2017年発売
東北人の荒ぶる魂、ここにあり。中央政権の容赦ない仕打ち。窮する民を見かねて、東北の英雄・アテルイの血をひく若者が決起する。朝廷を相手に熱き闘いを繰り広げる蝦夷たちを描く歴史長編。東北の大河小説ついに完成!
長野県塩尻市・桔梗ヶ原学園。生徒たちがブドウ栽培からワインを瓶詰めにする工程までを実際に手がける、全国でも珍しい「ワイン醸造」を学べる高校だ。北村いちる・百瀬結生子・奥沢美麓の三人の少女は、それぞれに抱える事情のため、ワイン醸造を学ぶ決意をする。三人は、ときには激しくぶつかりあい、ときには支えあい、挫折をくりかえしながら、ひたすらワインづくりに没頭していく。そんなワインガールズたちの情熱が、やがて「奇跡のワイン」を生み出すことになる…。
身分を捨て脱藩し、春本の戯作者となった月影堂無三。とあるきっかけで初恋の相手でもあり無三を嫌う同輩の妻・久美を一晩抱けることに。嫌々ながらも恥ずかしげに身を任せる姿に童貞の無三はむしゃぶりつくーー溢れる好奇心から、身体を開いてくる無垢な娘たちとの情交を描く『みだら寝盗物帖』。無三のもとに身を寄せた若侍・竜兵が、誘惑してくる女剣士や好奇心旺盛な生娘、寂しさを抱えた未亡人たちとめくるめく女体遍歴を歩む『おんな虎ノ巻』。大人気シリーズ長編二本収録の棚ボタエロスの決定版!!
何の取り柄もないフリーターの正路は、高額報酬につられて潜在能力を高める薬の治験を引き受ける。薬の効果がでないと思っていた矢先、いきなり頭が冴え、バイト中に遭遇した強盗を見事撃退。すると、いつも正路の仕事ぶりをバカにしていた亜希子が、強盗から助けてくれたお礼にと女を教えてくれる展開に!? 美女の身体を愛撫し、正路は童貞歴25年モノを押しこむも一度ではエレクトはおさまらない。薬の副作用を利用して憧れの女性たちとの淫らな実験がはじまる!!
平凡な主婦・寧子は過去のトラウマから実際のセックスに抵抗があり、インターネットで知り合った男たちとのバーチャルなセックスを楽しんでいた。ある日「S」と名乗る男と出会い、未知の欲望と強烈な快感を知った寧子は、後日「S」の命令で放尿していた現場を仄暗い過去を抱える少年・シュウに目撃される。「変態だね」-彼の言葉に激しい羞恥と悦びを得る寧子。やがて「S」とシュウが同一人物だと確信した彼女は、何もかもを捨てて、シュウの奴隷として身を捧げる覚悟を決めるのだが…。表題作ほか異常性あふれる男の物語を描いたスピンオフ『おれの繭子』も収録!
一面に広がる鳥の屍体を踏み分けて入水する美女、人間をセメント詰めにする男、大男の初恋を馬鹿にする小人…奇々怪々な登場人物たちが織りなす、白昼夢の世界。人間の邪悪さと卑小さ、哀しみと悪徳を“人間”への絶望と愛によって、そして辛辣な皮肉とユーモアをこめて描き出す、ゴンクール賞を二度受賞した、謎多き作家の16篇の物語。
完璧な美貌の天才ハッカー、ニューヨーク市警刑事キャシー・マロリー。彼女の家の居間に女の死体が一体。部屋の主は行方不明。自殺か、まさかマロリーが殺したのか。肝心のマロリーはどこにいったのか。相棒のライカーは彼女のあとを追う。マロリーが改造したフォルクスワーゲンを飛ばすのはルート66、別名マザー・ロード。自分が生まれる前に書かれた古い手紙をたどる彼女の旅が、ルート66上で起きた奇怪な殺人事件と交差する。
行方不明になった子どもの親たちがルート66上を進む奇妙なキャラバン。彼らを率いるのは、もと神父で心理学者でもある老人だ。だがキャラバンのメンバーの一人が殺された。死体の手は切り離され、代わりに置かれていたのは古い子どもの手の骨。州をまたいで進むキャラバン。狙われるメンバー。ルート66上で幼い子どもが殺され埋められた事件を追うFBI捜査官たち。マロリーは幼い子どもを守り、犯人を捕らえることができるのか?
