2017年3月9日発売
イギリスの支配下にある19世紀インド。上官に呼び出された軍人エイヴリーは、奥地で姿を消した詩人の行方を捜すよう命じられる。この任務に同行するのは“ブラッドハウンド”と呼ばれる謎の男ブレイク。反りが合わないながらも旅に出たふたりを大いなる陰謀と冒険が待ち受ける!密林の中にひそむのは、虎か!象か!盗賊か!アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞&英国推理作家協会新人賞W候補の歴史ミステリ。
飛行機乗りであるポクスル・ウェストおじさんの勇ましい物語に夢中になっていたイライジャ少年。だが、やがて少年は、おじさんが決して語らなかった「真相」を知ってしまう。《ニューヨー・タイムズ》紙が絶賛するアメリカの新人作家が挑む、本当の戦争の話。
カロールメン国に暮らす漁師の子シャスタは、自分が奴隷として売られることを知り、ナルニア出身の“もの言う馬”ブリーとともに北を目指す。思いがけず、もう一組の道連れを得たのも束の間、旅は新たな使命を帯びることになって…。三つの国にまたがる少年の数奇な冒険を描く。
幼馴染の汀女とともに故郷の豊後岡藩を出奔し、江戸・吉原に流れ着いた神守幹次郎は、剣の腕を見込まれ、廓の用心棒「吉原裏同心」となった。時は流れ、花魁・薄墨太夫が自由の身となり、幹次郎は汀女、薄墨改め加門麻との三人で新しい生活を始める。幼い頃に母と訪ねた鎌倉を再訪したいと願う麻に応え、幹次郎らは鎌倉へ向かう。旅からはじまる新しい物語、開幕。
中学高校の同級生だった洋美とリラは乳児の予防接種会場で偶然に再会。育児に悩む洋美にリラは手を貸し、二人は“ママ友”となった。やがて洋美の子・敏光とリラの子・光鳥は同じ幼稚園、小学校へと進むが、“問題児”の敏光の乱暴がひどくなり、その対象は光鳥に。リラはついにあることを決断する…。母親の無力感、悔しさ、葛藤を浮き彫りにする著者会心の長編!
堺町通松原下ル鍛冶屋町。家々の並びにぽっかり口をあけた露地の奥、「鉄輪の井戸」の脇に、その店はひっそりと佇んでいた。百年は経とうかという町家カフェの女主人キリとの出会いが、私を古都にうごめく様々な怪異へと誘ってゆく。切るに切れない「縁」をテーマに、京都エッセイの第一人者が綴る、美しくも怖い「京都小説」。裏京都案内とも言える著者解題を収録。
北町奉行所の隠密廻り方同心、萬七蔵は、目的遂行のためには手段を選ばぬやり方から、「夜叉萬」と呼ばれ密かに恐れられていた。脂粉の香りを残し去ってゆく辻斬りの探索の過程で七蔵が見た卑劣な真実とはー。七蔵のふるう豪剣は、誰を斬り、何を裁くのか?悪道を歩む人間を見つめ、その因果や定めを鮮やかに描き出す、名手による時代小説、超絶の醍醐味ここにあり。
駆け込み寺「慶光寺」に突然、侵入者が現れた。御用宿「橘屋」の用心棒・塙十四郎がすぐに捕まえ、事情を聞いたところ、新助という桧物師で、幼馴染みのおひさを救ってほしいと訴えた。おひさは献残屋「赤松屋」へ嫁いでいたが、十四郎が探ると、夫の治兵衛に怪しい過去が現れたー。(「侘助」)親子の情愛を描いた表題作など四編を収録した、著者の代表シリーズ第十一弾。
薬研堀の煙草問屋・肥前屋の番頭、庄助の様子がおかしい。まじめ一本で商売熱心だった店のあるじの壱右衛門が、商売を顧みず柳原堤の女を囲ったことを気に病んでいるという。杢之助は意外な色恋沙汰に驚くが、そんなとき、堀に庄助の溺死体が揚がった。色恋沙汰を利用し肥前屋を狙う一味の魔の手が、米沢町に伸びるのを感じ取る杢之助だがー。シリーズ第四弾。
古道具屋で買った枕が、夜な夜な赤子のように大声で泣き喚く。八幡様の祭りの絵に描かれた人物がいつの間にか増えていたーー。「不思議」を売買する九十九字屋には、今日も怪しい品々が持ち込まれて……。るいは、憑きものの正体を求め、気はいいがちょっと迷惑な『ぬりかべ』の父親らとともに奔走する。切なくてほっこりとあたたかい、新感覚時代小説シリーズ第二弾!
マンションで孤独死体となって発見された女性の名は、鈴木陽子。刑事の綾乃は彼女の足跡を追うほどにその壮絶な半生を知る。平凡な人生を送るはずが、無縁社会、ブラック企業、そしてより深い闇の世界へ……。辿り着いた先に待ち受ける予測不能の真実とは!? ミステリー、社会派サスペンス、エンタテインメント。小説の魅力を存分に注ぎ込み、さらなる高みに到達した衝撃作!