2017年12月発売
父を亡くした長女のエマは、自分の幸せを諦め、ふたりの妹の婚活にいそしむ日々。父親が遺した莫大な借金も彼女を苦しめていた。ある晩、エマが妹たちのお目付役として出席した舞踏会で、しつこく言い寄る紳士を避けてひとけのない部屋のカーテンの陰に逃げ込むと、そこには思いがけず先客が。正体の知れないその男と、エマは暗がりの中、はからずも少しだけ親密なひとときを過ごしてー期待の新人作家、初の邦訳作品!
奥多摩の御嶽山にある神官屋敷で物語られる、怪談めいた夜語り。著者が少年の頃、伯母から聞かされたのは、怖いけれど惹きこまれる話ばかりだった。切なさにほろりと涙が出る浅田版遠野物語ともいうべき御嶽山物語。
地味で男っ気のない七代は、とてもさわやかな年下のサラリーマン・古賀にいきなりプロポーズされた。最初は疑っていたが、母親を紹介されたり婚前旅行を提案されたり、ついに自分にも春が…と思っていた矢先、旅先で古賀が失踪する。どうしても彼を憎めない七代は、自らの足で真相を突きとめようとするが!?事件と事件が絡み合う、恋愛サスペンス。
若いのに始末書を乱発している畑山理恩警部。捜査本部長に減らず口を叩いたり、異常な食い意地で騒動を起こしたり、出かけるたびに迷子になったり…。だが推理だけは超一流!上司をバカ扱いする寒山拾得警部補とともに、タレント歌人の失踪、大学教授の怪死といった4つの難事件に立ち向かう。さくさく読めるコミカル・ポリス・ストーリー!
浦島太郎が龍宮城に来てみれば、待つのは密室殺人?ネット社会、刑期を終えた男の名は半永久的に残る現実が。捜査会議後の刑事たち、会話の中に事件解決の糸口あり?シンガポールで新婚旅行、二組の男女の心理が交錯したすえに…。トロフィー凶器の殺人に、ミステリ史上前代未聞の仕掛けが!包丁研ぎが巧みな女のもとに昔の男が訪れ、切れた二人の関係は一転し…。六編のどんでん返しが、あなたを夢中にさせる。
外との接触を拒むかのように、町の入り口に位置する「峠」。就職し赴任したひなびた町で、閉塞感に包まれながら、若き日々を過ごした男は、久方ぶりに町を訪れた際に、「峠」で不思議な感覚にとらわれるー。長年活躍し齢八十を超えた現在も健筆をふるう著者の自伝的要素を含む「峠」ほか、人生の夕焼けを生きる者たちの存念や悲哀を物語に綴った、渾身の書き下ろし短編集。
「それじゃあキミを死神として採用するね」ある日、高校生の佐倉真司は同級生の花森雪希から「死神」のアルバイトに誘われる。曰く「死神」の仕事とは、成仏できずにこの世に残る「死者」の未練を晴らし、あの世へと見送ることらしい。あまりに現実離れした話に、不審を抱く佐倉。しかし、「半年間勤め上げれば、どんな願いも叶えてもらえる」という話などを聞き、疑いながらも死神のアルバイトを始めることとなりー。死者たちが抱える、切なすぎる未練、願いに涙が止まらない、感動の物語。
ひょんなことから神様と出会い、未練を残した魂に体を貸すのと引き換えに、「料理の腕を磨きたい」という願いを叶えてもらっていた高坂哲史。その神様と会えなくなって、はや数ヶ月。いなくなったはずの神様に話しかけると、まさかの返事が!何やら未練を解決してくれる哲史のことが魂の間で話題になっていたようでー。忘れたくない味、忘れられない味を繋ぐハートフルストーリー第二弾。
あれほど嫌だった沖縄での生活に、少しずつ居心地の良さを感じ始めた比嘉篤。ある日、琉球王国時代の「聖地」である斎場御嶽に行くと、キミと遭遇する。「ニライカナイ(理想郷)って本当にあるの?」とキミに訊く篤。そこに突然、木の葉にすっぽりとくるまれた小さな生き物が現れ、久高島のほうへ飛んでいく。驚く篤に、キミは「あれはキーヌシー(木霊)だ」と言うがー診療所の若きお医者さんと南の島の“神様たち”との交流を描いた、心温まる物語。
『望んだ物が何でも手に入る』という不思議な洋館に囚われた高校生・荒川零弥と11人の若い男女。互いを「家族」と呼び合い、毎日を仲良く暮らす彼らだが、そんな平穏な日々は一人の「家族」の死によって終わりを迎える。膨らむ猜疑心。徐々に増えていく犠牲者。犯人は誰なのか、事件の真相は?“究極の飽和状態”が生み出す、惨劇と絆の物語が幕を開ける。三度の舞台化&200万超ダウンロードの人気ミステリー・サスペンスゲーム、待望の小説化!
