2017年3月21日発売
出会いなおし出会いなおし
年を重ねるということは、おなじ相手に、何回も、出会いなおすということだ。出会い、別れ、再会、また別れー。人は会うたびに知らない顔を見せ、立体的になる。人生の特別な瞬間を凝縮した、名手による珠玉の六編。
鳥の会議鳥の会議
ぼくと神永、三上、長田はいつも一緒だ。ぼくがまさしにどつかれて左目を腫らしたと知ると、神永たちは仕返しにゲーセンに向かい、教師や先輩からの理不尽には暴力で反抗する毎日。ある晩、酔った親父の乱暴にカッとなった神永は、台所に二本あった包丁を握る。「お前にやられるなら本望や」そう言い放つ親父を、神永は刺すのだが…。痛みと苦味のなかで輝く少年たちの群像。
砂漠ダンス砂漠ダンス
「砂漠へ行きたいと考えたのはテレビで砂漠の様子を見たからだ」-北国に住むわたしが飛行機に乗って到着した街は、アメリカの古くからのカジノの街。レンタカーを借りて向かった砂漠で、わたしは、子どもの頃のわたしに、既に死んだはずの父と母に、そして、砂漠行きを誘えずにいた地元のバーで働く女に出会う…。小説の自由を解き放つ表題作に、単行本未収録を含む短篇三作を併録。
植民地の腹話術師たち植民地の腹話術師たち
近代「韓国語」はいかに作られたのか。帝国の支配下で帝国の言語で発言する被植民地人は一種の腹話術師である。主に日本語との格闘を通して作品を書いた文学者たちの活動に豊富な引用で光を当て、その実態に鋭く近づく、ユニークな試み!
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