2017年8月28日発売
国際投資銀行A&Bから機密データが“誘拐”された。データが公開されれば新たな金融危機が起こりかねない。データにアクセスできたのは、大手ソフトウエア開発会社クインタス担当のアナリストたちのみ。とばっちりでアナリストたちと一緒に軟禁状態にされた情報システム部の植嶝仁は、一歩間違えば父親が率いる財閥までが巻き添えを食うと知り、“誘拐犯”の正体を暴こうとするが…。
完璧で決定的な勝利を収めた“大聖戦”ののち、核で荒廃した大地は何億もの死体で覆いつくされた。偉大な神ヨラーとその忠実な代理人アビを信奉する宗教国家アビスタンでは、思想・信条の自由を忘却し、街区に縛られた“信徒”たちが陰鬱な日々を送っている。極寒のサナトリウムで療養中の役人アティは、やがてこの国の“境界”を夢見るようになる。名高い祭司の息子コア、古代の村を発見した考古学者ナース、“本”をはじめ失われた文明の遺物を収集する商人トーズ、猥雑で混沌として無秩序なゲットー。この世界の起源と真実を求めて、アティとコアは旅に出る。ジョージ・オーウェル『1984』ミシェル・ウエルベック『服従』のその先を描いたディストピア小説の新たな傑作、誕生。アカデミーフランセーズ小説賞グランプリ。
世界は崩壊するだろう、しかし、私の青春に、パリに終わりはけっしてこないーフィッツジェラルド、ベケット、ジョイス、デュシャン、ペレック、ゴダール、ボルヘス、カフカ、ヴァルザー、ネルヴァル、ドゥボール、ランボー、マラルメ…etc.作家の修行時代をめぐる、世界文学地図=小説、ついに邦訳!
「息子がこんな症状になってしまった原因が知りたい」そんな風変わりな依頼から「事件」は始まった。やがて同じ症状を持つ患者が見つかる、何人も。彼らには何が共通しているのか。そして大量殺戮計画の隠された真意とはー。
貧しさの根本原因に目覚めていく小作農たちー植民地時代の荒廃する農村にあって、たくましく生きる小作人群像とその家族たち、そして若い男女の心の葛藤を、朝鮮の風土を織り交ぜながら描く。朝鮮プロレタリア文学の代表作。