都内のIT企業に勤める三十五歳の真鍋倫太郎は、ひそかに思いを寄せる未亡人の派遣社員の川原真千子が、残業時に涙する場面に出くわす。いまだ亡夫の家族と同居している彼女は、義父から義弟との再婚を迫られ苦悩していたのだ。事情を知った倫太郎は、何もかも捨てて一緒に逃げようと提案し、北国にあるいまは亡き祖母の家に共に向かうことに。雪がそぼ降る古民家での、妖しい同居生活が始まるー。書き下ろし長編性春エロス。
四十路を迎えるまでに結婚したいと考えている野原兎一郎。ある朝目覚めると、ダブルベッドの隣には全裸の美女が。どうやら相席居酒屋で意気投合した玲美を運命の相手と感じ、泥酔した末のできごとらしい。出会ってすぐにセックスするのは抵抗があるという玲美と一日を過ごす兎一郎だったが。性も含めた理想の結婚相手を求めて繰り広げられる、オトナの婚活の顛末は!?書き下ろし長編柔肌エロス。
秀士館の門人が、相次いで頭巾の侍に襲われた。侍は捨て台詞に湯瀬直之進の名を出したという。だが渦中の直之進は、館長の大左衛門から大山・阿夫利神社への納太刀を頼まれる。同行する塚ノ介、珠吉との賑やかな旅路に、邪悪な影が忍び寄る。道中知り合った訳あり父娘の厄介事も背負い込み、大山詣は益々穏やかならざるものに。因縁の対決の火蓋が切られ、山間の清流に鋭い刃音が響き渡った。書き下ろし人気シリーズ第三十九弾。
本所の堅川沿いにたたずむ居酒屋「浜富」。そこの女将・おあきに、亡き妻の面影を見出した菅井紋太夫は、仕事帰りにちょくちょくそこへ通うようになった。そんなある夜、紋太夫が酒を飲んでいると、やくざ者が店に入ってきて暴れ始めた。得意の居合で乱暴者を追い払った紋太夫だが、それ以来、店への執拗な嫌がらせが始まり、おあきは店を開けることができなくなってしまう。大好評シリーズ第四十一弾!
苛烈な過去を乗り越え、剣友春之助と和解した八雲兼四郎。共に道場をやろうと誘う友の真心を嬉しく思いつつも、麹町で営む居酒屋「いろは屋」で再び常連客に囲まれる道を選ぶ。兼四郎には春之助にも言えぬ裏の顔ー外道を闇に葬る浪人奉行の影役目があった。平穏な日々も長くは続かず、池袋村で旅の行商人が惨殺されたとの凶報がもたらされる。大反響シリーズ、堂々の第三弾!
神秘の扉を前に最後の試験に失敗し、奇跡の剣を手にできなかったパウロは、剣を見つけ出すため、スペイン北部を東西に横切る巡礼の道、「銀河の道」へ向かう。古来からの道を歩き、聖地サンチャゴを目指す長い旅路のなかで、パウロに幾多の試練が降りかかる。しかしそれは、オカルトや魔法に心を奪われていたパウロに、真のマスターへの道を示す偉大な旅だった。自らの体験を基に描いたデビュー作に、刊行当時、あえて本に入れなかった奇跡的な体験や巡礼路の言い伝え、旅をするときのアドバイスなどについて語った「まえがき」と「あとがき」などをくわえた、刊行25周年記念特装版! 【もくじ】 まえがき プロローグ 第一章 到着 第二章 サン・ジャン・ピエ・ド・ポー 第三章 創造する者、創造されし者 第四章 自分に対する愛と寛容 第五章 メッセンジャー 第六章 愛 第七章 結婚 第八章 法悦 第九章 死 第十章 祈り 第十一章 征服 第十二章 狂気 第十三章 命令と服従 第十四章 トラディションの儀式 第十五章 エル・セブレロ エピローグ:サンチャゴ・デ・コンポステーラ あとがき 訳者あとがき 特装版への訳者あとがき
「山」と「海」──それは私たち人間にとって、最も身近な「異界」です。深い森の奥や暗い海の底には、今もなお、人知の及ばぬ神秘の世界が広がっています。天狗や山人、海坊主や舟幽霊といった山妖海怪は、そうした異界に対する畏怖の念が生み出したものなのかも知れません。 山の怪異、海の恐怖──それらはまた、小説から実話まで、古今の怪談文芸の得がたい源泉ともなってきました。とりわけ近年は、田中康弘『山怪』シリーズの記録的な大ヒットを契機に、「山の怪談」本が熱い注目を集めています。斯界の先覚者・安曇潤平の一連の著作や『里山奇談』のヒットも記憶に新しいところです。 本誌は2008年刊行の第8号で、いちはやく「山の怪談」を特集し、現在のブームに10年近くも先駆けて、トレンド形成に先鞭をつけました。そこで今回の特集では趣向を変えて、「山」と「海」の怪談文芸を対比的に取りあげます。ふたつの異界のはざまに、私たち日本人が何を垣間見、何を語り伝えてきたのか……御期待ください! 