2017年4月12日発売
「お前の約束は聞き飽きた」夢の中、男はレンガで私の指を潰していったー2054年、英国。スレーテッド(記憶消去矯正措置)を施された16歳の少女カイラは、デイビス夫妻の元で新たな生活を始める。しかし、繰り返し見る悪夢が、消されたはずの記憶を呼び覚ましてゆく。“私”は誰なのか?なぜスレーテッドされたのか…。治安当局と周囲の監視をかい潜り、同じスレーテッドの少年ベンと真相を探るうち、カイラは暗躍する反政府組織の存在を知る…。過剰に管理された近未来の英国を舞台に、少女の戦いと成長を描く、瞠目のディストピア小説!
ベテランケースワーカーの山川が殺された。新人職員の牧野聡美は彼のあとを継ぎ、生活保護受給世帯を訪問し支援を行うことに。仕事熱心で人望も厚い山川だったが、訪問先のアパートが燃え、焼け跡から撲殺死体で発見されていた。聡美は、受給者を訪ねるうちに山川がヤクザと不適切な関係を持っていた可能性に気付くが…。生活保護の闇に迫る、渾身の社会派ミステリー!
口入屋『宝生屋』番頭の久次郎と町火消し吾平の惨殺体が立て続けに見つかった。風烈廻り与力・青柳剣一郎は手口の残忍さから同一犯と断定。宝生屋主の与五郎が二人と博打仲間だったと知り遺恨を疑うも、与五郎は身に覚えがないと言う。だが与五郎も謎の刺客に襲われ、十五年前の悲惨な事件が浮上する…。哀しみの果てに己を捨てた復讐鬼を、剣一郎はどう裁く。
上方の大盗賊夜宮の長兵衛は斬首覚悟で江戸へと潜入した。十六年前、泣く泣く手離した娘に一目会いたくなったのだ。余命僅か、必死に捜す長兵衛。一方、迷宮入り事件を専門に追う二ツ森伝次郎ら戻り舟に、多忙の奉行所から長兵衛捕縛の命が下る。どんな悪も許さぬ伝次郎だが、大盗賊の子への想いを知ると一肌脱ぐ決意をするー。待望の新シリーズ、感涙の幕開け。
国家老の悪政を暴くため駿州中田藩から出奔した小夜姫と腰元綾香を、無宿人の新九郎は追手から救った。元は武士だった新九郎は姫の心情を汲み、共に江戸を目指す。最初の宿場町丸子で野宿の夜、姫の眠る隣で綾香は突然自分を慰め始めた。普段、姫を護る献身的な腰元の欲望に従順な姿に、驚き昂ぶる新九郎。二人は秘事に溺れていくがー姫は眠っていなかった!?
三河で“神隠し”に遭ったとされる花火職人の弥助が、江戸で襲われ、闇の始末人千坂唐十郎の目の前で息絶えた。弥助の今際の言葉を頼りに事件の探索に乗り出す唐十郎たち。手がかりを辿るうち、頻発する凶悪非道な押し込み強盗と、“神隠し”につながりを見出す。尾州浪人が大量の爆薬を市中に配し、将軍・吉宗の爆殺を企んでいたのだ。唐十郎と叛徒の激闘の行方は…。
「高名の依頼人」や「サセックスの吸血鬼」-おなじみベイカー街221Bを訪れる依頼人が持ち込む難事件の数々。『緋色の研究』で颯爽と登場し、たちまち名探偵の代名詞となったシャーロック・ホームズは、4長編56短編で全世界のファンを魅了し、いま鮮やかに退場する。「読者諸君、今度こそほんとうにシャーロック・ホームズともお別れだ!」深町版ホームズ全集、ここに完結。
若い女性の他殺死体が、ライプツィヒの池で見つかった。身元を確認した母ミカエラは、犯人と、殺された姉と一緒に家出した妹娘の行方を捜そうとする。事件を担当する上級警部ヴァルターは、ミカエラの行動に手を焼きつつ調べを進める。一方ウィーンの弁護士エヴェリーンは、女性殺害の嫌疑をかけられた医師の弁護依頼を受けていた。『夏を殺す少女』続編。独で爆発的な人気の話題作。レオ・ペルッツ賞受賞、スコウツ賞犯罪小説部門ヘルツォーゲンタール手錠賞第1位。
新婦とは一番の親友だと思っていたのに。大学の同じグループの女子で、どうして私だけ結婚式に招かれないの…(「届かない招待状」)。環境が変わると友人関係も変化する。「あの子は私の友達?」心の裡にふと芽生えた嫉妬や違和感が積み重なり、友情は不信感へと変わった。「女の友情」に潜む秘密が明かされたとき、驚くべき真相と人間の素顔が浮かぶ、傑作ミステリ短篇集全五篇。
生まれつき目が見えず、手術の末に20歳で初めて視力を獲得したケンドラ。盲目の日々のなかで驚異的な洞察力を培い、FBIに協力して数々の難事件を解決してきたが、1年前の事件で元恋人を亡くして心に傷を負った後は、捜査から離れた日常を送っている。そんなある日、1年前にケンドラを事件に巻きこんだ張本人、その冷徹さで恐れられる敏腕犯罪コンサルタントのアダムが再び現れ、連続殺人の捜査に協力するよう迫る。事件の共通点はただひとつーどの殺人のやり口にも、ケンドラが捕らえた殺人鬼の手口が模倣されていて…。話題沸騰の“ケンドラ・マイケルズ”シリーズ最新作ー何者かのおぞましき執着愛が、ケンドラを追い詰めていく…!
美しき郊外に立つ瀟洒な館、ソーンクリフ。両親らとしばらくそこに滞在することになったクロエは、亡き祖父の旧友から頼まれ事をしていた。館からある1冊の本を捜してきてほしいというのだ。その本があれば祖父の死の謎がわかるかもしれないーそう聞かされ、クロエが図書室を探っていると、同じく館を訪問中のウッドフォード伯爵にでくわす。不幸な生い立ちの伯爵は、見目麗しくもどこか陰のある男。どぎまぎしつつ、あたりさわりのない会話をしたクロエだが、まさか伯爵も同じ本を捜しているとは、そのときは思いもせず…。19世紀初頭、秘密にあふれた英国マナーハウスを舞台に、1冊の本が、薄幸のソロインを真実の愛へ導くー。
小さな町の警察官メラニー。といっても普段はご近所トラブルや駐車違反に対処する程度で、町で初めて殺人事件が起きたときも現場で嘔吐し、居合わせたFBI捜査官コナーに馬鹿にされる始末だ。そんなある日、メラニーは最近起きたいくつかの“死亡事故”の共通点に気がつく。被害者は皆、妻や恋人を虐待する暴力男だったのだ。これは過失や事故じゃないー神さま気取りの殺人犯は“闇の天使”と名づけられ、メラニーはコナーとタッグを組んで捜査に乗り出す。やがて思いもよらぬ衝撃の事実が明らかに…。怒涛のロマサス傑作!その死は怒れる“天使”の涙か、それともー天性の作家エリカ・スピンドラーの名作、ここに復刻!