたキャサリンだが、政治家志望の兄は売上を横領しているうえに、店を売却しようとしている。また、自分が政界入りするための足がかりとなるように、彼女を強引に政略結婚させようとしていた。早く結婚して経営権を持たなくてはとあせるキャサリンは、危険な実力者ニックに近付き、便宜上の結婚をしてほしいと申し入れる。単なる取引のはずだった二人の始まりは、やがて大きな情熱のうねりとなり…