2017年7月6日発売
「犯人は○○だよ」。クラスメイトの鈴木太郎の情報は絶対に正しい。やつは神様なのだから。神様の残酷なご託宣を覆すべく、久遠小探偵団は事件の捜査に乗り出すが…。衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させ、本格ミステリ大賞に輝いた超話題作。他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに!第15回本格ミステリ大賞受賞。
1996年、わたしと弟の陵はこの家に二人で戻ってきた。ママが死んだ部屋と、手をふれてはならないと決めて南京錠をかけた部屋のある古い家に。夢に現われたママに、わたしは呼びかける。「ママはどうしてパパと暮らしていたの」-愛と人生の最も謎めいた部分に迫る静謐な長編。読売文学賞受賞作。
平安の中頃、物売りのナツメ、物乞いのナマス爺さん、女房づとめをしていたシコン、貴族の子息コオニ、太宰府がえりの勇将・ニシタカの五人がひょんなことから、ある有力貴族の依頼で疑似家族として町屋で暮らし始め、最近、都に起きた、鬼に纏わる難事件を解決しようと、それぞれ密かに探索を開始するが。
タイトルどおりの「泣き虫」孔明。圧巻の「泣き」をご堪能あれ! 赤壁の戦いで魏軍に大勝した劉備玄徳は、その後湖南四郡に進出、そして天下の奇人で「鳳雛(ほうすう)」と呼ばれた龐統(ほうとう)を召し抱えた。 しかしその龐統は雒城包囲中に流れ矢に当たって死んでしまい、劉備をひどく嘆き悲しませる。その後、劉備の義兄弟・関羽も呉軍との戦いの中に死に、あろうことかもう一人の義兄弟・張飛までもこの世を去る……。 不世出の天才・諸葛孔明を描き、独特の解釈で「三国志」の新しい地平を切り開いた『泣き虫弱虫諸葛孔明』。第四弾となる本作は、関羽、張飛、曹操、劉備などの大立者が次々にこの世を去る大激動の巻。 劉備の死に際して蜀の今後を託された孔明は、いったい何を思う? 解説:杜康 潤(「孔明のヨメ。」)
藤堂旬一郎、28歳、国会議員秘書。あまりに多忙な日々に、青雲の志も忘れがち。そんな彼の心が安まるのは、永田町近くの立ち呑み酒屋で店主の小梅に逢うとき。だがある日、眼光鋭く、頬に傷を持つ“新店長”が現れた。この怪しい男のつくるつまみが滅法旨い!読めば読むほど腹が減る、文庫書き下ろしシリーズ第4作。
商王朝の王子・丁は、言葉の不自由のため、父王から追放された。しかし彼は苦難の旅の末に、目にみえる言葉ー文字を創造した。己のハンディを跳ね返し普遍的価値を生み出した高宗武丁を描いた表題作をはじめ、古代中国に材を取った「地中の火」「妖異記」「豊饒の門」「鳳凰の冠」を収録。みずみずしい傑作集。
近年、いよいよ兇悪化する盗賊どもの跳梁。長谷川平蔵はその探索のために身銭を惜しまず、父・宣雄が遺した金も刀剣もほとんど失い、命をも狙われる日々である。密偵・伊三次の過去と無念(「五月闇」)ほか、「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「殿さま栄五郎」「浮世の顔」「さむらい松五郎」の全六篇を収録。
池波正太郎生誕100年企画として、歌舞伎界の大看板・松本幸四郎を「鬼平」こと長谷川平蔵役に迎え、 映像化、ドラマ化。 「鬼、新時代。」が始まります! 21世紀の国民的時代小説ともいえる「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻の【決定版】は、 カバーデザインも見どころで、全巻揃うと圧巻の広重の世界となります。 15巻は「特別長篇 雲竜剣」。 得体の知れない兇刃に狙われる平蔵とその周辺。 シリーズ初登場の一冊まるごと長篇の「雲竜剣」。 平蔵の過去の記憶と、現在進行形の恐怖が交錯する。 フィルム・ノワール風サスペンスの中に、一瞬のユーモアが随所に光る傑作。
猫好きで鳴る人気作家7人が集結。 猫の小説7編を収録する文庫オリジナルのアンソロジー登場! 巻末には「猫小説オールタイム・ベスト」紹介も。 【収録作品】 「マロンの話」湊かなえ 「エア・キャット」有栖川有栖 「泣く猫」柚月裕子 「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」北村薫 「凶暴な気分」井上荒野 「黒い白猫」東山彰良 「三べんまわってニャンと鳴く」加納朋子 「猫と本を巡る旅 オールタイム猫小説傑作選」澤田瞳子
年をとってきた両親と40歳の娘との3人暮らしを描いた沢村さん家のホーム・コミック。 『沢村さん家のこんな毎日』『沢村さん家はもう犬を飼わない』を1冊にまとめたお得な文庫版。 父・沢村四朗(70)図書館通いにジム通い、定年ライフを満喫中。 母・沢村典江(69)社交的で友達が多く、料理も上手。 娘・沢村ヒトミ(40)未婚で彼氏なし、40歳のベテランOL。 そんな平均年令60歳の沢村さん一家。 和菓子を食べながらおしゃべりしたり、テレビを見ながら団らんしたり、たまには些細なことでケンカになったり……。高齢になった親、長年連れ添った夫婦、40代独身の娘、それぞれの視線で描かれた日常は、「あるある」と共感し、笑いながら思わずホロリとくるシーンで満載。普通の毎日が続いていくこと、それが本当の幸せなのかもしれません。
妻子が列車事故に遭遇した。敏腕編集者の悟は仕事のことしか頭になく、奇跡的に生還した息子を義理の両親に引き取らせようとする。ところが亡き妻の友人・春子の登場で悟の中で何かが変わり始めた。彼女は何者なのか。そして事故現場から見つかった結婚指輪に妻が託した想いとは?ヒットメーカーが切り拓く愛と絆の感動大作に、スピンオフ「その後の物語」を新規収録した完全版!
