女人追憶 2
模索する大人への道。新たな官能の世界へ。
路子の“実験”に協力するかたちで初体験を済ませた真吾は、恋人である妙子とも結ばれ、妙子に一層の愛しさを募らせていく。
昭和二十三年、学制改正に伴い真吾は新制高校二年になり、妙子は女学校を卒業。妙子には卒業を機にいくつもの縁談が持ち込まれるようになる。
そんな折、戦時中に真吾に強烈な体験をさせた、いとこの千鶴が結婚することになり、家を訪ねてくる。“心にもからだにも、魔性の生きものを飼っているにちがいない”、千鶴は真吾を未経験者であると思い込み、自分が最初の女になりたいと思っていた。
念願を遂げた千鶴は、妙子と親密になるよう真吾に助言する。その後、ひょんなことから旧家の娘で出戻りの小菊と妖しい一夜を過ごすが、わずか六日後に小菊が出奔。さまざまな噂が飛び交うなか、ふいに戻ってきた小菊は、なぜか妙子に接近する。
新しい時代の到来とともに、押し寄せてくる「自由」の波。そんななか、大人への道を模索しつづける少年の愛と心。読む者を惹きつけて止まない、青春官能小説。
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主人公の宮崎真吾は戦時下の中学生。いとこ千鶴との性的な戯れに心揺らす一方、幼なじみの妙子にも熱い恋心を抱き、悶々とした日々を送っていた。-徐々に性に目覚めていく真吾。戦中から戦後へ、時代や価値観が急変していく中にあって変わらぬ男と女、愛と性の営み。自然が匂い立つような風土の中で、未知なる世界へ踏み出す少年の性や心情を丁寧に描いた、著者代表作ともいえる青春大河ロマン待望の復活。 2018/02/13 発売
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舞台は東京へーー都会で始まる新しい出会い 大学進学を機に上京した真吾は、賄い付き下宿・金沢荘に入居する。下宿先には一人娘で高校三年生のアキがいたが、真吾は高校の先輩で同室の小松原から、アキに気をつけるよう助言される。天性の好色女で、これまでに何人の下宿人と関係したかわからないのだという。案の定、真吾は誘惑されるが、冒険心から誘われるままにアキの部屋を訪ねるようになる。真吾に恋人がいることも承知しているアキは、プライドが高く自分を美化している向きもあったが、多くの東京の女学生にはない、あどけなさや幼稚さを残している少女でもあった。大学の講義への興味を失いはじめていた真吾は、アキに魅力を感じるようになっていく。アキのほうも夢中になり、他の男との関係を断つまでに。だが、金沢荘の古株で粗暴な今重がふたりの仲に疑いを持ったことから、事件が勃発する。一方で、金沢荘の下宿人たちの性生活は様々であった。とにかく一人を好む者、学生の特権を活かして女子大生に声をかけ下宿に連れ帰る者、娼婦にのめり込む者などなど。彼らから聞く体験談は、真吾にとって大層刺激的なものであった。 2018/04/10 発売
真夏の故郷を舞台にした熱いエロスの祭典 大学一年の夏休み、帰省した真吾は恋人・妙子と四か月ぶりにからだを交える。東京で他の女性と遊んでいる身としては多少のうしろめたさも覚えるが、「もっとも好ましいのはこのからだ」だと思い、またそう思うことによって浮気の罪は許されると、虫のいいことを考えるのであった。だが、行為の最中に妙子の口から発せられたのは「美津先生と、どっちがいい?」。高校三年時の真吾と、教師であった美津との関係を問う言葉だった。ごまかすことはできないと判断した真吾は美津との一時の関係を正直に話す。だが、意外にも妙子は真吾の背信を責めることはなく、今は結婚している美津の家へ一緒に行こうと提案するのだった。また、真吾は高校の同級生であった今井鈴子の訪問を受ける。在学中はあまり話をしたことがなかったが、封建的な家で窮屈に暮らす鈴子の内に性への憧れを感じ取った真吾は、夏のあいだ時々会うようになる。美津との再会、懐かしい顔が揃ったクラス会。故郷を舞台に繰り広げられる、エロス溢れる真夏の祭典。 2018/06/13 発売
