2017年発売
総理大臣官邸にプラスチックのコインを投げつけていたホームレスは、IRを誘致し町おこしをと気炎を上げ、総理の指南役とまで呼ばれていた元名物町長・鈴木一郎だった。日本初のIRは、5年前、土壇場で総理大臣・松田勉のお膝元に持って行かれていた。彼を破滅に追いやった誘致失敗の裏に何があったのか!?東西新聞社の編集局次長・結城洋子は、特別取材班を組み、IRやカジノの問題を徹底的に追及しようとするがー。
東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。昇進を懸け、一心不乱に捜査する刑事の兄と、独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹。だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だったー。家族と仕事の在り方を問う、緊迫のサスペンス!
二十世紀文学の最高峰と言われる、プルースト『失われた時を求めて』。この大作に挑戦するには、まばゆい日差しのもと、ゆったりとした時間が流れる夏休みが最適だー。本書は、現代フランスを代表するプルースト研究者、作家などが、それぞれの視点から『失われた時を求めて』の魅力をわかりやすく語った、プルースト入門の決定版である。
“尖閣上空で自衛隊のF15が中国民間機を撃墜”中国当局は一方的な情報配信の後、救助を口実に尖閣諸島の実効支配を仕掛けてきた。一方、常念寺総理を乗せた政府専用機は、インド上空で強力な電波妨害により通信不能に。さらに機体を何者かに占拠される!専用機乗員の舞島ひかるはイーグルパイロットの姉茜に助けを求めるがーリアルな危機と圧巻の航空アクション!
“世界中の大量殺人の裏には、人を操るゲームマスターという異能者が潜んでいる”警視庁生活安全部の女刑事鷲尾の話を、国立署の晴山旭は一笑に付した。米軍の銃器横流し事件を単独で追う彼にはあまりに荒唐無稽な話だった。だが、参考人の事情聴取に訪ねた高校の校舎から突然、銃声が!階段を駆け上った晴山を凄惨な光景が襲い…。熱血刑事に迫る、最大の危機とは!?
浅見光彦のもとに届いた一通の招待状。それは、芸能界の大物加堂孝次郎が箱根の別荘で開く晩餐会の案内だった。そこでは二年続けて不審な死亡事故が起きていた。浅見への依頼は不吉な事態を阻止してほしいというのだ。今をときめく十二人のスターが顔を揃える中、パーティーは始まった。しかし加堂の姿はなく、俳優の永井が毒殺される。悪夢の一夜の始まりだった…。
神田堀八丁堤で菱垣廻船問屋の番頭が殺された。臨時で定町廻り方となった北町奉行所平同心の日暮龍平は、早速、探索を引き継ぐが難航する。同じ頃、倅の俊太郎を地廻りから救ってくれたお篠に出会う。お篠の夫は彼女を描いた錦絵が評判の絵師だった。ところが、番頭の遺品にその錦絵が見つかるや、お篠の過去に捜索の手がー秘した哀しみが涙を誘う万感の時代小説。
恩返しのため、十五年前に潰れた小間物問屋『紅屋』の内儀おとせを捜して欲しいと小間物屋『香美堂』の義兵衛は頼んだ。矢吹平八郎は、おとせと一緒に目撃された浪人・夏目左内を捜し出すが、人違いだと一蹴される。手掛かりは『紅屋』が潰れた背景にあった!?やがて、夏目が思わぬ行動に出て…。萬稼業・平八郎の人助けの顛末とは?人気沸騰、人情時代小説!
日本橋小舟町“福寿”の料理は人を元気づけると評判だ。その店を十歳の少年連太郎と下男勘助が訪れた。女将のお園が出した“親子飯”と“親子雑煮”に感激し、二人は事情を語り出す。父の乱心によるお家取り潰しで、一家離散となった連太郎。江戸で見かけられた生みの母を捜しに信州の養家から出てきたというー。健気に悩み惑う少年を、お園の温かな料理が導いていく。
南町奉行所で冤罪事件が続発、一方で捕縛した者をすぐに放免するなど、その放埒で非道な振る舞いが市井で噂されていた。不審を抱いた闇の始末人千坂唐十郎は、牢屋同心と差し入れ屋が囚人から賭賂を欺し取っていたと見抜く。さらには女囚を食い物にしている疑いも浮上、罠に嵌まった大店の内儀が自害する悲劇まで起き…。裁かれぬ悪に、唐十郎の怒りの刃が唸る!
