2018年2月27日発売
秘密と傷みに縛られ、男性が苦手なまま大人になった洋服補修士の女。要領よく演技するのが得意。だけどほんとうに好きな事から逃げてばかりいるフリーターの男。洋服を愛している。それだけがふたりの共通点のはずだった。18世紀から現代まで、1万点以上の洋服が眠る美術館で、出会うまではー。誰にも覗かれたくない場所。
宮崎・高千穂の夜神楽で、男性の首なし死体が発見された。宇佐神宮では、御霊水の三つの井戸に、女性の首と両手が。折も折、萬願寺響子の従弟・漣が「卑弥呼の調査に行く」と言い残して行方不明に。続発する怪事件を解決するには、日本史の根幹を覆す発想と「あの男」が必要だったー。天岩戸神話に隠された逆転。卑弥呼と邪馬台国の真実。
七十をすぎても引退せず、老人施設の研究調査のためにイングランドじゅうをクルマで走るフラン。当人は元気だが、高級老人ホームで余生を送る親友、重病の幼なじみ、自宅で寝たきりの元夫、新聞を開けば飛び込んでくる誰かれの訃報と、老いと死を意識せずにはいられない。友人を見舞い、50年前に別れた夫にせっせと手料理を届け、恋人を亡くした息子を案じて携帯メールを送るが、気難しい娘との関係には自信がない。傷心の息子が身を寄せる、カナリア諸島の高名な老歴史家と長年連れ添ったゲイの恋人の姿をあわせて描きながら、人生の終盤を送る人びとの心理と日常を、英国的ユーモアを随所にちりばめながら描きだしたビターでみずみずしい長篇小説。ドラブル健在!
毎週届くクチナシの花、黄色い封筒に入った手紙、お忍びの小旅行…80代を迎えた老人の謎めいた日常の背後に、いったい何があるのか?老人ホームに暮らすアルマ。日系人イチメイとの悲恋を主軸に過去と現代のドラマが展開する、現代版『嵐が丘』。
「これから社会は大きく変わる」という人は多いが、「こう変わる」という人は少ない。しかし、著者が社会を解く流儀は常に明確だ。『知価革命』はポスト工業社会の核となる「知価」を明示し、『日本とは何か』は風土と歴史から日本の原理を解明した。各国で翻訳されて大反響を呼んだ2作品を収録。知の開拓者・堺屋太一に目を開かれる快感を!
スキューバダイビングのインストラクターをしている五十嵐奈々とおもちゃメーカーに勤める大器の夫婦は、マイホーム資金を貯め、コーポラティブハウスを購入する。同じ棟に住むのは、結婚を魂えた川村亮司と杉崎ちひろのカップル、ふたりの娘を持つ小宮山真一郎と深雪の夫婦、建築士の広瀬渉と彼の元へ転がり込んできた青木朔の三組。引っ越して一年、子どもができないことに不安を覚えた奈々は大器に不妊検査を受けることを提案するが…。それぞれの住人が抱える現代社会ならではの悩みや葛藤を描いたヒューマンドラマ。