小説むすび | 女人追憶 7

女人追憶 7

女人追憶 7

出版社

小学館

発売日

2018年8月10日 発売

あらたに真吾に迫りくる未亡人の甘い誘惑

昭和二十六年春。大学二年生になった真吾はある朝電車内で、下宿先の未亡人ちえと一緒になる。すし詰め状態の車内で、偶然か故意か、ちえの手が真吾のからだの一部分に触れてきた。いつもの控えめで貞淑なちえからは考えられない行動に驚く真吾だが、前年の秋に彼女の娘・小学生の雪子にもそれを触らせたことがあり、なんとも刺激的な気持ちになるのであった。実験目的で始まった女子学生・明美との関係は続いていた。だが出発点から大きく逸脱し、今や明美は真吾に夢中になってしまっている模様。明美の友人の知子から、重荷になる前に何とかするよう忠告されるも、今度はその知子の誘惑に乗ってしまう。そんなある日、かつての下宿先の娘アキが訪ねてくる。交際している男の粗暴な振る舞いについて相談しにきたと言うが、強引で奔放な性格は変わっておらず、夜の神社で求めてくる。さらに、旅館で働く中年のキクや、下宿先の隣人・新妻の千賀からも好意を寄せられてーー。己の好色性を自任する真吾の周辺はまさに春、さながら百花繚乱の様相を呈していた。

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芸者&情人とトリプルで織り成すエロスの宴 明美が他の男と関係した事実を受け入れた真吾は、これからも変わらず会うことを約束する。もともと肉体だけの関係ではあったが、郷里の恋人・妙子と離れている身を癒やしてくれるありがたい存在であり、たとえ恋人ではなくとも、ふたりの間には性愛から始まった愛情が築かれていたのだ。親密な関係になった下宿先の未亡人ちえは、姑たちの目も気にせず、あからさまに真吾に親切になる。女のいじらしさを感じる半面、内心多少とまどうほどに。そのちえと利用した旅館で知り合った芸者の松美から遊びに来るよう誘われた真吾は、金もない学生に声をかける彼女の真意をはかりかねる。多くの女人たちと交わってきた真吾だが、玄人の女性との交流は皆無。だが、未知の世界を覗いてみたい好奇心にかられた真吾は誘いに応じて訪ねていく。喜んだ松美は酒と料理でもてなし、彼女の往年のパトロン「いいさん」とその愛人の三人で一夜をともにした話を語り始めた。さらには当の「いいさん」まで呼びだして、かつてのようなエネルギッシュな状態にない「いいさん」を交え、三人によるエロティックな性の饗宴が繰り広げられることにーー。 2018/10/10 発売

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