2017年5月11日発売
“新宿区”の倉庫から、ゴルゴダの丘でイエスを刺した“ロンギヌスの槍”が強奪された。槍の持つ、世界を統べる力を封じられるのは、神を突いたもう一本“無名兵士の槍”のみ。奪還を目指す“区”。一方、美貌の人捜し屋・秋せつらは、槍を追うバチカンの使者・牧ラジアの依頼で、まず「楯」となる、イエスが纏った“聖衣”の捜索を開始。だが、その前にロンギヌスの子孫・フロン一族が現れ、“区”も交えた争奪戦が勃発した!“聖衣”はどこに?二本の槍は誰の手に?神を殺した魔槍は“魔界都市”さえ滅ぼすのか?書下ろし最新刊!
東京湾に浮かぶ新日本瓦斯開発株式会社の天然ガス掘削プラットフォーム“エレファント”。大型台風が迫る夕刻、不審な転落事故が発生し、作業員一名が死亡。暴風域に入る前に単身、現着した警視庁捜査一課殺人班の入間祐希は、事故現場で爆発物の存在を嗅ぎ取る。施設に残った社員11名に事情聴取を進めようとするが、国家のエネルギー政策を担うプロジェクトを円滑に継続させようとする企業側と衝突。嵐が吹き荒れる中、外部との通信がダウン、さらに作業服を着た不法入国者と思われる謎の男が札束を抱えて爆死した。薬物、拳銃、金ー作業員たちの裏の顔が浮かび上がってきた時、ついに爆弾魔の狂気が暴走を始める…。
どんなに調理が難しい食材でも、心をほぐす一品に変えてみせます!失踪した両親を捜すため、持ち込まれた食材で料理を作る“移動調理屋”を始めた佳代。結局、両親には会えなかったが、貴重な出会いと別れを経験。やがて松江のばあちゃんとの出会いが、佳代を変えた。シングルマザーやお年寄りなど、苦労している人たちのために全国に支店を開いてほしいと言われたのだ。金沢の近江町市場前での営業を皮切りに、佐渡島のロングライド大会では“ズッキーニ麺ポモドーロ”、山形の芋煮会では“手打ち冷やしラーメン”などに挑戦しながら、その想いを実現するために、佳代を乗せたキッチンワゴンは今日もゆく!
気鋭の劇作家内藤岳は、知己を得た世界的劇作家ヘルムート・ギジに師事するため、ドイツに渡った。ギジは冷戦時代、旧東ドイツで体制を批判するシェイクスピアの翻案作品で名を馳せていた。その彼が、三十年ぶりに『ロミオとジュリエット』の翻案『R/J』を執筆中というニュースは世界を驚かせ、原作と翻案が同時上演されることに。だが、新作の完成を待つ中で進む原作舞台の稽古中、女優が重傷を負う事故が発生。直後、ギジが新作原稿とともに姿を消した。岳はルームメイトで演劇研究家の桐山準と協力、ギジの足跡を辿り、やがて彼の経歴から消された闇を知ることに…。
ロス市警スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、逃亡中の殺人犯を捜索していた。マギーが発見した家の中には、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同じ頃、同じ住宅街で私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探す女性の依頼を受けて調査をしていた。スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。
死刑執行前夜に密室で殺された囚人、満月の夜を選んで脱獄を決行した囚人、自ら埋めた死体を掘り返して解体する囚人ー世界各国から集められた死刑囚を収容する特殊な監獄で次々に起きる不可思議な犯罪。外界から隔絶された監獄内の事件を、老囚シュルツと助手の青年アランが解き明かす。終末監獄を舞台に奇想と逆説が横溢する渾身の連作長編。第16回本格ミステリ大賞受賞作。
義賊、黒のジョーは、伝説の宝石を盗もうとして、ギルデアに捕らえられてしまう。激しい拷問を受け、地下牢に幽閉された彼を救ったのは、同じ牢に囚われている謎めいた老人だった。ギルデアと連合国の戦が激化するなか、世界中で次々と未曾有の嵐が起こる。ギルデアに対抗すべくアトーリスが開発した兵器の影響だった。王子ランドリアは母国の暴走を止めようと奔走するが…。
少女ローズが偶然発見した、イリジウム合金製の巨大な“手”。明らかに人類の遺物ではないそれは、のちに物理学者となったローズの分析により、6000年前に何者かが地球に残していった人型巨大ロボットの一部だと判明。謎の人物“インタビュアー”の指揮のもと、地球全土に散らばったパーツの極秘回収作戦がはじまった。原稿段階で即映画化決定の巨大ロボット・プロジェクトSF!
インタビュアーとローズたちの極秘計画は、数々の困難を乗り越えて進んでゆくが、同時に新たな疑問も生じる。どうやってロボットを操縦するのか?そもそも何者が、何のために地球に持ち込んだのか?人類にこれを利用する能力は、資格はあるのか?そして、ロボットが秘める力の全貌は?やがて計画を察知した各国間の緊張が急激に高まるなか、プロジェクトは急展開を迎える!
