2017年7月13日発売
7年前に消息を絶った祖父の痕跡を探すため、「入らずの山」と呼ばれる地に足を踏み入れた大学生・春日優斗と友人たち。下山後、ほどなくして彼らは次々と死を遂げる。さらには祖父と繋がりのあった探偵も6年前に31歳の若さで亡くなっていた。禁断の地に関わる者たちに訪れる非業の死。これは祟りか、それとも…。広島と東京で起きる死の連鎖に、元刑事の探偵・槇野康平と「鉄仮面」と呼ばれる警視庁捜査一課の刑事・東條有紀が迫る。怪奇世界と謎解きの妙。奇想の本格ミステリ!
織田信長が天下統一をもくろみ、各地の戦国大名を次々と征伐していた16世紀中頃。九州は大友、龍造寺、島津の三氏鼎立状態となっていた。そんななか、三氏も手を出せない国ー勇猛果敢で「鬼」と恐れられた鷹生氏一族の支配地域があった。その居城、血のように燃える色をした紅城で、次々と起こる摩訶不思議な事件。消えた正室の首、忽然と現れた毒盃、殺戮を繰り返す悪魔の矢、そして天守の密室…。眉目秀麗な鷹生氏の腹心・弓削月之丞が真相解明に挑む!
舞台は文政13年(1830年)の京都。年若くして活花の名手と評判の高い少年僧・胤舜(いんしゅん)は、ある理由から父母と別れ、大覚寺で修行に励む。「昔を忘れる花を活けてほしい」「亡くなった弟のような花を」「闇の中で花を活けよ」…次から次へと出される難題に、胤舜は、少年のまっすぐな心で挑んでいく。歴史、能、和歌にまつわる、さまざまな花の姿を追い求め、繊細な感受性を持つ少年僧が、母を想い、父と対決しながら成長をとげていく、美しい物語。
カメラマンの柳下久美子が自宅マンションで殺害された。被害者は、浜名湖にまつわる終戦の日の出来事を取材しており、部屋からは野中誠太郎という人物の名刺が発見される。十津川と亀井は、当時の資料を持っているという野中に会いに浜松に向かった。そこで、終戦の日に起きたさまざまな出来事や秘話をきき、十津川警部が70年の時を経て、隠されていた真実を暴く!
有田皿山の薪炭屋の若主・健太郎は公儀隠密から、有田で黒色火薬が密造され、伊万里湊から江戸に運び出されていると聞く。事が明らかになれば鍋島藩は取り潰しともなりかねない。健太郎は密造一味捕縛に力を貸すことを決め、江戸へと向かった。辿りついた先で、凄絶な闘いを目の当たりにする健太郎。傍らには同道した妻のおちえがいたー。若き大店主の清廉なる信念が胸を打つ、波乱万丈の時代巨編。
警視庁捜査一課特命捜査二係の鷺沼は、十年前の死体遺棄事件を追っている最中、自宅マンションの外階段で刺された。一命は取り留めた鷺沼に、神奈川県警の宮野が、十二年前に起きた不可解な殺人事件の概要を告げる。新たな仲間とともに捜査を始める鷺沼と宮野。やがて捜査線上にある人物が浮かぶがー。真実のため、組織と犯罪に闘いを挑む刑事たちの熱い姿を描いた「越境捜査」シリーズの第4弾。この巨悪、容易には斃れない…。
高校2年生の倫は、九州に引っ越した同級生の恋人・道孝と遠距離恋愛中。親が厳しくてスマホを持っていない道孝と繋がる唯一の手段は、webメール。道孝に会いにいくためにバイトに励む倫に、道孝の親友でクラスメイトの甲斐はやたらと絡んでくる。次第に道孝からの連絡が減っていき不安を抱える倫を、甲斐はなにかと支えるようになる。しかし甲斐は、倫には絶対に知られてはならない、大きな秘密を抱えていたー
札差「佐野屋」から「珠子には商才がある」と熱烈に口説かれて、心がぐらりと揺れる芸者の珠子。その様子を見かけた愛坂桃太郎は、孫の桃子に会えなくなる日が近づいてきたかと思うと、気が滅入ってしまう。そんな桃太郎の心をよそに、桃子はすくすく成長し、桃太郎と「あっぷっぷ遊び」に夢中になる。懸命に真似する桃子に心癒される桃太郎だったが、あっぷっぷのせいで思わぬ危機が訪れる。大人気シリーズ第八弾!
楓川に架かる新場橋傍で、博奕打ちの猪之吉が死体で発見された。探索を開始した半兵衛の前に、猪之吉の情婦おつやの家を窺う浪人者が現れる。さらに猪之吉と連んで悪事に手を染めていた“厨の長助”も殺され…。「世の中には私たちが知らん顔をした方が良い事がある」と嘯く、北町奉行所臨時廻り同心白縫半兵衛の人情裁きを描く、大好評シリーズ第二弾。
浜町の為替両替商が押しこみに遭い、一家惨殺という陰惨な事件が起きた。北町奉行所内与力の長岡玄蕃により事件の顛末を知らされた蛙屋忠兵衛は賊である龍神一味を捜すよう命じられる。さっそく動きだした忠兵衛だが、訪れたさきで、島帰りとおぼしき入墨がはいった男のすがたを目にしー。帳尻屋に新たな仲間が登場!蔓延る悪に引導を渡す、闇の男たちの活躍を描く、大人気シリーズ、激動の第五弾!!
将軍ご愛玩のお犬探索で大活躍した放蕩同心、八巻卯之吉。側室お静の方の寵愛も得て万々歳ーのはずだったが、お犬発見の手柄をこともあろうに真の黒幕、上郷備前守に譲ってしまう。窮地から一転、北町奉行に出世した備前守は、若年寄酒井信濃守と謀って老中本多出雲守とその懐刀(と勘違いされている)卯之吉の追い落としを画策。さらに「南町の猟犬」の異名を取る筆頭同心の村田銕三郎を罠に嵌めようと動き出す。累計63万部突破の大人気シリーズ!書き下ろし長編時代小説。
哀しい過去を断ち切るべく、封印していた剣を再び握った八雲兼四郎。表の顔は干物とめし、酒しか出さぬ店「いろは屋」若大将、裏の顔は許せぬ外道を冥土に送る浪人奉行として生きる兼四郎に不穏な噂がもたらされる。反物を積んだ舟が江戸の手前で次々と消え、荷だけが市中で闇商いされているというのだ。悪の匂いを嗅ぎつけた兼四郎は盟友、橘官兵衛らと行徳に乗り込むも、待ち受けていたのは最凶の賊徒だった。大反響の剣戟シリーズ、堂々の第二弾!
仇討ちの父子を道場に居候させた豊之助だったが、どうやらその仇とは、江戸を騒がす火付け盗賊団の頭らしい。父子に知れぬよう裏を取る、豊之助と北山は、ある屋台店の存在を突きとめ、そこから盗賊団の行方に迫っていった。一方、中西道場からは、豊之助を本部道場に戻そうという声が聞こえてきたー。好評シリーズ第六弾!
榊原家を実質的に取り仕切っている祖父の源兵衛が、何者かに拉致されてしまう。下手人はどうやら、前年秋に奉行に扮した新次郎たちに、「家質投資の出資者名簿」を奪われた両替商「筑紫屋」のようだ。さらに、筑紫屋の後ろ盾となっている老中・水野越前守の差し金で、新次郎は幕府評定所から召喚を受けてしまう。これまでの新次郎一味の数々の狼藉が、いよいよ白日の下にさらされてしまうのか!?驚天動地のシリーズ最終巻!