2017年7月31日発売
婚礼式典を前に帝都カイゲンに集うクランロードたち。死化粧を纏いシカバネと化して復讐に燃えるロード・ヒロ。カズミツ幕府の復活を目前にしてー“カゲ”の叛逆が始まる。我を失い傷ついた“雷虎”ブルウと再会を果たしたユキコ。内に秘める命の瞬きに覚醒した彼女は、自由を求めて再び戦地へと飛ぶ。「ニンジャスレイヤー」の翻訳チームが仕掛ける、和風スチームパンクの傑作!
予備校仲間と勉強合宿のさなか、阪神大震災で初恋の相手とともに、倒壊したホテルに生き埋めとなった僕は、ひとり生還したのち、失われた彼女の記憶を抱えて生きていた。20年後、Facebookを通じて再会した大学の旧友は、そんな僕に、「今日は美希子を呼んでいるんだ」と持ちかけた。表題作と響きあう2つの短篇併録。
はじめてのひとり暮らし、旅先、迷路、父か母か。そして、俺の人生を狂わせた、憎いあいつを殺してしまうか…。誰もがいつでも迷っている。迷うほどに、心を揺さぶる。短編の饗宴。最強の作家集団、四たび集結。全作品書き下ろし。
小さな手。でたらめな歌。喜ぶ顔。増えていく言葉。まっしぐらに走ってくる姿。夏はまだ残っているというのに、それらをすべて手放さないといけないのだ。寂しい、悲しい。そういう言葉はピンとこないけど、体の、生活の、心の、ど真ん中にあったものを、するっと持っていかれるような心地。金髪ピアスの俺が1歳の女の子の面倒をみるなんて!?16歳の少年の思いがけない夏。青春小説の傑作が誕生!
本人が思っているよりは有名な作家フワン・ディエゴは、死んだ友人との古い約束を果たすため、ニューヨークからフィリピンへの旅に出る。独身作家のこの感傷旅行は、いつしか道連れとなった怪しい美人母娘との性的関係を深めつつ(ただしバイアグラ頼み)、夢となって現われる少年時代の記憶に彩られてゆく。メキシコで生まれ育ったフワン・ディエゴは14歳。人の心が読め、ちょっとした予知能力を持つ13歳の妹ルペといつもいっしょだ。娼婦で教会付きの掃除婦でもある母は育児放棄同然。ゴミ捨て場のボスが兄妹を庇護していた。燃えさかるゴミの山から本を拾いだしては独学で学ぶフワン・ディエゴに、心優しい修道士が目をかける。ある日、不慮の事故で足に障碍を負った少年は、妹とともに教会の孤児院に引き取られ、やがて“驚異のサーカス”へ。悲喜劇の巨匠による、待望の最新長篇!
フワン・ディエゴとルペの兄妹が肌身離さず抱えているコーヒー缶にはー教会で突然こと切れた母と、ルペの初恋のアメリカ人兵役拒否者、死んだ子犬、教会の聖母像のもげた鼻、それらぜんぶのー遺灰が入っていた。“驚異のサーカス”にライオンの読心術師として迎えられたルペは、自分と兄の未来を予見して、ひそかにある行動を決意する。ルペの死後、思いがけないカップルの養子となったフワン・ディエゴは、アメリカで新たな人生を歩みはじめる。40年後、54歳のフワン・ディエゴは、雪のニューヨークから香港を経てようやくフィリピンに到着。創作科の元教え子で現地の人気作家となったクラークに鬱陶しいほど歓待される。リゾートに滞在するフワン・ディエゴの前に、謎のセクシー母娘がまたもや出没。現在と過去を行きつもどりつする作家の旅は、いったいどこへー?デビューから半世紀、ひとの一生をまるごと描き、現代文学を切り拓いてきたアーヴィングの、14作目の最新長篇!
マンハッタンを彷徨する精神科医。街の風景とざわめきが揺り起こす記憶。街路に刻まれた歴史の痕跡と人々の声ー。数々の賞に輝き「ゼーバルトの再来」と讃えられた、ナイジェリア系作家のデビュー長篇。