震災後、恋人とうまく付き合えなくなったみゆき。父と二人で、仮設住宅に暮らす彼女は、週末、高速バスで上京し、デリヘルのバイトを始める。福島と東京、市役所職員とデリヘル嬢ー二つの間を往き来する彼女の、生きるための闘いを描く感動作。話題の映画監督が、自身の故郷を舞台に書いた初小説を、映画化!
乱歩、澁澤龍彦も絶讃した、本邦三大ミステリのひとつ『黒死館殺人事件』の小栗虫太郎、もう一方の代表作。九州某所に幽閉された謎の鉄仮面とは何者か?私立探偵・法水麟太郎は死の商人・瀬高十八郎の魔の手から彼を救い出せるのか。帝都を襲ったペストの陰の陰謀に挑む、ペダンチックな冒険伝奇探偵小説。KAWADEノスタルジック探偵・怪奇・幻想シリーズ。
クラーラは、不思議な予知能力をもっていた。ある日、緑の髪をたなびかせ人魚のように美しい姉のローサが毒殺され、その屍が密かに解剖されるのを目の当たりにし、以来九年間口を閉ざしてしまうー発表されるやまたたくまに世界的評価を得た、幻想と現実を自在に行き交う桁外れの物語。ガルシア=マルケス『百年の孤独』と並ぶ、ラテンアメリカ文学の傑作。
精霊たちが見守る館で始まった一族の物語は、やがて身分違いの恋に引き裂かれるクラーラの娘ブランカ、そして恐怖政治下に生きる孫娘アルバへと引き継がれてゆくー三世代にわたる女たちの運命は、血塗られた歴史で頂点をむかえる。一九七三年チリ、軍事クーデターで暗殺されたアジェンデ大統領の姪が、軍事政権による迫害のもと描き上げたデビュー作。
牟礼家の次男、昌二郎は12歳。気が優しくて曲ったことが大嫌いなのだが、家族から邪魔者扱いされるので反発して悪戯ばかり。味方は、婆やのお民だけ。ある日、誤解と行き違いから異母兄と喧嘩して大怪我をさせてしまい感化院へ…。しかし、そこで出会った友達との生活で本来の気性を取り戻していく。小粒だがぴりっとしたまるで“胡椒”みたいな少年の成長物語。
雑誌編集者の楓は、娘の衣装を自作する人気ブロガーに批判的なコメントをしたことから、自身の過去のブログを匿名掲示板で晒され、陰湿なストーカー被害に遭うようになった。一方、寝たきりの妻を抱える官僚の棚島は、家庭や職場でのストレスを解消するため、ブログで執拗に絡んできた女を破滅に追い込もうとするー。ネット上の二人が現実で交叉したとき、驚天動地のどんでん返しが炸裂する。『このミス』大賞シリーズ。
普通に過ごしていれば、接点なんてなかったはずの飯島靖貴と北岡恵麻。徐々に仲良くなり、「好き」という気持ちも芽生え始めていたところで、恵麻が友達に放った陰口を靖貴は耳にしてしまう。すれ違ったまま迎えた一月、大学受験を控えた靖貴は「遠くの大学を受ける」という選択肢を考え始めて…。不器用すぎる二人の恋は、どう卒業を迎えるのか。二人のその後を描く「春休み編」も収録。