2017年12月14日発売
屋上に神社を祀る、少し変わったビルで受付嬢として働く苑子。「縁結びに御利益がある」という屋上神社の神主・幹人に恋心を抱いているが、彼が死別した妻を今も想っていること、そして彼女との息子・陽人の存在もあり、関係を深められずにいる。そんなとき、ビルの防犯カメラに子どもの幽霊が映ったという噂を聞く。お祓いはできないと笑う幹人だが、映像を見て気掛かりがあるようで…?ごく普通の日常にある小さな謎と人の縁。あたたかでやさしい連作小説。
場末の酒場で射殺事件発生。現場から、顔に傷のある男と地元の会社経営者ジョーディが姿をくらました。捜査の結果、死んだ男は殺し屋だったことが判明。警察は、現場から消えた二人の行方を追う。一方、ジョーディは、顔に傷のある男に拘束され、緊迫の夜を過ごしていた。正体不明のこの男の目的は何なのか?ついに、決死の行動に出たジョーディだったが…。どんでん返し連発サスペンス!
父を亡くした長女のエマは、自分の幸せを諦め、ふたりの妹の婚活にいそしむ日々。父親が遺した莫大な借金も彼女を苦しめていた。ある晩、エマが妹たちのお目付役として出席した舞踏会で、しつこく言い寄る紳士を避けてひとけのない部屋のカーテンの陰に逃げ込むと、そこには思いがけず先客が。正体の知れないその男と、エマは暗がりの中、はからずも少しだけ親密なひとときを過ごしてー期待の新人作家、初の邦訳作品!
奥多摩の御嶽山にある神官屋敷で物語られる、怪談めいた夜語り。著者が少年の頃、伯母から聞かされたのは、怖いけれど惹きこまれる話ばかりだった。切なさにほろりと涙が出る浅田版遠野物語ともいうべき御嶽山物語。
地味で男っ気のない七代は、とてもさわやかな年下のサラリーマン・古賀にいきなりプロポーズされた。最初は疑っていたが、母親を紹介されたり婚前旅行を提案されたり、ついに自分にも春が…と思っていた矢先、旅先で古賀が失踪する。どうしても彼を憎めない七代は、自らの足で真相を突きとめようとするが!?事件と事件が絡み合う、恋愛サスペンス。
若いのに始末書を乱発している畑山理恩警部。捜査本部長に減らず口を叩いたり、異常な食い意地で騒動を起こしたり、出かけるたびに迷子になったり…。だが推理だけは超一流!上司をバカ扱いする寒山拾得警部補とともに、タレント歌人の失踪、大学教授の怪死といった4つの難事件に立ち向かう。さくさく読めるコミカル・ポリス・ストーリー!
浦島太郎が龍宮城に来てみれば、待つのは密室殺人?ネット社会、刑期を終えた男の名は半永久的に残る現実が。捜査会議後の刑事たち、会話の中に事件解決の糸口あり?シンガポールで新婚旅行、二組の男女の心理が交錯したすえに…。トロフィー凶器の殺人に、ミステリ史上前代未聞の仕掛けが!包丁研ぎが巧みな女のもとに昔の男が訪れ、切れた二人の関係は一転し…。六編のどんでん返しが、あなたを夢中にさせる。
外との接触を拒むかのように、町の入り口に位置する「峠」。就職し赴任したひなびた町で、閉塞感に包まれながら、若き日々を過ごした男は、久方ぶりに町を訪れた際に、「峠」で不思議な感覚にとらわれるー。長年活躍し齢八十を超えた現在も健筆をふるう著者の自伝的要素を含む「峠」ほか、人生の夕焼けを生きる者たちの存念や悲哀を物語に綴った、渾身の書き下ろし短編集。
