2017年9月8日発売
美しい森と湖に囲まれた由緒正しい貴族屋敷。そんなすてきな家に住むお嬢さまのデイジーから誕生日のお茶会へ招待され、ヘイゼルは楽しい休暇を期待していた。ところがデイジーの両親は不仲だし、招待客の大人たちも何やら邪な計画があるようす。こんなんでお誕生日会は大丈夫?チョコレートケーキに、ジャムタルト、マカロンーご馳走を目の前にして食いしん坊のヘイゼルがほっとしたのもつかの間。紅茶を口にした招待客のひとりが絶命し、デイジーの父親が第一容疑者にされてしまった!探偵倶楽部にとって解かなければならない謎だが、それは同時にデイジーの家族全員を疑うことでもあり!?早くも少女探偵たちに試練のときが訪れる!
事件を解決に導いた代償として髪の毛を失ったアガサは、元通りに伸びるまでシーズンオフの観光地で心身ともに静養することにした。そこで耳にしたのは「魔女」と呼ばれる地元女性の評判。半信半疑で魔女の家を訪れたアガサは、法外な額をふっかけられたにもかかわらず、毛生え薬と、ついでに惚れ薬まで購入してしまう。ところがその直後、魔女が自宅で何者かに殺され、アガサが第一発見者に。惚れ薬を買ったことは恥ずかしくてどうしても警察の真相を明かせず、嘘に嘘を重ねるうち窮地に追い込まれていくアガサ。そしてとうとう、警部の飲み物に惚れ薬を入れるという暴挙に!すると、警部がみるみるうちに…!?
名門貴族の令嬢デボラは12歳のとき、オールストン侯爵ジュリアンと結婚式をあげさせられた。その日はじめて出会った花婿は挙式のあとすぐにフランスに旅立ち、彼女はわけもわからぬままにとりおこなわれた真夜中の式を、夢の中の出来事だと思い込んで大人になった。8年経ち、デボラは貴族の体面を重んじてばかりの家を飛び出して、亡くなった兄の遺児の世話をしながら暮らしている。ある日、森の中で傷を負った美しい青年を助けるが、彼こそは長くイングランドを離れていたジュリアンだった。しかし、互いの身元も知らぬまま惹かれあう二人。やがてジュリアンは、デボラが幼き日に結婚した妻であることを知るものの、名乗ることなく…運命に導かれた再会のゆくえは!?NYタイムズ、USAトゥデイ紙ベストセラーリストの実力派作家、待望の日本上陸!
伊坂幸太郎・大崎梢・木下半太・横関大・貫井徳郎ー当代きっての人気作家5人が、「犬」にちなんだペンネームに改名(!?)して夢の競演。昔話でおなじみの犬の思わぬ裏話や、「犬吠埼」で繰り広げられる物語、悪人が連れてきた犬や、人のために働く盲導犬の抱える秘密、そしてやたらと見つめてくる犬の謎とは…。個性豊かな犬たちが踊る、感動ありサプライズありの前代未聞の小説“ワンソロジー”、ここに登場!
その男の奏でる調べは、武士の時代への鎮魂歌かー。西郷隆盛と大久保利通の後継者と目されていた村田新八は、岩倉使節団の一員として渡欧、パリにおいて、西郷が大久保と袂を分かって下野したとの報に接する。二人を仲裁するために帰国し、故郷・鹿児島へと向かったものの、大久保の挑発に桐野利秋らが暴発。ここに、日本史上最大にして最後の内戦・西南戦争の火蓋が切って落とされた。著者渾身の長編小説。
帆奈がバーで隣り合ったイケメンは、死神だった!?死神は、これまでに幸せを感じたことがないらしい。なぜなら幸せを感じた瞬間…(「幸せな死神」)。貧乏神に取り憑かれていた雅人。そうとは知らず、彼は冴えない自分の人生を“小吉人生”と呼び、楽しんでいたのだが…(「貧乏神の災難」)。人生の大切なものを見失った人間の前に現れる神々たち。その意外な目的とは?優しさとせつなさが胸を打つ連作短篇集。
人間より偉い猫サバが仕切る「鯖猫長屋」で事件が!店子たちに愛されているおはまに、サバが毛を逆立て、飛びかかったのだ。その日おはまは奉公先で、ある大店へ届け物を頼まれたという。しかしそれが「出戻り文箱」と噂のものだった。元盗人で、今はサバの飼い主である画描きの拾楽は事情を探るが…。江戸の根津宮永町を舞台に、謎解きと人情が絡みあう、好評シリーズ第三弾。文庫書き下ろし。