上覧剣術大試合開催を知るや、佐渡を出立して越後に修行の場を移した清之助は、長岡へ向かう途次、討手に追われる姉弟と出会う。彼女らは村上藩の内紛を報せる密書を父に託され、江戸に向かう道中だという。次々に押し寄せる刺客を迎え撃った清之助は、姉弟を江戸に送り届けるべく、策を巡らす。その春、江戸では惣三郎の驚くべき宣言が、一同を当惑させていた!
クガノ・リュネア。トルバス神曲学院の生徒でありながら、精霊嫌いを公言する孤独な女生徒。そんな彼女にフォロンは自分と通じる影を見る。そしてリュネアにつきまとう、血の様に赤い鬣を持つ馬型の精霊の存在。さらに街でささやかれる奏始曲の噂…。この三つが結びついたとき、コーティカルテとフォロンは過去の因縁と、隠された企みに遭遇する!クリムゾンシリーズ待望の6巻!
嫁を名乗る魔導書の少女・ソラスや仲間とともに、地方都市で楽しく暮らしていたコウタ。転生の時手に入れたログインボーナスのおかげで、日々強力な魔法を獲得し、いつの間にかとんでもない戦力を持つようになっていた。様々な魔法を覚えては使いこなしていくコウタは、ついには人類の敵である魔神まで倒してしまえるようになる。そんな彼のことを周囲が放っておくはずもなく、コウタはさらに名声を博するようになっていくが…!?-新たな魔法やスキルも大充実してお贈りする、寝て起きるだけで成り上がる物語、第3弾!!
人間の価値は人間からはみ出した回数で決まる。僕が人間であることをはみ出したのは、それが初めてだった。僕が人間をはみ出した瞬間、笑いのカイブツが生まれた時ー他を圧倒する質と量、そして“人間関係不得意”で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキ、27歳、童貞、無職。その熱狂的な道行きが、いま紐解かれる。「ケータイ大喜利」でレジェンドの称号を獲得。「オールナイトニッポン」「伊集院光 深夜の馬鹿力」「バカサイ」「ファミ通」「週刊少年ジャンプ」など数々の雑誌やラジオで、圧倒的な採用回数を誇るようになるがー。伝説のハガキ職人による青春私小説。
キッド・ラビットが昏睡から目覚めると辺りには人っ子ひとりーというか、兎っ子一匹いなかった。そう、ぼくたちは人間じゃない。兎だ。人間たちはまだ気づいていないけど、兎社会を脅かす大事件が勃発した。死者が甦り生者を襲ってむしゃむしゃ喰っているんだ。いまや森は屍兎どもの天下で、この兎史上最悪の事件を終わらせるには、死の山に棲む人喰い熊を狩らなければいけないという魔女ラビットのお告げなんだが…いったいなんてこった!『ジョニー・ザ・ラビット』から2年3カ月後の世界を描く、スラップスティック兎ゾンビ小説。
母が他界した五年後に、独り暮らしの父が亡くなった。納骨を済ませ子供たちは実家に集まり、ぽつりぽつりと両親の想い出話をする。遺品整理を始めたところ、父は意外なものを遺していた。そして初めて父の家族に対する想いを知るのであった(「月の庭」より)。大切な人の死や老いに直面したとき、生きている今、何をすべきか…。前向きに生きるその先には、救いの光が見えてくる。“人生の閉じ方”を描く「家族小説」第八弾!
親友のばんちゃんが死んだ。以来、俺は口を閉ざすようになった。そんな態度がうざいという裏掲示板の書き込みをきっかけに、刃のような言葉が飛び交う。あの夜、ばんちゃんに対して俺が密かに計画していたことは、誰も知らないー。トンとあだ名をつけて蔑んでいた男の子。あたしのことが好きだったらしい。中二の冬、突如この世からいなくなった。中学を卒業して10年、夜の街で働くあたしは壊れそうになる「心」の守り方を、かつてトンから教わったー。表裏一体の二編から立ち上がる、未熟な魂のあやうさときらめき。