2017年4月発売
わたしは特別。みんなとは違う。何者かになるべき存在。幼い頃から、今井花梨はそう思い込んできた。三十二歳になった今は、もう、いくら何でもそんなふうには考えない。考えられない。それでも、「人に注目されたい」「みんなから羨ましがられたい」という強迫的な願望から、どうしても逃れられずにいる…。そんな花梨が陥った罠は、あまりにもエロティックな匂いに満ち満ちていた。
陸奥国の小藩・大仁戸藩に、お家騒動が勃発。藩政を壟断する国家老に反旗を翻した若侍十六人が、駕籠訴に及ぼうと江戸表に向かう。彼らの暴発は藩を取り潰したい幕閣の思う壺。大仁戸に隠されたという銀五万両を巡る策謀が動き出した。訳あって江戸に隠棲していた銅雲斎はじめ凄腕の老骨三人が、故郷の危機に立ち上がる!めっぽう強いジイさま対公儀隠密集団。決戦の火蓋が切られた!
質屋の三浦屋六兵衛が、離れで出刃包丁により惨殺された。三浦屋にとっては、娘の佐与が旗本の惣領との婚礼を間近に控えた折の惨事だった。南町奉行所臨時廻り同心、天霧三之助は探索に乗り出す。六兵衛の遺体の不自然さに気づいた三之助は、下手人像を絞り込み、追い込んでいく。だがそんなさなかに、六兵衛が死んだ同じ離れで第二の刺殺事件が起きた。到叙方式で描く書下し長篇時代ミステリー。
東京・深大寺でテレビ番組のディレクター井上美奈子がお遍路姿の絞殺体で発見された。彼女が企画した“お遍路ゲーム”収録目前の出来事だった。翌日、捜査本部に「四国八十八ヵ所巡りの途中で人が殺される」という謎の電話が!急遽、徳島に飛んだ十津川警部はお遍路姿に変装し、番組収録を見守る。が、新たな殺人事件が発生し、事件は予想外の展開を見せ始めた!?長篇旅情ミステリー。
ライフィセットはベルベットたちとの旅の中で、 人間や聖隷、業魔が持っている、さまざまな思いを知る。 自分は何者で、何がしたいのか、 弟の仇を討つために戦い続けるベルベットのために 何ができるのか……。 その答えを導き出すために、少年は歩みを進めていく! 大人気RPG『テイルズ オブ ベルセリア』の物語を、 聖隷ライフィセットの視点から描く公式ノベライズ、感動の完結!
荒っぽい空手道場の家に生まれ、喧嘩三昧の散々な毎日を送ってきたレオナ。そんな生活とはオサラバし、華やかな高校生活を! とお嬢様校に転入したけれど、奇妙なクラスメイトに連れられた先は……格闘技ジム!?
後宮で着実に正妃の座に近づくヘレナ。皇太后に気に入られ、彼女は皇帝の妹ーーわがまま盛りのアンジェリカの教育を任される。何を思ったか、ヘレナは弟子とアンジェリカに1ヶ月の新兵訓練を行うと言いだし……!?
ついに迷宮都市に到着したサトゥー達。早速探索者登録を行い、意気揚々と迷宮探索に乗り出す! だが迷宮都市で過ごす中、権力者に絡まれたり、立ちこめる瘴気や路地裏の浮浪児など様々な問題も目に付いてきて……。
ゲーム『幻想学園』の世界に転生した俺、クルリ・ヘラン。長期欠席分の補習も乗り越え、ようやく平穏な学園生活がーと思ったら、アイリスの様子がおかしいとアーク王子から相談が…。彼女を元気づけるため、内緒で体育祭に家族を招待しようと企むけれど、当日、異常事態が発生っ!!「んもうっ、アーク王子に会いたくて夜も眠れないから、地獄より参上よっ」と化け物が現れーって、ただの変態じゃなくて王子を狙う刺客!?俺達は体育祭を乗り切れるのか!?
エイミーの逮捕で、回復職地位向上への夢が遠のいたツトム。だが、ギルドは彼を見放さなかった。PTの新メンバーは、なんと神竜人のギルド長。強力だが暴走の危険もある竜人の力を活かしたPT運営とは一体!?
