2018年3月19日発売
文学を志しながらも、家庭貧しく代用教員として人生を歩み始めた青年清三。同級生の学生生活や恋の話は遠い世界となり、田舎教師として埋没しゆく煩悶を日記に記す。世間が日露戦争の勝利に沸くなか病没した実在の青年の日記を元に、北関東の風物を織り交ぜ描く、自然主義文学の代表的作品。改版。
残留思念を読み取る能力を持つ男子大学生・鹿住未来。母校の高校で教育実習を始めた未来は、生徒からホラー映画研究部に誘われるが、彼が部活に参加したその日に部員の一人が異常な死を遂げ、他の部員も後を追うように、次々と変死してしまう…。未来は、心を寄せる生徒・恵田桜香を守るため、変死の原因を調べるうちに、特殊な交霊術“キラズさん”の呪いにたどり着くが…。遺書と異常死、学校の秘密と暗闇、名に込められた祈り。全ての謎が明らかになるとき、切なくも怖ろしい、驚愕の結末が待ち受ける。先生と生徒との、呪われた恋の行方は。第3回ジャンプホラー小説大賞銀賞受賞作『花は二度死に、名を失う』改題。
殺人を含む連続首吊り事件が起きている魂香町では、事件の背後に「死を考える者の前に現れて契約を結び、自殺するまで追い詰める女性」-『自殺幇女』が存在する、という都市伝説が囁かれていた。そんな折、魂香町の大学に通う青年・早乙女は、自殺コンサルタント・ヒラサカコヨミと名乗る女性に出会う。誤解から彼女との「自殺契約」を結んでしまった早乙女は、契約履行のため付き纏われることになり…。彼は、自殺へ誘う魔の手から逃れることはできるのか?そして、連続首吊り事件の真相は?第3回ジャンプホラー小説大賞銀賞受賞のホラーサスペンス!
オリヒメはとある南の島に暮らす、中学生のおんなのこ。満天の星の下、彼女の前に現れたのは未来人を名乗る不思議な人物だった!その人物ースバルとのデートを楽しみにしつつ、幼馴染みの同級生たちとの変わらない日常を過ごす少女。しかしスバルが予言した通り島に転校生がやってきたその日から、彼女の日常は少しずつズレ始める…現役東大生作家鮮烈のデビュー作!
多彩な情景、多様な手法。深まる内省、増しゆく滋味…幻想と現実のあわいで揺れる多彩な作品群。10カ国にまたがる作家たちが紡ぐ、16のきらめき。
舞台は茨城県大洗、漁業と観光の町。この町で生まれ育った皆川涼子は、口下手で仏頂面。夢は祖母の民宿を継ぐことだが、接客にも地元の魅力にも自信がもてない。閉塞感に悩む涼子をよそに、町は東京からやってきた医師・加賀透先生の噂でもちきり。都会的で人あたりのよい先生に反感をもつ涼子だったが、とんでもなく食いしん坊だった先生の提案から、思わぬ形で夢が動き出して…!?