小説むすび | 女人追憶 5

女人追憶 5

女人追憶 5

出版社

小学館

発売日

2018年6月13日 発売

真夏の故郷を舞台にした熱いエロスの祭典

大学一年の夏休み、帰省した真吾は恋人・妙子と四か月ぶりにからだを交える。東京で他の女性と遊んでいる身としては多少のうしろめたさも覚えるが、「もっとも好ましいのはこのからだ」だと思い、またそう思うことによって浮気の罪は許されると、虫のいいことを考えるのであった。だが、行為の最中に妙子の口から発せられたのは「美津先生と、どっちがいい?」。高校三年時の真吾と、教師であった美津との関係を問う言葉だった。ごまかすことはできないと判断した真吾は美津との一時の関係を正直に話す。だが、意外にも妙子は真吾の背信を責めることはなく、今は結婚している美津の家へ一緒に行こうと提案するのだった。また、真吾は高校の同級生であった今井鈴子の訪問を受ける。在学中はあまり話をしたことがなかったが、封建的な家で窮屈に暮らす鈴子の内に性への憧れを感じ取った真吾は、夏のあいだ時々会うようになる。美津との再会、懐かしい顔が揃ったクラス会。故郷を舞台に繰り広げられる、エロス溢れる真夏の祭典。

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芸者&情人とトリプルで織り成すエロスの宴 明美が他の男と関係した事実を受け入れた真吾は、これからも変わらず会うことを約束する。もともと肉体だけの関係ではあったが、郷里の恋人・妙子と離れている身を癒やしてくれるありがたい存在であり、たとえ恋人ではなくとも、ふたりの間には性愛から始まった愛情が築かれていたのだ。親密な関係になった下宿先の未亡人ちえは、姑たちの目も気にせず、あからさまに真吾に親切になる。女のいじらしさを感じる半面、内心多少とまどうほどに。そのちえと利用した旅館で知り合った芸者の松美から遊びに来るよう誘われた真吾は、金もない学生に声をかける彼女の真意をはかりかねる。多くの女人たちと交わってきた真吾だが、玄人の女性との交流は皆無。だが、未知の世界を覗いてみたい好奇心にかられた真吾は誘いに応じて訪ねていく。喜んだ松美は酒と料理でもてなし、彼女の往年のパトロン「いいさん」とその愛人の三人で一夜をともにした話を語り始めた。さらには当の「いいさん」まで呼びだして、かつてのようなエネルギッシュな状態にない「いいさん」を交え、三人によるエロティックな性の饗宴が繰り広げられることにーー。 2018/10/10 発売

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