ハル・ノートを突きつけて、開戦か全面的な権益放棄かを迫るアメリカに対し、日本はハル・ノートを受諾。 対米戦敗北と属国化を免れた。 日本はしばし平和な時を過ごすが、ソ連は太平洋への進出を目論み、宗谷海峡で一触即発の危機を迎える。 さらに日ソの接近を警戒するイギリスは、トラック環礁で戦艦大和以下の連合艦隊に対して投降と艦隊の接収を迫る。 要求に従わない連合艦隊に英艦隊は砲撃を開始するが、旗艦に甚大な被害を受けた英艦隊は退却し、危機は去った。 1943年8月、アメリカとソ連がついに開戦。 複雑にうねる世界情勢は日本を翻弄し、大いなる決断を迫る……。
バルザックの歴史小説『リュジェリーの秘密』の新訳とこの小説に至る私信、小品、断片等を収録。リアリスト・バルザックの面目躍如。 1 作品集 一 ヴィクトル・ラティエ宛の手紙(1830年7月) 二 クロッキー「パリの小僧のお礼の仕方」 三 ファンタジー「石のダンス」 四 「パリだより」第11信 五 「物乞うひと」 六 ジュルマ・カロー宛の手紙(1832年1月) 七 「パリからジャワへの旅」抄 八 ハンスカ夫人宛の手紙(1833年3月) 九 「神の木鐸たち」 十 ハンスカ夫人宛の手紙(1836年3月) 十一 ハンスカ夫人宛の手紙(1836年10月) 2 リュジェリーの秘密─哲学研究 第一章 シャルル九世の一夜 第二章 マリー・トゥシェ 第三章 策略対策略 付録 街路事典 人物紹介(登場順)
明治四四年、夏目漱石の推挙で「東京朝日新聞」に連載し、自身の結婚生活や師・尾崎紅葉との関係等を徹底した現実主義で描き、自然主義文学を確立、同時に第一級の私小説としても傑作と謳われる「黴」。翌々年発表の「爛」では、元遊女の愛と運命を純粋客観の目で辿り、文名を確立する。川端康成に「日本の小説は源氏にはじまって西鶴に飛び、西鶴から秋声に飛ぶ」と言わしめた秋声の、真骨頂二篇。 黴 爛 解説 宗像和重
帰りの遅い父を待ちながら優しく甘い夢を紡ぐ孤独な少年の内面を、ロマネスクな文体で描いた表題作「夢見る少年の昼と夜」。不可思議な死を遂げた兄の秘密が自分の運命にも繋がっている事実を知った女性の生を見つめる「秋の嘆き」ほか、「死神の馭者」「鏡の中の少女」「夜の寂しい顔」「未来都市」「鬼」など、意識の深い底に横たわる揺らぎを凝視した福永ワールドの短編14作。初版単行本『心の中を流れる河』『世界の終り』より編纂した一冊。
事故でこの世を去った美術教師は、ひとりの女性の絵を残していたー。姉の自殺の真相を訊くために、美術教師で義兄のアトリエに通う栞。学費を捻出するために、JK産業に手を出してしまった愛。小学生の頃にいじめていた幼馴染みと、思わぬ所で再会した恵。愛する人の近くにいられる場所を、ひたすら探し求める誓。大切なものをすべてなくし、生きる意味を見いだせなくなった了。叶わない恋、追い続けた夢、崩れ去る覚悟…。儚くて切なくて残酷だけど胸に響く、五人の男女の青春の日々。
赤茶けた髪とそばかすだらけの肌で「にんじん」と呼ばれる少年は、母親や兄姉から心ない仕打ちを受けている。それにもめげず、自分と向き合ったりユーモアを発揮したりしながら日々をやり過ごすうち、少年は成長していく。著者が自身の子供時代を冷徹に見つめて綴った自伝的小説。
豪華列車「オリエント急行」が大雪で立ち往生した翌朝、客室で一人の富豪の刺殺体が発見される。国籍も階層も異なる乗客たちにはみなアリバイが…。名探偵ポアロによる迫真の推理が幕を開ける!20世紀初頭の世界情勢を背景に展開するミステリーの古典にして不朽の人間ドラマ。
修復されて美しく生まれ変わった東京駅と東京ステーションホテル。一人の新人作家がここに滞在し、鉄道ミステリーの構想を練っていた。その部屋から見下ろせるコンコースで、人待ち顔で佇んでいた女性が、深夜に謎の死を遂げた。さらに駅で開かれるコンサート「エキコン」に、爆破するとの脅迫電話が!十津川警部が、続発する事件の裏にある巨大な陰謀を追う!