2018年6月13日発売
大学一年の夏休み、帰省した真吾は久々に恋人・妙子とからだを交える。そんな折、真吾は高校の同級生であった今井鈴子の訪問を受ける。在学中はあまり接触のなかった鈴子だが、封建的な家で窮屈に暮らす鈴子の胸の裡に性への憧れが芽生えていると感じ取った真吾は、夏のあいだ時々会うようになる。女教師・美津との再会、懐かしい顔が揃ったクラス会など、真夏の故郷を舞台に繰り広げられる、エロスの祭典。
夏休みを終え東京に戻った真吾は、大学の構内で年上の明美と知り合う。文学部の三年で作家志望の明美は未経験者であり、彼女の「女になる」という希望を叶えるため、ふたりは出会ったその日に旅館に向かう。自意識が強く理屈っぽい明美に多少の疎ましさを感じつつも、時折いじらしくなったり、可愛いことを言ったりするその振幅の大きさや、他の女性とは一風違う個性に次第に魅力を感じるようになっていく。
あの夜を越え、「真夜中」を生きる無戸籍の少年がいた。蓮司のよき理解者でテント暮らしの源太、心優しい客引き・井島、お腹を満たしてくれるスナックのママや屋台の主人、憧れの山笠の重鎮・カエル、兄のような存在の平治、警察官の響、そして中洲育ちの少女緋真ー土地と人とに育まれ、少年は強く成長していく。家族を超えた絆を描く感動作!
「絶望」が蔓延する地方の町・葦原に帰ってきた、破天荒な新米坊主(!?)江川放念。若者が「夢」を持てないほどに荒廃した故郷に驚愕した彼は、若い人材が町を救うはずだと「原石発掘プロジェクト」を立ち上げる。放念によって集められた4人の高校生ー常人離れした肩を持つ黒木鷹、町で一番の美少女・青山藍、微生物オタクの白土冴子、そして凡人・緑川夢二ーは、それぞれの個性を活かし「夢」に向かって走り出す。しかし、彼らの前に葦原荒廃の元凶、前市長とその傀儡と化した現市長が立ちはだかり…。「絶望」は噛み締めるほどに甘くなる?「青春小説」の新たな王道、ついに刊行!!東村アキコ描き下ろしウォームアップコミック収録!(原作=島田雅彦)
天草ゆかりの知事の強力なリーダーシップで、地元の夢・天草空港は実現に向け、動き始める。議会の反対派、一部地権者などを数年がかりで説得し、建設工事が始まるが、予定される路線の厳しい採算性とおりからの航空不況で、就航する航空会社が見つからない。熊本県庁は「7人のサムライ」を投入し、独自の航空会社立ち上げへと舵を切る。果たして「島のエアライン」は、国の審査に合格し、九州の空へ飛び立つことができるのか!?
たった一機で島の空路を支える「天草エアライン」は、重整備や故障、乗客の減少、人材流出など、次々とトラブルに見舞われる。民間航空会社から社長を招き、新路線も開設するが、思うような効果は上がらない。倒産も視野に入るなか、関係者たちは“島の翼”を守るため、それぞれの持ち場で奮闘を開始する。そして役割を終えた飛行機の第二の人生とは?独力で飛行機を飛ばす島の夢と苦闘の実話物語ー圧巻の完結扁!