ハムレットは、ダーラが経営するニューヨークの書店の気むずかしいマスコット猫。空手大会に出場したダーラの動きを真似る動画がネットで拡散し、ハムレットは空手キャットとして一躍人気猫になり、おかげで全米キャット・ショーに特別ゲストとして招かれることに。しかし、会場でその身に一大事件が勃発! 書店を飛び出した書店猫が大活躍の大人気コージー・ミステリ第三弾! 訳者あとがき=越智睦
殺人現場に遺されていた、パンダの特大ぬいぐるみ入りの段ボール箱。被害者が宅配を頼んでいたものだが、伝票に不審な点が。音無美紀警部が、なぜ購入店から直接送らなかったのか、という疑問をもとに捜査を進めると…。仰天の真相が明らかになる「パンダ、拒んだ。」をはじめ、さらに冴える推理と美貌で事件関係者を驚かせる音無警部とその部下たちの活躍を描いた全五編!
王立学院で学んでいたカレンスは、父危篤の知らせを受け、急ぎ故郷に帰った。五年前、魔物棲みの妹が若い命を散らしたとき、逃げるように都に向かって以来のことだった。久しぶりの故郷。だが死を前にした父に託されたのは、余りに重い秘密だった。魔導が禁忌とされてきた北の大国エルミーヌを舞台に、偏見や因習と闘い新たな道を切り開く青年の姿を描く、『魔導の系譜』続編。
“自分”という意識や自由意志が幻想でしかないことが証明された近未来。神経科学者ライダが十年前に開発に携わった新薬「ヌミナス」-ニューロンを再成長させ、脳を物理的に再編するこの薬は、摂取者にとっての自我と現実を決定的に書き換える。葬ったはずのその薬がなぜか、再び流通しはじめているという…。最先端の知見を駆使して精神と心の謎に迫る、新世代の脳科学SF。
脳のほとんどは潜在意識であり、“自分”という意識は判断を下す主体ではなく脳の活動の結果、つまり幻想でしかない。ヌミナスは脳を再編し、摂取者にとっては現実そのものとしか思えない“神”の幻覚を見せるーだが意識そのものが幻想であるなら、“神”が幻覚だと言うことになんの意味があるだろう?ヌミナスを追うライダは驚愕の真実に到達する。新世代の傑作脳科学SF。
ハワイ奇襲に成功、ミッドウェー海戦でも勝利したことで帝国海軍への国民の期待が高まる。 それに対し陸軍首脳部はいらだちを強め、昭和17年7月28日、辻政信の指揮する陸軍部隊が連合艦隊司令長官山本五十六宅を包囲。 政府・海軍・宮中は事前に情報を察知し、最悪の事態を避けることができた……。 大東亜戦争の開戦から1年、日本は南方の資源地帯を確保して長期不敗体制を構築。 ソロモン海戦では米空母部隊を打ち破り、フィジー、サモアも支配下に収めた。 そして、米豪連絡線を断つべく豪州作戦の始動へと動き出す!
避難先の市役所で、食糧調達班のメンバーや医師牧浦と繋がりを持った武村。冬場の寒さでゾンビの活動が鈍ってる中、新たな避難場へ移転すべく準備を始める。その最中、市役所で暴動が発生。同時に知性あるゾンビに率いられた、大量のゾンビの襲撃に遭ってしまう。“ゾンビから無視され襲われない”チート能力をもつ武村は、避難民を逃がすべく動き始める。だが、“チートの通じない”知性あるゾンビに襲われ、感染してしまう。助けを求める人々、悪意ある人間、襲い来るゾンビ達ー。混沌とした状況の中、武村は意識を失っていく。その視線の先には、必死に駆け寄ってくる少女、深月の姿があった。迫りくる脅威を排し、新たな避難先に辿り着けるのか!?大人気シリーズの第三弾!市役所編、遂にクライマックス!
