2018年2月24日発売
杜の都、仙台にはかわいくてお天気屋な幽霊がいる。永遠の十七歳(なぜなら死んでいるから)お鈴さんである。江戸時代の幽霊だが、地下鉄も自在に乗りこなし神出鬼没。OLのカエデに取り憑き、奉公人扱いをするなど、やりたい放題。だが事件と聞けば放っておけず、首を突っ込むお人好しでもある。カエデたちを巻き込んでは、仙台の街を駆け回る。お鈴さんのいくところ、事件あり!?読むと元気をもらえる、優しい幽霊の物語。
遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きた。検証に赴いた地球化学研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃するーー。東野圭吾が小説の常識をくつがえして挑んだ、空想科学ミステリ!
吉祥寺のガーデンショップに居候中の大学生・保。住み込みの庭師・啓介とその異母弟・弓弦は、実はすご腕の陰陽師だ。 ある日、熱で寝込んだ保のもとに「迎えに来たんだよ、たもつ」と呼ばう日陰色の子供が現れる。保に憑いている非常に危険なものらしく、昔不審な死に方をした啓介の兄・一貴とも関連があるらしい。一方、屋外に出かけた保の妹・実梨の前にも、日陰色の子供が現れて!? 現代の陰陽師ものがたり、緊迫の第3弾! 【主な登場人物】 丹羽 保 大学一年生。あやかしに好かれやすい体質。 久世 啓介 ガーデンショップ「栽ーSAI-」の庭師にしてすご腕の陰陽師。 久世 弓弦 啓介の超絶美形の異母弟。なにかと保を気にかける。 一話 呼ばいの声と葉擦れのうねり 二話 招きの梢と見張りのカラス 三話 不運の時期と不吉の足音 四話 うつろの記憶とうろの口 (文庫書き下ろし)
早朝の歌舞伎町で女が攫われた。事件解明に動きだした潜入刑事の松重豊次郎は、女が30年前のハーフタレント拉致事件を追っていた芸能ディレクター細川綾子で、ソープランド『バージンポリス』を出た後に「新宿爆烈会」の若頭・花田徹らに拉致されたことを突き止める。さらに松重は巧みな性技で風俗嬢から情報を聞き出し、黒幕を追い詰めていく。背後には各界の要人が蠢いていてー新宿の闇をエロで暴く、爽快警察官能小説!
愛、絆、情、欲。 執着の虜となった者たちを描く、京極小説の神髄! 藩の剣術指南役を仰せつかる桐生家に生まれた作之進には、右腕がない。 物心付いた時には、もうなかったのだ。二の腕の途中から、すっぱりとない。 これが普通だこういうものなのだと、ずっとそう思っていた。 元服の夜、作之進は父に呼び出された。 そして父はーー厳かに言った。 「お前の腕を斬ったのは儂だ」 一方、柔らかで幸福な家庭で暮らす「私」は、何故か、弟を見ていると自分の中に真っ黒な何かが涌くのを感じていた。 ある日、私は見てしまう。 幼い弟の右腕を掴み、表情の無い顔で見下ろす父を。そして父は、 「これだよなあ」 と、暗い声で言ったのだったーー。 過去と現在が奇妙に交錯する「鬼縁」ほか、<人と鬼>の狭間を漂う者たちを描いた全9篇。 <解説/東雅夫>
激動の幕末。南朝の皇子との噂がある美貌の剣鬼・椿は、新撰組や西郷吉之助から、倒幕の駒として狙われていた。そんな中、椿の元に遊女志望の女、早咲がやってくる。彼女は色気もなく芸事もできないが、抜群の剣の腕を持っていた。一方、“人斬り”の河上彦斎は、長州兵を攻め込ませるため二条城を燃やそうとしていた。椿と早咲はそれを阻止するため、現地へ向かうーー。 峰隆一郎の遺伝子を継ぐ幕末剣鬼伝、シリーズ第2弾!
引っ込み思案の少女、千蔭は、女優を引退した母親と、地方の片田舎、沙之里に引っ越すことに。ある日迷い込んだ丘で、千蔭は大木“サノキ”を見つける。そこで出会った白い着物の少女、チヨから「成仏できない幽霊を、あの世に送るお手伝い」を頼まれた千蔭。“サノキ”はこの世とあの世を繋ぐ木だった。訳アリな幽霊たちと遭遇し、チヨと絆を深め、沙之里を愛し始めた千蔭だが…。涙の後に衝撃が!恐くて切ない青春ファンタジー!
専門商社に勤める宗谷聡子は、仕方なく受けた健診で卵巣に腫瘍が見つかり自暴自棄に陥っていた。そんななか、弁理士の堂島との出会いが彼女を変えていく。付き合いを重ねるごとに想いが募るが、聡子は堂島の隠していた過去を知ってしまう。湧き上がる嫉妬と焦り。この人の子どもを産みたい。やがて彼から突然の別れを告げられ、絶望に沈んだ聡子は禁断の行為に出るー。一途に追い求める女性の執念を描いた、偏愛サスペンス長編。
鑑識官・三木と恋人の麗華の結婚を祝うのも束の間、比奈子ら「猟奇犯罪捜査班」の面々に事件の知らせが入った。 心臓がえぐりだされた2遺体が八王子の廃ビルで発見されたのだ。 実は、一昨日も同様に心臓がくり抜かれた成人男性3人の遺体が日本橋で見つかっており、「死神女史」こと石上妙子教授が検死を担当していた。 その現場は、被害者の血痕で奇妙な「魔法円」が描かれていたという。 比奈子は、12年前そして30年前に同じような事件が起こっていたことを聞かされる。それらは未解決事件であった。 過去の事件の犯人が再び活動を開始したのだろうか? そして、国際犯罪組織から狙われている中島保が身を隠しているセンターでは少年・永久がある発見をしていた……。 現代社会の闇が猟奇的殺人と共鳴する、新しいタイプのヒロインが大活躍の警察小説、第9弾! いよいよクライマックスへ!
