2017年7月7日発売
【文学/日本文学小説】江戸が明治に改まって20年。モダン銀座の派出所に勤務する巡査の滝と原田は、日々事件や相談事の解決に奔走する。だが実は二人の身辺には、江戸から残る妖たちが見え隠れして……。摩訶不思議で時々背筋がぞくぞくする、妖怪ファンタジー。
【文学/日本文学小説】女刑事・星野美咲が配属された「警視庁分室特別取締班」。相棒は、生物学者兼獣医であり、動物学的見地から推理を進める変人・鷹木晴人。ゴミ屋敷での殺人事件を調べる二人は、子供を産み続ける奇妙な女に不審を抱く。書き下ろし警察小説第1弾。
パティシエになりたいという将来の夢を胸に、高校生活最後の年を迎えた桃子。でもその希望の前に、家庭の事情が大きく立ちはだかる。夢をあきらめられる?それとも?短歌甲子園をめざす高校生たちの青春小説!
女性に触れると呼吸困難に陥る重度の女性アレルギー(おばあちゃん世代なら大丈夫)の三輪由紀。実家の花火屋を継げというプレッシャーから逃れるため放浪の旅に出た。ある日、由紀は交通事故に遭遇。そこで出会ったのは、清倉花火店の跡取り娘清倉ぼたん。なぜかぼたんに対してだけは女性アレルギーが出ず、親近感を抱く。二人の距離は徐々に縮まるが、何と彼女に対してもアレルギーが発症してしまう。おまけにぼたんにアプローチするライバルも出現。さらにせっかく帰った実家では、家出に激怒していた父親に邪魔者扱いされる始末…。由紀は花火師として独り立ちできるのか?恋のゆくえは?
選考会で圧倒的支持を受けた第24回松本清張賞受賞作。 ときは明治21年。東京・御茶ノ水の高等師範学校女子部(女高師)に通う夏と咲、2人の女生徒が主人公です。いまだ男尊女卑の風潮がはびこり、「女が学問なんて」と一部からは白い目で見られつつも、彼女たちは、時に挫折を経験しながらも、溌剌と教育者への道を歩んでいました。そんな彼女たちは、鹿鳴館の舞踏会で踊り手が不足したため、招かれることになります。そこには伊藤博文枢密院議長、森有礼初代文部大臣、各国の大使など、要人が集っており、それは暴徒たちの格好の標的でもありました。彼女たちも生命の危機に晒され、そしてーー。 世の荒波にもまれながら、新時代に逞しく羽ばたこうとする、女生徒の青春を描く傑作です。
「祝言は挙げられない」簪職人のおりよは、突然許婚の新之助にそう告げられた。理由はなんとなく思い当たる。新之助は形がよく、おりよは目が見えないから。二人で歩いていると耳の後ろが熱くなる。女たちの視線が痛い。どうして私だけこんなことにーー。悔しさを押し殺し、手に残る感覚を頼りに仕事に没頭するおりよだったが……(「闇に咲く」)。遊女、船問屋、紙問屋、簪職人、花火師、旅籠屋……市井の人情を掬い取る、珠玉の時代小説。
母親が愛人の首を切り落とした現場を目撃してしまった今村まどか。十四歳の少女の心のケアのため、ホームズたちがいる“第九号棟”へ入院することになった。ところが入院したその日、看護人が同じように首を切り落とされ殺害されてしまう。自分を“サロメ”だと思い込んだまどかの犯行なのか?病院から失踪したまどかを追って、ルパンやダルタニアンたちは調査を進める!
深川の町外れ“鬼灯長屋”に、奇妙な看板がかかった。“雅やーよろず、みやびごと伝授”。立花、茶の湯、書道、蹴鞠、和歌、源氏物語などを教えるというのだが、およそ裏長屋にはふさわしからぬ習い事。この私塾を開いた浪人者・京ノ介は、女帝陛下の密命を帯びていた。京ノ介に襲いかかる朝廷転覆の策謀の裏には、意外な黒幕がー!注目の新シリーズ、開幕!書下し。
時は鎌倉時代末期。足利家の家宰・高師直は、幕府より後醍醐帝追討の命を受け上洛の途に就く。しかし師直は思う。「これは主人である尊氏に天下を取らせる好機だ」。帝方に寝返った足利軍の活躍により、鎌倉幕府は崩壊。建武の新政を開始した後醍醐帝は、次第に尊氏の存在に危機感を覚え、追討せよとの命を下した。だが師直はすでにその先に野望の火を灯しており……。婆娑羅者・高師直の苛烈な一生を伊東潤が描いた南北朝ピカレスク、待望の文庫化!
恋人を取られた女の元に現れたカレの同級生。彼女から、二人を別れさせる提案をされて…(「宵闇キャットファイト」)。勤務先の上司との別れ話がこじれてしまい「あなたの恋人、友だちのカレシ。強奪して差し上げます」という広告に飛びついた(「夜啼鳥と青い鳥」)。DV元夫から、子供を取り戻したい(「烏の鳴かぬ夜はあれど」)。女たちが抱える問題を“泥棒猫”ことヒナコが見事に解決!
信州松本近く、毎年シベリアから飛来する「白鳥の湖」で、首を折られた一羽の白鳥とともに写真家・金子敏の死体が発見された。一ヵ月後、金子の友人が、東京の自宅で血みどろの死体で見つかった。二つの事件には関連が?当初は病死と処理された金子の死に疑問を持った十津川は、事件の真相を探るため松本に飛んだ!(「白鳥殺人事件」)他、信州を舞台に描く傑作ミステリー集!
隠居の身から江戸家老に再任される塩谷隼人は、尼崎藩邸の敷地内に在る役宅で暮らす。大家を務めた八丁堀の長屋の店子たちはつつがなく暮らしているようだが、一方、藩政には不穏な影が。尼崎藩藩主松平忠宝は、江戸城で老中の土井大炊頭利厚と出会う。二人は、実の叔父と甥の関係。松平家で冷遇され、土井家に養子入り後に出世を遂げた利厚は、尼崎藩に大きな恨みを抱いていたのだった。
引きこもりの湊大海は、ある日、口ばかり達者なトラブルメーカー・一色颯太郎と同居することになった。いやいやながら大海が駅へ颯太郎を迎えに行くと、彼はサラリーマンと口論の真っ最中。大勢の前で颯太郎に論破された男は、チンピラを雇い暴力による嫌がらせをしてきた。引きこもりの巨漢と口ばかり達者な青年が暴力に立ち向かう!稀代のハードアクション作家・矢月秀作の新境地。