2017年8月30日発売
扇屋「俵屋」の養子となった伊年は、醍醐の花見や、出雲阿国の舞台、また南蛮貿易で輸入された数々の品から意匠を貪っていた。俵屋の扇は日に日に評判を上げ、伊年は「平家納経」の修理を任される。万能の文化人・本阿弥光悦が版下文字を書く「嵯峨本」「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」下絵での天才との共同作業を経て、伊年の筆はますます冴える。
妻を娶り、二人の子を生した宗達は、名門公卿の烏丸光広に依頼され、養源院の唐獅子図・白象図、相国寺の蔦の細道図屏風を制作する。法橋の位を与えられ禁中の名品を模写し、古今東西のあらゆる技法を学んだ宗達。盟友が次々に逝くなか、国宝・関屋澪標図屏風、重要文化財・舞楽図屏風を描いた天才絵師は、国宝・風神雷神図屏風で何を描いたのか。
目が覚めると、久保たもつ(34歳)は結界スキルを持つ奴隷(6歳)として異世界に転生していた。そして、奴隷市で売れ残り、殺処分されるところだったが、侯爵家に拾われ専属の結界師として育てられることに。毎日地獄の特訓をこなし、日々結界師としての才能を開花させていく。そんなある日、森に出かけていた彼のもとに王国軍の使者が現れる。なんと、軍が反乱を起こして王国を占拠し、侯爵家の人々を人質にとったと告げられて…!?「小説家になろう」発、大人気異世界ファンタジー!
妊娠組に留守を任せ、ユキたちは魔力枯渇の原因を調査するために新大陸へと向かった。調査は順調に…とはいかず、亜人たちを率いてジルバ帝国と敵対することに。マーリィ率いるジルバ帝国軍を圧倒的力で撃退するが、彼女たちが持つ「魔剣」が、どうも魔力枯渇問題と関係ある様子。新大陸と魔剣をめぐる、ユキたちの冒険が始まったー「小説家になろう」発、大ヒット迷宮運営ファンタジー第七弾!書き下ろし番外編「魔剣とアイス」を収録!
極度の魔力不足で、グールになった身体を維持できなくなっていたシランは、その事実をひた隠しにしてきた。それを知った孝弘は、魔力供給の手段として彼女に自身の血を飲ませ、無理を続けてきた少女を救う。無事問題を解決した一行は、ついにシランの故郷にたどり着く。しかし、そこで目にしたのは村人を襲う聖堂騎士の姿だった。孝弘たちは、人々を守るべく剣を取るー「小説家になろう」発、異世界ファンタジー待望の第十弾!シラン視点の書き下ろし番外編「少女初心者」を収録!
アルたちの住むメイギスに頻繁に魔物たちが攻めてくるようになった。その度に魔物を撃退するものの、魔物に攻められやすいという悪評は瞬く間に広まり、市場は大混乱。そんな時にアンティスブルグという国がメイギスに救いの手を差し伸べる。友好の証として、王女ファルと相手国の王子との婚姻話が進むのだったがー。農民になりたかった少年が、なぜか別方向へと人生を歩み出す、最強農民ファンタジー!!
「-ボクは災いを呼んじゃうからさ」。次なる復讐対象を追って、聖都シュメルツを訪れた伊織とエルフィ。偶然出会ったはずの謎の少女は、自らを「災いを呼ぶ存在」だと告げた。すぐに聖都を立ち去った方がいいと言う少女の警告を無視し、復讐対象である錬金術師夫婦を狙う二人だが、そこに「英雄アマツ」の亡霊が現れー!?クズに復讐してスッキリすることで話題の、「小説家になろう」発大人気復讐ファンタジー第四弾!
ついに人間と魔族の戦争勃発!?時空魔法を操るうちに、ドレアドス王国と魔族の対立の裏で、オークの軍団が暗躍していることに気づいた誠司(30歳・童貞SE)。ドレアドス王国の王女エレナと貴族令嬢リルラと共に、大量のオークに狙われたイケブの街を守ろうとするが…。曲者だらけの魔法使い部隊やワケありの魔王も加わって、戦況はますます混迷!!果たして誠司は戦争を回避できるのかー!?「小説家になろう」発、大人気ファンタジー第三弾。
7年前、フェローからそれぞれの道を歩み出した4人。藍沢は脳外科医、白石と藤川はフライトドクター、緋山は産婦人科医として、活躍の場を広げていた。救命救急センターには新たに3人のフェローが加わり、白石と藤川は、彼らを指導する責務を負いながらタフな救命現場に向き合うという過酷な状況に追い込まれていた。一方、藍沢は、トロント大学へ派遣されるレジデント候補者として名前が挙がっていると聞き…。最前線の医療現場をリアルに描いたドラマのノベライズ!
パーティに姿を現した男性を見て、ジェイシーの鼓動は速まった。10年に別れた、傲慢でハンサムなレオがそこにいた。目を閉じると、封印していた悦びや胸の痛みが甦ってくる。まばゆい太陽のもと、彼の魅力に抗えなかった日々が。レオとは結婚まで考えたが、彼はギリシアの大物実業家で、しかも思わぬ誤解から娼婦と侮蔑され、手酷く捨てられたのだ。それなのにいま、レオは臆面もなく彼女を誘惑してきた。微笑の裏に嘲りを潜ませて。「いつもこうしてじらすのか?じらされるのは好きじゃない」
ギリシアの美しい島でキャサリンは、旅行中の世界的な億万長者フィンと運命的な恋に落ちる。だがフィンとの関係を、キャサリンの上司が嗅ぎつけ、著名人の醜聞として暴露してしまう。その日、フィンは花を抱えて現れた。いつもと変わらぬ熱心さで彼女を求めー許されたと安堵したのも束の間、フィンの顔が変貌し、辛辣な言葉で別れを告げたのだった。キャサリンは泣きながら、花をバラバラにした。予期せぬ妊娠に気づいたのは何もかも終わったあと…。
サマンサは巨大企業の受付ロビーに立ち尽くしていた。チェーザレに、この体に新しい命が宿っていることを伝えるために来たのだが、いざ口を開こうとすると心が揺らぐ。彼はサマンサが生涯かけて稼ぐお金を1分で稼ぐほどの実業家だ。なによりも、チェーザレは彼女の名前すら知らない。それどころか目や髪の色、顔がそばかすだらけだということも。会えばきっと幻滅して、すべてが終わる。あの夜、一時的に視力を失っていた彼に絶望から求められ、思いを止められないサマンサは、おずおずと身を任せたのだから。
ソウルの下町、路地に面した小さな綴り方教室で、届かない手紙を、読み手のいない小説を、ありふれた「自分の話」を書く女性たち。ゆらぎ、さまよい、傷つけあう母と娘、そして書くことが好きなすべての私たちの物語。