2017年発売
1690年、伝説の切上り長兵衛によって発見されて以来、閉山までの283年間で65万トンの銅を産出し、巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献した愛媛県新居浜市の別子銅山。江戸時代の貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、歴史を彩った熱い人々を鮮烈に描く、魂が揺さぶられる大河ロマン!
比南子はスローガン「会いに行ける市長」を掲げる宍戸市長の秘書だ。しかし兜市は財政難で、市民の小さな願いごとを叶える余裕はない。そんな兜市では、夜になると市民の悩みを解決するピエロが現れる。大学生の稜が「就職、したいです」とピエロに相談すると、稜はピエロの助手に採用された。迷子の犬捜しから、台風、汚職、財政難まで、次々と襲いくる危機に市長とピエロは立ち向かう!
「犯人は私ですね、間違いなく」事件現場は、ある屋敷の密室ー遺体の隣で血まみれの凶器を握りしめて眠っているのを発見されたのはあろうことか、忘却探偵こと掟上今日子だった。しかし逮捕された彼女は、すでに事件の記憶を失っていて…?捜査にあたるは“冤罪製造機”の異名をとる強面警部・日怠井。忘却探偵の専門家として駆けつけた厄介は、今日子さんの無実を証明できるのか?逆転の推理劇、開幕!
「母親の失明の原因を知りたくないか」ある日、雑誌記者の矢島から不穏な誘いを受けた生稲怜花。東大阪で居酒屋「二歩」を営む育ての父・誠一、母の怜子と3人で明るく暮らしていた彼女に戦慄が走る。10年前、高熱で生死の境をさまよった母は、入院先の病院で新薬を処方され、なんとか一命を取り留めたものの、視力を失ってしまったのだ。-お母ちゃんの目が見えへんようになったんは、新薬のせい?原因は副作用なのか、医療ミスなのか。閉ざした過去と向き合い、真相を追う怜花だったが…。
あなたとミステリーの架け橋になる、どこから読んでもハズレなしのアンソロジー。選び抜かれた“最強”の短編ミステリー11本がこの一冊に!!日本推理作家協会賞短編部門受賞作。薬丸岳『黄昏』収録。
家にも学校にも居場所がない12歳の少年、ボビー・ヌスク。彼はある日、2人暮らしの母娘に出会う。母親が働く図書館トラックのたくさんの本に、ボビーはたちまち夢中になった。1冊読むごとに、目の前に世界がどんどん広がっていくのを感じる。だが、平穏は続かない。いじめっ子への仕返しが警察沙汰になったのだ。ボビーたちは図書館トラックに乗って町を離れ、未知の土地を駆けめぐる!数々の文学賞に輝く気鋭作家による少年の成長物語!
風雲急を告げる幕末。神官の家に生まれた祝井信吾は剣の修行に明け暮れていたが、ある時父が何者かに殺害された。死の間際、神宝の御太刀を守護する命を受けた信吾は本社がある京へ向かう。道中、路頭に迷いかけたところを江戸で試衛館の近藤勇と土方歳三に救われた信吾。剣の腕を見込まれ浪士組に誘われるが、御太刀を狙う強敵が次々に現れた。神剣に隠された政局を揺るがす謎とは?大スケールで描く幕末剣戟譚、開幕!
犬塚信乃は海賊から救い出した娘リョンピンを明の国に送った帰り、船が難破し琉球に流れつく。そこで出会った王子の剥奪された王位継承権を取り戻すため、一肌ぬぐことになる。王宮は〓(みづち)の化身の摂政に支配されていた。恋人浜路は人買いによって遠州は高天神城に売られるが、兄犬山道節の火遁の術で助けられ、琉球から戻った信乃と再会を果たす。『南総里見八犬伝』の大胆な解釈のもと人気を博した人形劇の完全小説版。第3弾!