「それじゃあキミを死神として採用するね」ある日、高校生の佐倉真司は同級生の花森雪希から「死神」のアルバイトに誘われる。曰く「死神」の仕事とは、成仏できずにこの世に残る「死者」の未練を晴らし、あの世へと見送ることらしい。あまりに現実離れした話に、不審を抱く佐倉。しかし、「半年間勤め上げれば、どんな願いも叶えてもらえる」という話などを聞き、疑いながらも死神のアルバイトを始めることとなりー。死者たちが抱える、切なすぎる未練、願いに涙が止まらない、感動の物語。
ひょんなことから神様と出会い、未練を残した魂に体を貸すのと引き換えに、「料理の腕を磨きたい」という願いを叶えてもらっていた高坂哲史。その神様と会えなくなって、はや数ヶ月。いなくなったはずの神様に話しかけると、まさかの返事が!何やら未練を解決してくれる哲史のことが魂の間で話題になっていたようでー。忘れたくない味、忘れられない味を繋ぐハートフルストーリー第二弾。
あれほど嫌だった沖縄での生活に、少しずつ居心地の良さを感じ始めた比嘉篤。ある日、琉球王国時代の「聖地」である斎場御嶽に行くと、キミと遭遇する。「ニライカナイ(理想郷)って本当にあるの?」とキミに訊く篤。そこに突然、木の葉にすっぽりとくるまれた小さな生き物が現れ、久高島のほうへ飛んでいく。驚く篤に、キミは「あれはキーヌシー(木霊)だ」と言うがー診療所の若きお医者さんと南の島の“神様たち”との交流を描いた、心温まる物語。
『望んだ物が何でも手に入る』という不思議な洋館に囚われた高校生・荒川零弥と11人の若い男女。互いを「家族」と呼び合い、毎日を仲良く暮らす彼らだが、そんな平穏な日々は一人の「家族」の死によって終わりを迎える。膨らむ猜疑心。徐々に増えていく犠牲者。犯人は誰なのか、事件の真相は?“究極の飽和状態”が生み出す、惨劇と絆の物語が幕を開ける。三度の舞台化&200万超ダウンロードの人気ミステリー・サスペンスゲーム、待望の小説化!
都内のIT企業に勤める三十五歳の真鍋倫太郎は、ひそかに思いを寄せる未亡人の派遣社員の川原真千子が、残業時に涙する場面に出くわす。いまだ亡夫の家族と同居している彼女は、義父から義弟との再婚を迫られ苦悩していたのだ。事情を知った倫太郎は、何もかも捨てて一緒に逃げようと提案し、北国にあるいまは亡き祖母の家に共に向かうことに。雪がそぼ降る古民家での、妖しい同居生活が始まるー。書き下ろし長編性春エロス。
四十路を迎えるまでに結婚したいと考えている野原兎一郎。ある朝目覚めると、ダブルベッドの隣には全裸の美女が。どうやら相席居酒屋で意気投合した玲美を運命の相手と感じ、泥酔した末のできごとらしい。出会ってすぐにセックスするのは抵抗があるという玲美と一日を過ごす兎一郎だったが。性も含めた理想の結婚相手を求めて繰り広げられる、オトナの婚活の顛末は!?書き下ろし長編柔肌エロス。
秀士館の門人が、相次いで頭巾の侍に襲われた。侍は捨て台詞に湯瀬直之進の名を出したという。だが渦中の直之進は、館長の大左衛門から大山・阿夫利神社への納太刀を頼まれる。同行する塚ノ介、珠吉との賑やかな旅路に、邪悪な影が忍び寄る。道中知り合った訳あり父娘の厄介事も背負い込み、大山詣は益々穏やかならざるものに。因縁の対決の火蓋が切られ、山間の清流に鋭い刃音が響き渡った。書き下ろし人気シリーズ第三十九弾。
本所の堅川沿いにたたずむ居酒屋「浜富」。そこの女将・おあきに、亡き妻の面影を見出した菅井紋太夫は、仕事帰りにちょくちょくそこへ通うようになった。そんなある夜、紋太夫が酒を飲んでいると、やくざ者が店に入ってきて暴れ始めた。得意の居合で乱暴者を追い払った紋太夫だが、それ以来、店への執拗な嫌がらせが始まり、おあきは店を開けることができなくなってしまう。大好評シリーズ第四十一弾!