2017年9月7日発売
夏でも雪と氷河に覆われる“北部辺境区”で、Dは戦闘士バレンから「“神祖”が残した六つの“道標”を辿れ」と告げられた。道標を手に入れると、貴族にならずとも不死になれるという…。それを狙う者、そしてそれを護る貴族たちとの闘いに、Dは自ら身を投じていく。“神祖”の目的は何か?六つの道標の先にあるものとは!?
人並みの感情を失った代わりに、あらゆる情報を瞬時に記憶する能力を得た監察官・小田垣観月。彼女は二年前のブラックチェイン事件に絡んだ爆弾の行方を追い、証拠物の巨大保管庫“ブルー・ボックス”を探るが、いつしか警察内部に斬り込むことになり…。新シリーズ第一弾!
アカデミズムの異端児、潮田誠教授の主宰する天橋立へのバスツアーで起こった全員死亡事故の因縁を解き明かす。事故のおよそ二年前、大学関係者が立て続けに、野犬らしきものに喉元を食い破られて命を落とす。彼らは二人とも同じ研究室に所属していた。助手の永田遼子は教授が密かに研究しているらしい神功皇后について独自に調べるうち、歴史を揺るがしかねない記述をある古典籍にみつける。
私はユウ。女子高生探偵・アイちゃんの助手兼熱烈な応援団だ。けれど、我らがアイドルは推理とかいうしちめんどくさい小話が大好きで飛び道具、掟破り上等の今の本格ミステリ界ではいまいちパッとしない。決めた!私がアイちゃんをサポートして超メジャーな名探偵に育て上げる!そのためには…ねえ。「推理って、別にいらなくないー?」NO推理探偵VS.絶対予測不可能な真犯人、本格ミステリの未来を賭けた死闘の幕が上がる!
得体の知れぬ何かに脅える中学生の由羽希は、救いを求めひとり遺仏寺を訪れ、住職の天山天空と黒猫に出会う。本堂に置かれた数々の品は、所有するだけで祟られる「忌物」だと聞かされる。寺へ来た理由を尋ねられ、由羽希は答えに詰まる。「分からない…」。記憶を失くした彼女も、実は忌物を持っていた!すぐには助けられないと言う天空に命じられ、由羽希は毎夜、忌物に纏わる怪異譚に耳を傾けた。謎を解かされる羽目になるのだが…。やがて真の恐怖が彼女自身に襲い来る。
デンマークの僻地に住む一家。ほぼ自給自足の幸せな暮らしは、クリスマスに起きた事件を境に一変する。変わり者の父は偏屈さを増し、物静かな母は次第に動けなくなり、少女リウはゴミ屋敷と化した家で、隔絶された世界しか知らずに育っていく。やがて赤ん坊が生まれることになったが、そのときリウは父の意外な姿を目にし…。一家はなぜこうなってしまったのか?心を打つ切なさで北欧ミステリ界に新風を吹きこみ、北欧最高のミステリ賞「ガラスの鍵」賞およびデンマーク推理作家アカデミー賞の二冠に輝いた傑作長篇。
神経科学研究の進歩により、ポストヒューマンの存在が現実味を増し、その技術が取り締まられるようになった近未来。記憶や官能を他人と共有できるナノマシン、ネクサス5を生み出した若き天才科学者ケイドは、その存在を危険視した政府の女性捜査官サムに捕らわれてしまう。彼女らに協力を要請されたケイドは、スパイとなって中国の科学者朱水暎を探ることになるのだが!?息詰まる攻防を描くノンストップ・SFスリラー。
バンコクでの会談で、天才科学者朱水暎から人類の進化に手を貸すよう誘われ、ケイドの心は激しく揺れ動く。いっぽうサムはネクサスの密売に手を染めたタイの科学者テッド・プラトーナンを追う任務を遂行するなかで、政府のやり方に疑問を感じ始める。米・中・タイの3カ国によるネクサスをめぐる闘争が激化するなか、翻弄されるケイドが最終的にくだした決断とは…?自身もナノテク科学技術者である著者が描く衝撃作。
英国の落ちこぼれスパイたちの吹きだまり“泥沼の家”では、今日もボスのジャクソン・ラムのもと“遅い馬”たちが退屈な業務に向かっていた。ところが、そのひとりでラムの秘書のキャサリンが、何者かに拉致された!犯人から指示を受けた“遅い馬”のカートライトは、彼女の身の安全と引き換えに、本部に厳重に保管された情報を盗み出すことになるが…“泥沼の家”の存亡をかけて、落第スパイたちの奮闘がはじまる!