『幽』編集顧問 東 雅夫 特集「山妖海怪、奇奇怪怪」 ●巻頭グラビア 宇佐見まこと書き下ろし「獺祭」+玉川麻衣作品 ●日本怪談紀行/怪談巡礼印象記 恐山から仏ヶ浦へ 加門七海/東雅夫 ●名作復刻 幸田露伴「幻談」/上田哲農「枕」/安部公房・山下彌三左衛門対談 ●競作 安曇潤平/黒史郎/里山奇談チーム ●エッセイ 小池真理子/樋口明雄/朱野帰子/安田登 ●論考 田中康弘/川島秀一 ほか 小説連載 京極夏彦/小野不由美/有栖川有栖/初野晴/山白朝子/円城塔/恒川光太郎/近藤史恵/織守きょうや 実話連載 福澤徹三/中山市朗/松村進吉/安曇潤平/藤野可織/小池壮彦 漫画連載 波津彬子/高橋葉介/諸星大二郎/押切蓮介/花輪和一 ほか エッセイ&書評&企画 南條竹則 ほか 特別企画 「カクヨム異聞選集」選考会リポート 稲川淳二 ほか
サラリーマン・牧野と、その女上司・黒木との秘密、それはノー残業デーでの、ふたりっきりのダンジョンアタック! どういうわけかダンジョン内ではへっぽこな黒木の指導に熱の入る牧野。ダンジョンアタックの楽しさを思い出し始めていた牧野に、かつてのパーティーメンバー・小池寧々からプロハンターの誘いが届く。「そんなド素人の指導してる器じゃないだろ、お前は」。今いる会社でできない社員であり続けるか、それとも天職ともいえる新たな職場か? そして、黒木との最後のダンジョンアタックの行方は?
■各界から、絶賛の推薦コメント多数!! 良質の暗黒青春小説である。男子がモヤモヤしたい時に手に取るべき一冊として、本書はこの上なくふさわしいだろう。全男子、童貞せよ! ーー田中ロミオ(作家、シナリオライター) すれ違ってはいたかもしれない。 不器用に見えるかもしれない。 けれどこれはきっと、どこまでもまっすぐな、愛の物語だ。 ーー枯野 瑛(作家、シナリオライター) 非実在人物を聖域と考える人は手に取るのをやめた方がいい。 この作品には毒が含まれている。 しかし、その毒は生産性のない感情を呼び覚まさせてくれる。 ……たまには非現実的な夢を見てもいいという人は是非…… ーー藤原佳幸(アニメ「GJ部」「NEW GAME!」監督) まったくもって手に負えないヤバい女、ミツキさん。 マンキー君と一緒にハラハラドキドキイライラムカムカしながら彼女を見守っていたら……いつの間にか恋してました。 それは多分私がMだからでは無いと思います。 ーー和田純一(アニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」監督) ■内容紹介 小学校を卒業して中学生になった幼なじみのミツキは、すぐにセックスを覚えた。 覚えたというか、生活の一部にセックスを取り入れてしまった。 実の父と四つ上の兄と寝て、自ら定めたルールに則り、いろいろな男とやってやってやりまくった。 もちろん童貞で毛も生えていなかった僕マンキーは、それを聞いて「なんだそりゃっ?」 成績優秀で容姿端麗、誰にも支配されず男と寝るミツキと、幼なじみの童貞男マンキーのワイルドな青春。 「オレは愛のないセックスはしない主義なんだ」 「童貞が主義とか言うな」 かつて童貞だったすべての男たちに捧げる、純愛。 ■登場人物 ●田中文紀 通称・マンキー。童貞。織原ミツキの唯一の友人。 愛のないセックスはしない主義(キスならOK)。 ●織原美月 マンキーの幼なじみ。幼少期より学校や友人関係といった小社会に興味がない。 ●佐藤理恵 通称・リエ。高校でマンキーの同級生。 小柄で丸顔、ショートヘアー。猫を思わせるつり目に巨乳。マンキーを好きになる。 ●中学の英語教師 29歳。顔も心意気もよく、生徒から慕われている英語教師。 ●サクライくん マンキーたちの一学年上の先輩。177センチの巨体に赤髪ロン毛の不良少年。 ●班長 マンキーの同級生。修学旅行でマンキーの班の班長。
幸せな結婚を夢見るOLのミサ。もちろん相手は高学歴、高収入のイケメン御曹司に限るッ! そんな打算だらけの“本性”を隠し、恋活を頑張ったけれど……今日も重いとフラれた。 思わずヤケ酒をし、酔い潰れてしまったミサ。翌朝、目を覚ますとそこはホテルの一室で!? しかも隣には裸の男ーー過去にミサの本性に気づき、コケにしたフツメン・ウエハラが!! 「介抱してやったら襲われた」「嘘言わないで、訴えてやる!」「ご自由にどうぞ」 あれ、ウエハラってこんなにいい体してた?? って違ーう! 私がこんなフツメンと恋するわけがない! 私の輝かしい未来はどうなる? 猫かぶり女子VSフツメンの告訴ラブコメ!