東京オリンピックが終わってまもなく、癌の超特効薬が開発される。どんな手遅れの癌も1週間で治してしまう夢の薬だった。東京の医大教授である開発者は、1年後、ノーベル医学生理学賞を受賞、一躍世界的有名人となる。ところがある日、その開発者は謎の自殺を遂げてしまう。そして世界は、その後にやって来る悪魔に戦慄することになる。幸せは悪魔と手を組んでいたのだ。
心にじんわり響いてくる、蒼井ブルーのつぶやきが小説になりました。がまんしちゃう時、さみしい時、誰かと一緒に笑いたい時、泣きたい時、大好きな人に会いたい時。そして、恋をしたい時ーー。いつでもあなたに寄り添ってくれる、とっておきの胸キュンラブストーリー。
離婚を繰り返し、生活に困窮した作家、生活保護と年金で生きる老人の日常の壮絶。高齢化社会を迎えた今、貧困のなかで私小説作家は、いかに生きるべきか…。下流老人の世界を赤裸々に描きつつも、不思議に、悲愴感は感じられず自分勝手を貫く、二十一世紀の老人文学。
建築学科の必読書は谷崎「陰翳礼讃」であるという。文学と建築。まったく異なるジャンルでありながら、そのたたずまいやなりたちに文学を思わせる建築、そして構造、手法に建築を思わせる文学がある。構成、位相、運動、幾何学、連続/不連続ー日本を代表する建築家が選び抜いた、既存の読みを覆す傑作“建築文学”十篇。
失礼ですが御主人は? 収入は? 本籍地は? 保証人は? バブル後期の東京で“単身女性の安全な住まい”を求めて漂流する長編「居場所もなかった」に加え、後の“家族”キャト、ドーラ、ギドウ、モイラ、ルウルウをめぐる住居転々の短編。さらに不意の別れを描く「モイラの事」、その悲しみを越える単行本未収録の「この街に、妻がいる」、作者と猫の書き下ろし近況エッセイ二編も収録。 私は猫と出会ってこそ人間になった。 猫を知らぬころの悲しみと知ってからの喜怒哀楽をひとつながりに眺めて、笙野文学の確かな足跡を示す作品集。 <内容紹介> 失礼ですが御主人は? 収入は? 本籍地は? 保証人は? あなたは大家さんから好かれない、……学生専用となるワンルームを追われる独身中年女性、どこにも属せない無名作家が……イラク戦争下、バブル後期、家賃高騰中の東京において、“女性の安全なひとり住まい用ワンルーム”を求めて漂流する、絶版十五年ついに“復刊”の長編に加えその後の“家族”との出会い、キャト、ドーラ、ギドウ、モイラ、ルウルウを巡る住居転々の短編。 川端賞候補作「増殖商店街」、ふいの別れを描く「モイラの事」、その悲しみを越える、記念号掲載の未収録作品「この街に、妻がいる」さらに、書き下ろしお馴染み作者と猫の近況報告エッセイ二編収録。 猫をしらぬころの悲しみと知ってからの喜怒哀楽をひとつながりに眺める。「私だけが知っている、本屋にろくに置いてないけと大好きな」作家の恍惚、悲嘆、超克の猫出世街道。 <目次> 前書き 猫道、--それは人間への道 冬眠 居場所もなかった 増殖商店街 こんな仕事はこれで終りにする 生きているのかでででのでんでん虫よ モイラの事 この街に、妻がいる(単行本未収録作品) 後書き 家路、--それは猫へ続く道 解説:平田俊子/年譜・著書目録:山崎眞紀子 前書き 猫道、──それは人間への道 冬眠 居場所もなかった 増殖商店街 こんな仕事はこれで終りにする 生きているのかでででのでんでん虫よ モイラの事 この街に、妻がいる 後書き 家路、──それは猫へ続く道 年譜 山崎眞紀子 著書目録 山崎眞紀子