里見家の宿敵、鎌倉の管領扇谷定正は安房の国を滅ぼすため戦の準備を進めていた。一方、安房那古観音の境内では、伏姫ゆかりの七人の犬士がようやく巡りあい集っていた。最後の犬士、犬江親兵衛を探して、犬塚信乃と犬村角太郎は出羽の国に旅立つが、二人の行く手を阻むのは、あの玉梓が怨霊だった!『南総里見八犬伝』の大胆な解釈のもと、大人気を博した伝説の人形劇。その完全小説版、完結巻!
仮想現実に入り込む新感覚ゲーム・バーチャワールド。高校生の智里は周囲の期待に応える完璧な自分を演じることに疲れ、ゲーム世界にのめり込んでいく。そんな中、同級生の瑠華たちと4人で挑んだ新作『Fコース』。ミッションは深夜の美術館に侵入し、天才画家バッジスの最後の作品を盗み出し脱出すること。罠を回避しながらクリアを目指す智里だが、このミッションには大きな秘密が隠されていて!?
安政元年、薩摩の下級藩士だった西郷隆盛は、第二十七代藩主・島津斉彬に江戸勤めを命じられる。お庭方として敬愛する斉彬の傍で仕えるうちに、天下のことに目覚めていき……いま語られる西郷隆盛の真実。
長崎県鷹島沖の海底遺跡発掘チームに派遣された、天才発掘師・西原無量。蒙古襲来の際に沈んだ元寇船の調査が目的だ。腐れ縁コンビの広大や、水中発掘の第一人者・司波、一匹狼のトレジャーハンター・黒木などチームは精鋭揃いで、沈船からは次々と遺物が発見される。そんな中、無量は美しい黄金の短剣を発掘し皆を驚かせる。だがそれは決して目覚めさせてはいけない遺物だったー。文庫書き下ろし、遺跡発掘ミステリ第6弾!
1712年、琉球王に第13代尚敬王が即位した。国師の蔡温は国を繁栄させるため、王の身代わりとなる存在「月しろ」を探し始めた。一方、貧しさから盗みを働く蘇了泉は、王宮を追われた舞踊家・石羅吾に踊りの天賦の才を見出される。病気の母親を救うため、謝恩使の楽童子として江戸に上ることを決めた了泉。だが船中には、もうひとりの天才美少年・雲胡が同乗していた…。将軍に拝謁すべく、2人の舞踊家が鎬を削る!
謝恩使を成功させ、琉球に凱旋した了泉は一挙に富と名声を得るが、成功を受け止めきれずにいた。一方、清国から冊封使としてやって来た徐葆光をもてなすため、踊奉行の玉城朝薫は究極の舞踊である「組踊」を創作。琉球の芸術を究めるため、2人の天才舞踊家を用いて完成に近づけようと目論む。王の身代わりとなる「月しろ」は、果たして了泉か雲胡か?傑作『テンペスト』を凌駕した、“琉球サーガ”の到達点、遂に文庫化!
小春が京都・祇園の祖母宅にやって来てから約1年。ようやく自分の“特殊な力”にも馴染み、前向きに人生を歩み始めた小春だったが、突如その力を失ってしまう。想いを寄せていた澪人との関係もぎくしゃくしてしまい、小春は落ち込んでいた。そんな中、モデルとして活躍する澪人の姉・杏奈のスキャンダル報道が流れる。小春たちは事実無根の内容に憤るが、世間の風当たりは強くて…。大人気はんなりミステリ、第5巻!
武士になる夢を胸に浪士組として上洛した歳三ら試衛館の面々。元水戸天狗党の大物・芹沢鴨一派と行動を共にすることになるが、その問題行為の多さに歳三は危機感を覚える。やがて功績を重ね、「新選組」の名を授けられた隊を、歳三は副長として組織作りに心血を注いでいく。だが尊王攘夷派が勢いを増すにつれ、同じ志を抱いていたはずの仲間との間に、深い溝が生まれ…。鬼の副長と呼ばれた歳三の心中と苦渋の決断とは。