警察は、自ら身柄保護を求めてきた少女を保護した。少女には明らかに暴行を受けたあとがあった。その後、少女と同じマンションの部屋で暮らしていた女性を傷害容疑で逮捕するが、その女性にも、暴行を受けていたと思われる傷があった。やがて、少女が口を開く。お父さんは、殺されましたー。単行本刊行時に大反響を呼んだ問題作がついに文庫化。読者の心をいやおうなく揺さぶる衝撃のミステリー。
銀座ホステス絞殺事件で、担当検事の江木秀哉は捜査に関しての疑問を呈したものの、彼の話に耳を傾けたのは高須刑事だけだった。くしくも高須は、二十年前、秀哉の父・秀蔵とともに、迷宮入りしたある殺人事件の捜査にあたっていた。名刑事と謳われた秀蔵は余命半年の診断をうけ、今は病床にある。一見無関係なふたつの事件が絡み合っていく…。父子の深い絆を描いた感動のミステリー!
桐生極は小学五年生。いつも周囲にずれを感じているが、なぜなのかよく分からない。どういう局面でも腑に落ちないし、落ち着かない。でも、油断はしていない。ただひとつだけ分かっているのは、いまここで間違ったら、先々どんくさい人間になりかねないということだー。世界と向き合い始めた少女の日々の観察と分析をシニカルなユーモアで描く成長小説。
バス整備士の江井徹は、横須賀の地下壕で拾った旧日本軍の戦闘機の破片が高値で落札され、俄然“お宝探し”に興味を持つ。しかし、江井は知らず危険に近づいてしまっていた。米軍・自衛隊の管理区域周辺をうろつく江井を、正体不明の連中が襲い始める。一方、首相訪朝に絡む秘密任務など、数奇の警察官人生を送ってきた警視庁公安部の石渡秋彦は、江井の行動確認を命じられる。横須賀出身の石渡も、この土地特有の“捻くれ者”の一人であったー。
ブロークンアローとは重大な核兵器事故のことを指す米軍の符牒である。ベトナム戦争時に、事故に伴って横須賀に核が運び込まれ、今も米軍・自衛隊で核を共有しているという驚くべき話を石渡は聞く。その秘密保持に携わる特殊機関が存在することも。命を狙われ続ける江井に、彼を守ろうとする勢力も現れ、まさに死力を尽くした戦いが勃発。特異な歴史風土を持つ横須賀に蠢く、驚愕の機密と野望とは?スリリングかつ痛快な大スペクタクル活劇!
神様や妖怪をゲストとして迎える出雲のお化けホテルに就職した時町見初。ある日、見初のもとに嬉しい一報が届く。親友の平野由衣が、アシスタントを務める有名漫画家とともに出雲に来ることになったのだ。久々の再会に喜ぶ見初だったが、どうやらその漫画家は、一癖も二癖もある人物のようでー。全国の神様が集う神在月に恋模様きらめくバレンタインと、今回もイベント盛りだくさん!笑って泣けるあやかしドラマ、待望の第二弾!
ひとつきに二度、満月が見られるブルームーンの7月。結婚を控え、数年ぶりに京都に帰った灯里は、自宅で高校2年の祇園祭で作った小さな提灯を見つけた。そこには薄らと“コウ”と書かれた跡があったが、灯里はコウのことを思い出せない。17歳の7月に、忘れてはならない何かがあったのか?灯里は青い月に導かれるように、祇園の街に足を踏み入れる。そこには、たしかにコウがいた…「もしこちらの世界にもう一人の僕がいたら、必ず君を見つけるよ」宇宙の神秘に隠された奇跡を描いた物語。
両親が亡くなり、姉の住む京都に引っ越した高校生の天野瑞樹。ある日、観光で西本願寺を訪れた瑞樹は、見知らぬ少年に『甘露堂』という甘味処まで荷物を運ぶのを手伝ってほしい、と頼まれる。甘露堂へたどり着き荷物を開けると、「ナリソコナイ」と呼ばれる黒い玉が出てきて、店内を食い散らかしてしまう。修繕費を弁償するため甘露堂でアルバイトをすることになった瑞樹だが、そこはなんと神様専用の甘味処だった!?
海外勤務を終えて帰国した千倉淳也は、父の再婚を聞かされて仰天する。相手は28歳のピアノ講師、悠梨。当初は財産目当てかと身構える淳也だったが、次第に美しく健気な悠梨に魅了されていく。夜な夜な父に抱かれる悠梨にやるせなさを募らせる淳也。そんな折、彼女の正体を匂わす一本の不審な電話が入る。謎めいた悠梨の過去を追ううちに、淳也はいつしか二度と戻れぬ官能の淵へと引きずり込まれていく。書き下ろし長編魔性エロス。
ペットフードメーカーに勤める福田幸夫は浮気童貞。同じ会社にいるOL5人との妄想セックスが密かな楽しみだ。仕事を終えて帰宅しようとした金曜日の夜、同僚の松嶋花子から、結婚が破談になって居酒屋で荒れている浅岡美和子の世話を頼まれた福田だったが、その夜以来、福田とベッドをともにすると結婚できるという妙なジンクスがOLたちの間に密かに囁かれはじめる。書き下ろし長編オフィス・エロス。