2017年4月20日発売
地球からの文明疎開船が高次元跳躍に失敗、生存のため銀河帝国を建国してから700年余。帝国の護衛艦“ブルーベル”は、隣国のヘレネス統一体が領有権を主張する星系に侵入したとして攻撃を受ける。艦長の戦死により、先任将校の天城真守大尉は的確な判断で艦を無事に帰投させた。予備役編入を希望する天城だったが、各国の複雑な思惑は彼を紛争の最前線へと導いていく。架空戦史の雄による新シリーズ、初巻にして最終巻。
不治の病を宣告された母が愛する娘のために選び取った行動をつづる表題作、明治時代の満州にやってきた熊狩り探検隊一行の思いがけない運命を描いた「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など、あたたかな幻想と鋭い知性の交錯を透徹した眼差しで描いた16篇を収録した、待望の第二短篇集。 〈収録作品〉烏蘇里羆/草を結びて環を銜えん/重荷は常に汝とともに/母の記憶に/存在/シミュラクラ/レギュラー/ループのなかで/状態変化/パーフェクト・マッチ/カサンドラ/残されし者/上級読者のための比較認知科学絵本/訴訟師と猿の王/万味調和/
主人公の真知子は海外企業に職を得た夫と共に南半球へ移住。娘を出産し、新生活が始まった。美しく小さな異国の街に暮らす日本人達のコミュニティには、夫の職業や住む場所によって暗黙のヒエラルキーが築かれていた。その中で真知子は、投資銀行に勤める夫を持つ郁子、商社マンの妻の宏美、現地の日本人シェフと再婚した弓子らと親しくなる。しかし、日本人会のバザーで起こった事件をきっかけに、彼女たちの関係は一気にあやういものになっていく…。孤独と自立、家族と友情…。今、女性が「生きる」ことに正面から向き合った傑作長篇。
二〇二二年仏大統領選。極右・国民戦線マリーヌ・ル・ペンと、穏健イスラーム政党党首が決選に挑む。しかし各地の投票所でテロが発生。国全体に報道管制が敷かれ、パリ第三大学教員のぼくは、若く美しい恋人と別れてパリを後にする。テロと移民にあえぐ国家を舞台に個人と自由の果てを描き、世界の激動を予言する傑作長篇。
密偵として潜り込んだ城で、父を殺した仇のジョンへの復讐を目論むアーサー。一方、ジョンの娘アナは父の命でアーサーを見張ることに。行動を共にする二人の間にいつしか恋心が燃え上がり……。
「鑑定スキル」と「アイテム創造」で異世界コレクション生活、継続中! 秘密の薬で一日女子体験? 殺人料理大会で悪夢のクッキングバトル!? 異世界でのコレクター生活も順調なコーマ。 だが、作ったばかりの性別反転薬を飲んでしまい、なんと美少女に大変身!? 思いがけず一日だけの女子体験をすることになるがーー。 美食の町ではルシルが出場した「殺人料理大会」で三途の川を渡りかけ、 ドラゴンとガーゴイルに襲われる町で絶体絶命の危機に立ち向かう!! 波乱の日々を描く、小説家になろう発「ネット小説大賞」受賞作、第3弾!
双子の姉を交通事故で喪った、十六歳の少女。自らの半身というべき存在をなくした彼女は、家族や友人らの助けを得て、悲しみのなかでアイデンティティを立て直し、新たな歩みを始める。全米が注目するハイチ系気鋭女性作家による、愛と抒情に満ちた物語。 「わたしは、本書の日本語版をみなさまに読んでいただけることをとても光栄に思っています。(…)この本が世に出てから一年あまりのあいだに、わたしは何百人もの読者に会いました。十二歳から九十二歳までの年齢層の人びとです。彼らはそれぞれに、この物語にどんなに心を打たれたかをわたしに伝えてくれました。(…)主人公はまだ少女といえる年齢で、その若さは物語のひとつの大事な側面ではありますが、彼女をめぐる物語の全体は、老若男女の別なく誰にも共感できるものと信じます。読者の方々はまた、この本が愛のーーロマンチックな愛と家族の間の愛の両方のーー不思議とともに、生と死について語っていることを喜んでくれています。それに、ボワイエ家の人びととマイアミのハイチ人コミュニティの人びととのつながりや、ボワイエ家の人びとの目に映る生まれ故郷のハイチの姿も楽しんでくれています」--「日本の読者への手紙」より