2017年発売
都内でトカレフを使った連続強盗殺傷事件が発生、暴力団関係者三名が死亡した。警視庁組織犯罪対策第三課所属のPO・片桐美波は一命を取りとめた実業家・布施隆正の警護にあたる。被害者らは十一年前に謎の大金を手にし、組から足を洗った過去を持つ。美波は犯人たちの猛攻から布施を防護するが、彼は突如自ら姿を消して…。命懸けで対象者を守る緊迫の警察小説誕生!
陸上自衛隊特殊作戦群の秋津陸佐率いる約四〇名が失踪。直後に「竹島を“奪還”した」と驚愕の宣言がなされる。緊張が走る自衛隊。はたして彼らの真の目的は?日本政府はどう動くのか?そんななか秋津の婚約者で空自幹部の倉橋日見子は、孤独な二四時間の戦いをはじめた…。元幹部自衛官の著者が、今そこにある日本の危機を描く、緊迫のエンターテインメント!
ワトスンは憂鬱だった。原因はホームズが死んだこと。妻の病気。メイドは役立たず。配管の不調で、鉛管工を呼ぶが、なかなか直らない。しかも、どうやら家に誰かが侵入しているらしいのだ。もしや、これまでの事件記録を盗もうというのか?過去を消したい人物は多いだろうが…(「ケンジントン診療所の怪」)。あの名探偵の脇役たちが大活躍!夢のミステリー・ファイル!!
日々堂で代書をする戸田龍之介を、無二の友桜木小弥太の姉が訪ねてきた。突然の来訪に戸惑う龍之介に姉は弟の失踪を告げる。桜木家に婿入りした小弥太は三月前に赤児に恵まれたが、妻の不義の子との噂があった。懸命の捜索にも拘わらず行方は杳として知れないものの、桜木家の秘事が明らかに。やがて、己を貫く小弥太の真意を知った龍之介はー感涙の江戸情話。
かつて、江戸随一と呼ばれた武家火消がいた。その名は、松永源吾。別名、「火喰鳥」-。しかし、五年前の火事が原因で、今は妻の深雪と貧乏浪人暮らし。そんな彼の元に出羽新庄藩から突然仕官の誘いが。壊滅した藩の火消組織を再建してほしいという。「ぼろ鳶」と揶揄される火消たちを率い、源吾は昔の輝きを取り戻すことができるのか。興奮必至、迫力の時代小説。
突然終わりを告げる、平穏な日々。「貧者の逆転劇」の結末はー東京・広尾の高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」の受付係・細川邦子(48歳)、看護師の田代朝子(54歳)、ダイニングで働く丹羽さつき(52歳)…それぞれの家庭内で深刻な介護問題を抱える3人は、困窮していく我が身と、裕福な施設の入居者たちとの想像を絶する“格差”を前に、一世一代の勝負に出る!
舞台は19世紀後半のアメリカ中西部。ネブラスカの大平原でともに子供時代を過ごしたこの物語の語り手「ぼく」と、ボヘミアから移住してきた少女アントニーア。「ぼく」はやがて大学へ進学し、アントニーアは女ひとり、娘を育てながら農婦として大地に根差した生き方を選ぶ。開拓時代の暮しや西部の壮大な自然をいきいきと描きながら、「女らしさ」の枠組みを超えて自立した生き方を見出していくアントニーアの姿を活写し、今なお読む者に強い印象を残す。著者のウィラ・キャザーは20世紀前半の米文学を代表する作家のひとりであり、その作風は後進のフィッツジェラルドなどに影響を与えた。アメリカで国民的文学として長く読み継がれてきた名作を親しみやすい新訳で贈る。
崩壊目前の世界。精神科医であるレヴィア=バリーゾールのもとに、とある人物がネメシス=スドウを連れて訪ねてくる。呆然自失で会話もままならないネメシスの過去を知るため、レヴィアは特殊能力「転身」を使い、ネメシスの人生を追体験することになって…。大罪シリーズ第七弾のテーマは“復讐”!“憤怒”の悪魔と契約した女性の壮絶な人生が描かれるー悪ノPノベルシリーズ最新作。
警視庁捜査二課の警部補・西澤は、ある汚職事件を追っていた。捜査がやや行き詰まりを見せる中、上司から“土管”という捜査方法を教えられる。その“土管”を駆使し、捜査対象者に迫る西澤。だがその裏で、警察官を監視する監察が動いていた(「土管」)。-横領や詐欺を担当する捜査二課を舞台に、警察捜査と犯罪の真相を描いた「ナンバー」シリーズ第2弾。ラストの“ひねり”を読み逃すな。
