2017年8月発売
父親が失業したため、住み慣れた東京から父の故郷である日本海の四葉島に移り住んだ高校生の鳥羽心一。都会への未練を捨て切れずにいる心一は、ある日、蔵で古い自転車を見つける。なんと、その自転車には死んだばあちゃんの神様が宿っていた!?一目惚れをした同級生の女の子のために、強く願って漕げば好きな場所に行けるという、不思議な力を持つ“ババチャリ”で奮闘する心一。海に囲まれた離島で、都会っ子高校生が奇跡を起こす!?
神さまも癒やされる絶品料理、お出しします!金曜の夜にだけ現れる、不思議な屋台『なごみ亭』。神さまの使いであるお狐のコンが客引きするのは、人間だけとは限らない。感謝の気持ちを伝えたい子ギツネ、コンの過去を知る豪快な天狗、人間に片思いする姫神、家出中の女神さま…。そして、明かされる「なごみ亭」誕生の秘密とはー。おいしい料理が、バラバラだったせつない想いをひとつにする。優しい涙が溢れ出す大人気シリーズ第3弾!
離婚して2年、風俗通いにも飽きたが再婚する気のない恩田忠司は、純粋にセックスだけを楽しめる人妻との関係を求めていた。そんなとき、シティホテルのラウンジで争っている男女に出くわす。女は、2カ月前に歯の痛みに耐えかねて飛び込んだ歯科医院で治療してくれた人妻女医・吉永美智子だった。彼女に誘われるまま一夜かぎりの関係を過ごした後、恩田に人妻との逢瀬のチャンスが次々と巡ってくるのだが。書き下ろし長編人妻エロス。
不動産業を営む男が老獪な不動産王から土地を売ってもらうのと引き替えに、渡された風変わりな色合いの下着に見合う女性を用立てるべく奔走する(「その色の名前も知らない」)。黒だけを使った独特の油絵で評価を得た画家の作風の裏には、今も変わらぬ高校時代の恩師への恋慕があった(「彩りを持たない矢崎はじめ」)など、第一線の人気作家による書き下ろし官能アンソロジー。
ある夜、幻宗と新吾は、刀傷を負った侍の手術に往診した。翌朝、同じ屋敷を訪れた新吾は「怪我人などおらぬ」と、門番に追い返される。一方、順庵の患家では、内儀と手代が駆け落ちするという騒動が持ち上がっていた。新吾の周りで起こったまったく無関係な二つの出来事が奇妙に絡み合っていく…。書き下ろし青春時代小説、シリーズ第六弾!!
松本忍は30歳を超えても彼女の一人もおらず、人生の大半を日本の城への愛につぎ込んでいた。ある日、竣工式を見ていたはずの忍は、気づいたら『ロイド』という名の美青年に転生し、矢と魔法が飛び交う戦場に立っていた。戦場から逃げ延びた忍ーロイドは、気を失っているところをマリーという少女に助けられる。助けてくれた恩返しに、持てる知識を駆使してマリー親子の畑仕事を手伝い始めるロイド。やがてロイドが村の一員として認められた頃、村をゴブリンの群れが襲い、かけがえのない人を亡くしてしまう。悲しむ間もなく再度迫り来るゴブリンの群れ。ロイドは日本の城の防衛設備を応用し、ゴブリン迎撃の準備を整えてゆくー。大切なものを守るため、異世界で日本式城郭を築城する『ロイド』の一代記!