「もういやだ、家を出よう」。両親がコーヒーを音を立ててすすったり、目の前で着替えたりするたびにそう思うマサミ。就職をし、家が揉め、両親の体調が悪くなり、そうこうするうち四十路を迎え、実家に居着いてしまった。ご近所のレレレのおばさんことヤマカワさん、お腹のせり出したギンジロウ、四角顔のオサムくん、気付いたら奇天烈な人ばかり…。一つの家族とそのご近所さんの30年をユーモラスに描く、連作短篇集。
港町ミロナの地図収集館で働き始めたリュスは救済院育ちの17歳。感情を封じて慎ましく暮らす彼のもとにメルカトルなる人物から一通の手紙が届いたその夜、アパートに見知らぬ女が立て続けに訪ねてくる。以来、彼の周辺で不可解な事件が次々と起こり、リュスの平穏な日々は大きく転回し始めるー謎多き女たち、変死した大女優、紅い封鑞つきの手紙…やわらかな心をくすぐるロマンチックな冒険活劇。
※ご注文いただくタイミングによっては、お届けする商品のカバーとサイトに表示されている画像が異なる場合がございますが、ご了承くださいませ。 1995年、渋谷。平凡な高校生だった秋久は、縁のなかった4人の同級生から突然カフェに呼ばれ、強制的にグループへ仲間入りさせられる。 他校生との対立、ミステリアスな女の子との出会い……。秋久の経験したことのない刺激的な毎日が待っていた。 だがある日、リーダー的存在だった翔が何者かに襲撃されてしまう。秋久は真犯人を捜すため立ち上がったーー。 激動の時代を駆け抜けた少年たちの心の叫びがほとばしる、熱烈青春ストーリー。
家のために働きづめ、その挙句倒れて死んでしまった大切な父。その時母は浮気相手と不義密通を働いていたーー。おしのが母をなじると、返ってきたのはおどろくべき言葉だった。「おしのちゃん、あなたの本当の父親はほかにいるのよ。」 母の不義を憎み、次々と母や、男たちに復讐を果たしながらも、不浄な血が流れている自身の存在に悩むおしの。最後の復讐相手、自分の本当の父親と直面したおしのがとった驚くべき行動とはーー。犯した罪をどうやって償うべきか。サスペンス仕立てで語られる、罪と罰の物語。
かつて日本海軍の空母だった豪華客船が、横浜を出港する。乗客の一人・入江は、機密情報“カサンドラ”を持ち出したスパイを突きとめ、その流出を阻止するという特務を帯びていた。船内で入江は陸軍中野学校の同期の弟・道夫と再会するが、その夜殺人事件が発生。被害者はマーク中の物理学者・波照間だった。そして第2、第3の殺人がー。誰が敵で誰が味方か。戦後8年、いまだ癒えぬ戦争の傷を抱えた男たちの、壮絶な諜報戦!
人気の食玩フィギュアをめぐって起きた殺人事件。被害者の話を聞いていた九重祐子巡査部長は、独自に捜査をはじめた。そんな中、「GEEKSTER」という、謎の人物の存在が浮かび上がってきて……。
宮下愛子は幼いころ、ショッピングモールで母親が目を離したわずかなすきに連れ去られる。それは偶発的に起きた事件だったが、両親の元に戻ってきた愛子は失明していた。12年後、彼女は再び何者かによって誘拐される。一体誰が? 何の目的で? 一方、人気漫画家の江間礼遠は突然失踪した妻、優奈の行方を必死に探していた。優奈は12年前に起きた事件の加害者の娘だった。長い歳月を経て再び起きた、「被害者」と「加害者」の事件。偶然か、それとも二度目の誘拐に優奈は関わっているのか。急展開する圧巻のラスト35P! 文庫化に当たり、単行本から改稿されたシーンも。大注目作家のサスペンス・ミステリー。(解説:瀧井朝世)
無口で人づきあいが苦手な理系女子のシーノは就職にあぶれ、就職相談員・蛇足軒の秘書になった。日々やってくる妙な求職者たちに、鮮やかな詭弁で適職を与えていく蛇足軒。それを見ているうちにシーノは……
中島哲也監督による映画化決定! 空前絶後のノンストップ・ホラー、待望の文庫化! 映画タイトル:「来る」 公開:2018年12月 配給:東宝 出演:岡田准一 黒木華 小松菜奈/松たか子/妻夫木聡 幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。 それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。 その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。 真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。 “あれ”からは決して逃れられないーー。綾辻行人・貴志祐介・宮部みゆきら絶賛の第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作!
御広敷番医師の矢切良衛は、登城後に医師溜で御膳所の仲居が昨夜腹痛を起こしたことを知らされる。その仲居は、大奥で将軍に出される料理の調理に携わる者。将軍の食事にもしやー。綱吉の体調を危惧した良衛は、お目通りを試みるのであった。一方、本所深川の顔役となった真野は、縄張り内での騒動が何者かの陰謀であることに気づく。敵の狙いは、良衛なのか?周到に仕組まれた罠と陰謀を、良衛は切り抜けられるのか。