十五歳の少年イーストは生まれて初めてLAを出た。これから人を殺しに行くのだ。標的の裏切り者は遠く離れたウィスコンシンに旅行中で、法廷に立つため来週戻ってくる。その前に始末しろという所属組織の命令だった。イーストに同行するのは、殺し屋である不仲の弟をはじめとした少年たち。崩壊の予感と軋轢を抱えながら、二〇〇〇マイルに及ぶ長い旅が始まる。孤独なる魂の彷徨を描いて絶賛を浴びたクライム・ノヴェル。
経産省とフォン・コーポレーションが進める日中合同プロジェクト『クイアコン』に絡む一大疑獄。特捜部は捜査一課、二課と合同で捜査に着手するが何者かによって関係者が次々と殺害されていく。謎の暗殺者に翻弄される警察庁。だが事態はさらに別の様相を呈し始める。追いつめられた沖津特捜部長の下した決断とはー生々しいまでに今という時代を反映する究極の警察小説シリーズ、激闘と悲哀の第5弾。
「御松茸同心を命ずる」-十九歳の尾張藩士・榊原小四郎は、かつてのバブルな藩政が忘れられぬ上司らに批判的。いつか自分が藩の誇りを取り戻すと決めていたが、突如、「御松茸同心」に飛ばされる。松茸のことなど全くわからない上、左遷先は部署ぐるみの産地偽装に手を染めていた。改革に取り組もうとする小四郎の前に、松茸の“謎”も立ちはだかる!爽快時代お仕事小説。
将軍家重は大奥の潅仏会で出された甘茶を気に入り、毎日飲むようになった。だが甘茶に仕込まれたある毒が、家重の身体を少しずつ蝕み始める。同じ頃、公人朝夕人の土田伊織の元には、根来寺の寺紋である三つ柏と“梅坊主”という名前だけが記された奇妙な書付けが届く。一方、公人朝夕人後見人の慎之助は、密教寺院の潅仏会で大麻入りの酒を飲まされ…。書下し人気シリーズ第四弾!
(この寺はどこか怪しい…)伊勢を訪ねた絵師・曾我蕭白は、熱烈な信者を集める寺を知った。草模様の異様な本尊、上人の周りで相次いだ怪死。蕭白は京の妖草師・庭田重奈雄に至急の文を…(表題作)。江戸中期、この世に災いをなす異界の魔草に立ち向かう若き妖草師に続々と襲いかかる凶敵草木。一途に彼を思う椿の恋敵か、美貌の女剣士も参戦。人気沸騰の時代伝奇、書下し連作集。
名古屋の建設会社社長・時津逸人は、すい臓ガンの疑いを告げられたとき、これまでの人生を振り返り、若き日の苦い恋の記憶が蘇った。出世のために捨ててしまったかつての恋人に会って償いたい…。女との意外な再会。彼女は時津の記憶をすべて失って、一人で生きていたのだ。二十年の時を経て始まった二人の二重生活。そして、男の人生が裁かれていく…。傑作長篇サスペンス。
鏡池若葉の夢はお笑い芸人になること!高校入学初日の運命の相方・大月弥生に出会い、心が震え早速声をかけるが、相方が入部したのは、なんとウエイトリフティング部。弥生の気を引こうと渋々入部する若葉だったが、一キロ一キロ、重さをかさねて、深まる弥生と仲間との友情に若葉の心が奪われていく。ウエイトリフティングに高校生活をかけた少女たちの爽快青春小説。
警察庁広域機動捜査隊ASV特務班、通称・広域機動隊。所轄署との連携を図りつつ、事件の真相に迫る特別組織である。ある日、班のリーダー・夏目凛子と相棒の桜木陽介はリフォーム詐欺の聞き込みをしていた。そこに所轄署に戻れとの一報が入る。それは新たな詐欺事件の召集だった。下町で起こった複数の同時詐欺事件。重要人物が捜査を撹乱する中、凄子は真相に辿り着くことができるのか!