幻の発禁本、読みやすいワイド版、詳細な解説付で復刻! 昭和5 年11 月15日に誠文堂より発行され、12月23日に発禁処分となり、国会図書館にも蔵書のない『エロ・エロ東京娘百景』の復刻版。冒頭に『ニッポン エロ・グロ・ナンセンス』(講談社選書メチエ、2016)の著者、毛利眞人氏(本書監修者)による解説を増補し、各ページを拡大して収録のうえ監修者による註を挿入、理解の一助とした。虚実皮膜にありながら、現代にも通じる昭和初期の裸の東京を描いた貴重資料。 近代娘は奔放だ。 近代娘はエロチツクだ。 近代娘はジヤヅ的だ。 一瞬一瞬の情景と感情のモンタージュという点で、川端康成と吉行エイスケと『エロ・エロ東京娘百景』は血縁関係にある。この小さな百景は、虚実皮膜にありながら、昭和初期の裸の東京を描いている。そうして、読む人はここに描かれた都会のモンタージュにそっと現代社会を重ね合わせてみたくなるであろう。それこそが本書を復刻する意義である。……(あとがきより)
【新聞、週刊誌ほかで、本読みたちから絶賛の嵐!】 謎解きの構成が、戦争小説としてのテーマと完璧に結びついている点といい、 抑えた筆致が醸し出す不穏な緊張感といい、ほれぼれするほど完成度の高いミステリである。 ーー千街晶之(「東京新聞」書評より) 外部との連絡が難しい閉鎖空間の村で、互いを疑うことで生まれる息苦しいまでのサスペンスは圧倒的。意外な犯人にも、衝撃の動機にも驚かされる。 --末國善己(「朝日新聞」書評より) 正統派犯人当て小説。 読者を真相へ導く終盤の展開には圧巻の迫力がある。 ーー杉江松恋(「週刊新潮」書評より) 戦争小説のスタイルと犯人当て小説の手法が必然性を持って結びついた「戦場ミステリ」の逸品! ーー若林踏(「小説現代」書評より) いちだんと夾雑物を排し、静かに鋭く人間性を掘り下げている。 堂々たる語りの優れた戦争ミステリーだ。 ーー池上冬樹(「共同通信」配信書評より 「そうです、賀川少尉を殺したのはわたしです」--ビルマ北部のある村に駐屯することになった日本人将校の突然の死。 いったい誰が、なんのために殺したのか? 皆目見当がつかず、兵士も住民も疑心暗鬼にかられるなか、のどかな村に人知れず渦巻く内紛や私怨が次第にあぶり出されていく。 戦争という所業が引き起こす村の分断、軍隊という組織に絡め取られる心理。 正体のあかされない殺人者の告白は、いつしか、思いもよらない地平にまで読者を連れ出すーー 驚天動地、戦争ミステリの金字塔。
島田荘司、熱烈推薦! 来たるべき「老人の時代」への警告の書となる、新タイプのミステリー! 訪問看護ステーションで働く白井さゆりが直面する、老人たちのさまざまな実相。その背後に隠れている、老人を利用する「犯罪」! 超・高齢化社会における訪問看護の実態をドキュメンタリータッチで描きながら、ミステリーの面白さも兼ね備える意欲作! 事件は毎日、訪問看護の現場で起きている。 訪問看護師さゆりの探偵ノート 薦・来るべき「老人の時代」への警告の書 島田荘司
終わらないいじめ。理解されない苦しみ。人生に絶望し、自殺を考える少年・萩原友人。彼が出会ったのは、太平洋戦争時、9回にも及ぶ特攻から生還を果たした佐々木友次さんだった。「どうして、そんなに苦しい状況で、“生きよう”と思い続けられたんだろう」佐々木が所属した万朶隊の物語、そして佐々木自身の言葉を前に、友人の傷ついた心は少しづつ前を向き始めるが……。 2015年10月。中学2年生の萩原友人は、伯母の住む札幌を訪れる。それはいじめられる日々からの束の間の逃避であった。友人はひょんなことから伯母の勤務する病院に神風特攻隊の有名人・佐々木友次が入院していることを知る。 いじめの苦しさから逃れるため、自殺を試みるも思いとどまった友人は、伯母の勤める病院に向かい、佐々木の病室を見つける。佐々木は9回特攻に出撃し、9回とも生還したのだという。特攻隊と佐々木に関心を持った友人は、古本屋で『陸軍特別攻撃隊』を手にする。そこに書かれていたのは、敵艦への体当たりという任務を負った万朶隊の物語であった。
温泉巡りとぽっちゃり系女子を愛する、健全な(?)新高校一年生・勇作。少年野球時代からエースとして活躍してきたが、高校では帰宅部と決めていた。温泉三昧の日々を夢見ていた勇作に、美術教師にしてプレー経験ゼロの野球部監督が、勇作も驚くとんでもない入部条件を提示する。そして、目指すは甲子園!?
