2017年発売
友人の玲沙から、母親の再婚相手のことがよくわからないと相談をうけた碧。碧のバイト先である小料理屋「ゆきうさぎ」につれてきてみてはどうかと提案するのだが…?
時は大正。妖力を持つ一族に生まれた華族令嬢の香澄は、古の鬼神悪路王を蘇らせ、朧と名づけて使役する。ある日、サーカスを見に行った香澄は不思議な術を使う男・花月に出会い…。鬼たちのあやかし事件簿。
妻の死後、酒とギャンブルに溺れていたユウジ。まっとうな社会の枠組みで生きられない “愚者"たちが、ユウジにもたらしたものとは。不器用な男たちの切ない絆を描く「再生」の物語。(解説/西上心太)
戦いの気配が次第に濃厚になっていた。岳都で高山の民を加え調練の日々を送る岳飛。南宋水軍の韓世忠は遭難した梁紅玉を救うため、張朔の交易船を襲った。南下してくる南宋軍に対し岳飛は警戒を強め、小梁山の秦容と手を組むことに。金国では轟交賈の蕭〓(げん)材が、物流の動きがおかしいことを察知する。そんな中、小梁山と甘蔗園が何者かに襲撃されたー。本格的な水上戦と新たな山岳戦に臨む第九巻。
45歳バツイチのミチルは三か月前に彼氏と別れ、チラシのポスティングで糊口をしのぐ日々。恋愛、仕事、友人関係。人生の岐路に立たされた彼女が選ぶ道とは──。ハートフルストーリー。(解説/吉田伸子)
近未来。人間の機械化を見据え、競馬界ではサラブレッドのサイボーグ化が決定。生身の馬で行われる最後のダービーに向け、男たちの戦いが始まる。第10回日本SF新人賞受賞作品。(解説/北上次郎)
住民からのクレームに翻弄される自治会の副会長、誰が書いたかわからない膨大な量の原稿を手にした小説家志望の高校生……など。多摩地区の団地を舞台に描く少し不思議な7つの物語。(解説/内田俊明)
南海のカゲロウ島に配属された朔中尉。特攻隊長として、常に死を目の前にして過ごす彼は、島の少女トエに出会う。おとぎ話のような二人の恋。戦局が緊迫する中、遂に出撃命令が下るー(「島の果て」)。生々しく描かれる感情表現と、やわらかな筆致で綴られる情景描写との両立により決定的な存在感を放つ島尾戦争文学。趣の異なる8編を、寄せては返す波のように体感できる短編集。写真、関連年譜も収録。
横浜・港みらい署の名物SM刑事コンビ、海月と亘。秋晴れのある日、誘拐事件が発生。犯人から身代金要求のメールが届くが、受け渡しの指定場所が二転三転し、そのどれもが横浜の観光名所で……!?
古代アレクサンドリア図書館は、いまも存在しているー。射殺された大学教授アルノがエミリーに残した手紙には、7世紀に忽然と消えた伝説の図書館の現存がほのめかされていた。エミリーは、謎だらけの教授の言葉に導かれ、幻の図書館を探す旅に出る。一方、ワシントンDCにも、図書館の行方を追う者たちがいた。手段を選ばない彼らの魔の手がエミリーに迫りくる!ノンストップ史実ミステリー。
1974年東京。探偵・浜崎順一郎は事務所近くで身なりのよい少年を保護した。少年を親元に送り届けた浜崎は、彼の父親がかつての悪友で、今や名家の継嗣となった石雄であることを知る。だが、旧交を温める間もなく石雄の義妹が殺された。逃亡した容疑者が見つかれば解決と思われたが、なぜか石雄は事件に関わるなと主張し…名家の悲劇と男の友情を描く傑作私立探偵小説。
祖父の死の謎を解いたジェイコブは、特殊能力をもつ「奇妙なこどもたち」とともに、ハヤブサに変身したまま人間の姿に戻れなくなってしまったミス・ペレグリンを助けようと、ウェールズの小島から小さな船に乗って英国本土へとめざす。しかし彼らには、怪物たちの魔の手が次から次へと襲いかかる…。
怪物たちの攻撃を危機一髪で切り抜けた「奇妙なこどもたち」は、ついにロンドンにたどりつく。しかしロンドンもことごとく彼らに襲撃され、もはや「虚ろな街」と化していた。ミス・ペレグリンははたして人間の姿に戻れるのか。そして、奇妙なこどもたちの運命は…?ファンタジーノベルの金字塔、待望の第2巻が日本上陸!
十一月のある晴れた休日、ニーダムは姪のメープルとともに、ロンドン郊外のシドナムにある水晶宮を訪れる。人々でごった返す、きらびやかなガラスの宮殿に、突如大きな悲鳴が響き渡った。袋づめの首なし死体がどこからともなく降ってきたのだ。死体の手に握りしめられていたボロ布には、「死神」という赤い文字。外では、暴風雨が吹き荒れ、人々は水晶宮に閉じ込められてしまう。混乱する人々の前に、カラスの仮面をつけた黒ずくめの男が姿を現わす。それは、おぞましいショーの始まりだった…。
第四作品集に至っても、未だ驚異的なクオリティーを保ちつ<ブラウン神父>シリーズ。不可解かつ幻想的な殺人の謎「大法律家の鏡」、この世の出来事とは思えぬ状況で発生した金塊消失事件「飛び魚の歌」、常識を超えたユーモアと恐怖の底に必然的動機がひそむ「ヴォードリーの失踪」など珠玉の10編を収録。シリーズの精髄ともいうべき逆説とトリックの凄みが横溢する、唯一無二の名短編集が、読みやすく新しいカバーでリニューアル!