就職活動で全敗し、家業のおむすび屋を手伝うことになった結。実家の商売に子供の頃からコンプレックスを抱いてきた結だが、おむすび作りに実直に向き合う両親の姿を目の当たりにし、気持ちに変化が訪れる。「結」という名前に込められた、亡き祖母の想いも前途を温かく照らしだすー。一人の青年の新たな出発を描いた成長物語。
時は戦国、本能寺の変から八年が過ぎた天正一八年。関東一の色里、無界の里に関東髑髏党が襲来した。里にかくまわれていた沙霧を狙う髑髏党の前に、客の捨之介や無界の主・蘭兵衛らが立ちはだかる。じつは、捨之介と蘭兵衛、髑髏党を率いる天魔王には深い縁があったー。戦国末期、信長の亡霊と無頼の徒の死闘を描いた『劇団☆新感線』代表作、小説版。
「もうひとりで、こっそりと泣いたりせんでね」。福岡県・那珂川通りの『なごみ亭』は、金曜日の夜にだけ現れる不思議な屋台。店に選ばれた人間しか訪れることのできないこの屋台でアルバイトする大学生・浩平は、あやかし達の世界へとますます深く足を踏み入れていく。悩みを抱えた人間とやさしいあやかし達の心が、おいしい料理によって重なり合う。胸温まる大人気シリーズ第2弾!
東京の大学病院で働いていた比嘉篤は、父親の診療所を継ぐために8年ぶりに沖縄に帰った。患者は元気なおばぁだけ、という毎日に辟易としていたある日、診療所に朱色の髪をした裸足の子供がやって来た。子供は篤のことを知っているようだが、篤に記憶はない。診療所に入り浸っている謎の青年・宮城獅道は、その子は庭の枯れかけたカジュマルの木に棲む精霊・キジムナーだと言うがー南の島の神様や精霊たちとの交流を描いた、心温まる物語。
国家が国民の就職先を一元的に管理する近未来の日本。失業率は大きく改善したものの、国民は職業選択の自由を失った。そんなある日、山田康太は緊張した面持ちで卒業式に出席していた。これから、自身の就職先が決定するためだ。調理師の仕事を希望する康太。しかし、まさかのブラック企業の営業職に決まってしまいー。就活・転職が禁止された世の中で、ブラック企業から脱出できるのか!?働く人ならみんな共感必至の人生応援ドラマ!
大手広告代理店「北急エージェンシー」のCMディレクター・佐々木賢治は、直属の上司が社内の派閥争いに巻き込まれ、失脚したことで、いきなり地方の営業職に飛ばされてしまう。慣れない土地と仕事に苦闘する佐々木だったが、本社総務課の今泉真美と肉体関係を結んだのをキッカケに、敵対する社内の重要人物や、取引先の重鎮の下半身事情を把握。その情報を武器にハニートラップを仕込み、捲土重来を期す。書き下ろし立身出世エロス。
愛坂桃太郎と芸者の珠子・桃子母娘が住む「かわうそ長屋」に、またもや妙な住人が入ってきた。いつも旅人の恰好をして近隣の宿屋へ出かけていくのだが、そこには泊まらずに、夜になると長屋へ帰ってくるのだ。薬の行商でもしているのか?どうにも気になった桃太郎が身辺を探ると、宿屋で商売をしている気配すらないという。いったい、そいつは何者なのか。大人気シリーズ第七弾!
将軍家の肝煎りで、日の本一の剣客を決める御上覧試合の開催が決まった。主君真興の推挙を受け、湯瀬直之進は予選が行われる駿州沼里の地を踏んだが、城下を押し込みの一団が跳梁していた。その探索に乗り出そうとした矢先、直之進の前に尾張柳生の遣い手が現れる。果たして直之進は故郷に平穏を取り戻し、上野寛永寺で行われる本戦出場を果たせるのか!?人気書き下ろしシリーズ第三十六弾。
中年の侍に向けられた追っ手の視線ー。脱藩した男を討つよう命じられた勝岡藩士速水又八郎を、同藩の目付衆が付け回していた。だがその存在に気付きながらも、人目を忍んで雑司ヶ谷鬼子母神傍の百姓家の様子を窺う速水。上意討ちの命を帯びた速水が百姓家に住む指物師を見張るのは何故なのか、そして速水を付け回す目付衆の目的とは!?南町奉行所与力の結城半蔵は、上意討ちの裏に隠された真相を探り始める。時代小説の名手が放つ、好評シリーズ第三弾。