世界は大植民地時代、日乃元皇国のエリート士官学校に入学した逆島断雄は何者かに狙撃され命を狙われる。亡くなった父・逆島中将を巡る陰謀なのか。おかしなクラスメートと幼馴染みの美少女と共に闘う少年の手に、皇国の未来と大戦の勝敗がゆだねられる…。息をのむノンストップ青春アクション小説!
無駄にイケメンな三十男、高橋秋彦と、恋も結婚も諦めたアラフォーの三輪言問子。どちらも東京での居場所をなくし、ここ小豆島に人生をリセットするためにやってきたがーー。家庭から逃げ出したい30代主婦の真奈美や、超絶美少女・遥の出現で平穏な島が大揺れに。軽妙な筆で描かれる、笑いと涙のノンストップ家族小説。 無駄にイケメンな三十男、高橋秋彦と、恋も結婚も諦めたアラフォーの三輪言問子。どちらも東京での居場所をなくし、ここ小豆島に人生をリセットするためにやってきたがーー。 家庭から逃げ出したい30代主婦の真奈美や、超絶美少女・遥の出現で平穏な島が大揺れに。軽妙な筆で描かれる、笑いと涙のノンストップ家族小説。
富山空港旅客機墜落事故。死者20名、負傷者多数。村野秋生たち被害者支援課も総動員された。遺族のケアに奔走する村野は、一人だけ身元がわからない死亡者がいると聞かされる。男の身許を調べる村野だが、事態は思わぬ方向へ進んでいく。男の名は本井忠介、それは毒殺事件の指名手配犯だった。
旅客機事故で死亡した指名手配犯・本井忠介。その嫌疑に疑いをもった村野は、単独で事件を検証する。その捜査中、本井の関係者に新たな死者が出た。連鎖する殺人と15年前に起きた毒殺事件の記憶。錯迷する事件に失踪課・高城賢吾までが、村野に協力するが、闇の果てに浮かび上がる悪とは?
探偵活動を再開した二階堂蘭子の下に、洋蘭の栽培家・賀来慎児が脅迫されている、との相談が。彼の父・レオナは著名な西洋画家だったが、12年前に不審死をとげ、母も服毒自殺していた。慎児が住む「蘭の家」に乗り込む蘭子。そこに待っていたのは、レオナの3人の元愛人たちだった。トリック満載の傑作中編集!
雨降る冬の夜、「深山木薬店」の店主・秋が何者かによってさらわれた。空っぽの部屋に残されていたのは、不可思議な一枚のメモ。『鵺は始まり。十六時間が区切り、災厄は一つ。四つ数えるまでに、交換だ』脅迫文とも思われるこのメッセージが示唆するものとは?リベザルは、秘密を胸に懸命の捜索を開始する。
大災厄に見舞われ、外来語も自動車もインターネットもなくなり鎖国状態の日本。老人は百歳を過ぎても健康だが子どもは学校に通う体力もない。義郎は身体が弱い曾孫の無名が心配でならない。無名は「献灯使」として日本から旅立つ運命に。大きな反響を呼んだ表題作のほか、震災後文学の頂点とも言える全5編を収録。 全米図書賞(翻訳文学部門)受賞! 大災厄に見舞われ、外来語も自動車もインターネットもなくなり鎖国状態の日本。老人は百歳を過ぎても健康だが子どもは学校に通う体力もない。義郎は身体が弱い曾孫の無名が心配でならない。無名は「献灯使」として日本から旅立つ運命に。 大きな反響を呼んだ表題作のほか、震災後文学の頂点とも言える全5編を収録。 献灯使 韋駄天どこまでも 不死の島 彼岸 動物たちのバベル 解説 ロバート キャンベル
高校二年生のあの日。薔薇(ばら)が咲き乱れる自宅のベッドで、ミロの口から「義父と寝た」という驚くべき話を聞かされた。「俺」は激しい嫉妬に囚(とら)われ興奮した──。ジャカルタで自殺した前夫・博夫の視点で、村野ミロの妖艶な青春時代を描いた表題作など、4つの事件簿からなる短篇集。「ミロシリーズ」第3弾! ●ローズガーデン ●漂う魂 ●独りにしないで ●愛のトンネル 解説 桃谷方子 「新装版」解説 千早茜