性に奔放貪欲な女子大生との”危険な情事” 夏休みを終え東京に戻った真吾は、大学の構内で年上の明美と知り合う。文学部の三年で作家志望の明美は男性未経験であり、彼女の「女になる」という希望を叶えるため、ふたりは出会ったその日に旅館に向かう。小説に活かすためなのか、男と対等以上でありたいためなのか、教材である真吾や自身の変化までも理性的に観察し、随所で質問をする明美。自意識が強く、理屈っぽい明美に多少の疎ましさを感じるも、時折いじらしくなったり、可愛いことを言ったりするその振幅の大きさに、次第に魅力を感じるようになっていく。結局、一夜限りの関係のはずがその後も逢瀬はつづき、知識欲が旺盛な明美は、ついには旅館で働く中年のキクと真吾の交歓を見学したいと言い出す。一方、新しい下宿先では、大家の孫娘・小学五年の雪子が真吾に懐くようになり、向かいの部屋には新婚夫婦が越してくる。真吾は雪子に請われるままに“小さな戯れ”の共犯者になる。 2018/06/13 発売
あらたに真吾に迫りくる未亡人の甘い誘惑 昭和二十六年春。大学二年生になった真吾はある朝電車内で、下宿先の未亡人ちえと一緒になる。すし詰め状態の車内で、偶然か故意か、ちえの手が真吾のからだの一部分に触れてきた。いつもの控えめで貞淑なちえからは考えられない行動に驚く真吾だが、前年の秋に彼女の娘・小学生の雪子にもそれを触らせたことがあり、なんとも刺激的な気持ちになるのであった。実験目的で始まった女子学生・明美との関係は続いていた。だが出発点から大きく逸脱し、今や明美は真吾に夢中になってしまっている模様。明美の友人の知子から、重荷になる前に何とかするよう忠告されるも、今度はその知子の誘惑に乗ってしまう。そんなある日、かつての下宿先の娘アキが訪ねてくる。交際している男の粗暴な振る舞いについて相談しにきたと言うが、強引で奔放な性格は変わっておらず、夜の神社で求めてくる。さらに、旅館で働く中年のキクや、下宿先の隣人・新妻の千賀からも好意を寄せられてーー。己の好色性を自任する真吾の周辺はまさに春、さながら百花繚乱の様相を呈していた。 2018/08/10 発売
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夏休みを終えて帰京した真吾は、約束どおり下宿先の未亡人ちえと関係する。若くして夫を戦争で亡くし、義父母や娘に尽してきた古典的でつつましやかな女性、ちえ。性愛とは無縁の生活を送ってきた彼女に一時でも女の悦びを与えられたことに満足する真吾。一方で、東京での性のパートナーである女子大生の明美から、他の男と寝たことを告げられる。遊びと割り切った関係だったのに、なぜか真吾は胸の痛みを覚える。 2018/10/10 発売
芸者&情人とトリプルで織り成すエロスの宴 明美が他の男と関係した事実を受け入れた真吾は、これからも変わらず会うことを約束する。もともと肉体だけの関係ではあったが、郷里の恋人・妙子と離れている身を癒やしてくれるありがたい存在であり、たとえ恋人ではなくとも、ふたりの間には性愛から始まった愛情が築かれていたのだ。親密な関係になった下宿先の未亡人ちえは、姑たちの目も気にせず、あからさまに真吾に親切になる。女のいじらしさを感じる半面、内心多少とまどうほどに。そのちえと利用した旅館で知り合った芸者の松美から遊びに来るよう誘われた真吾は、金もない学生に声をかける彼女の真意をはかりかねる。多くの女人たちと交わってきた真吾だが、玄人の女性との交流は皆無。だが、未知の世界を覗いてみたい好奇心にかられた真吾は誘いに応じて訪ねていく。喜んだ松美は酒と料理でもてなし、彼女の往年のパトロン「いいさん」とその愛人の三人で一夜をともにした話を語り始めた。さらには当の「いいさん」まで呼びだして、かつてのようなエネルギッシュな状態にない「いいさん」を交え、三人によるエロティックな性の饗宴が繰り広げられることにーー。 2018/10/10 発売
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新居の昭和荘に移った真吾の周辺では常に騒動が起こっていた。同じ階の金杉の恋人・あゆ子や、階下の人妻・時江からも誘惑されるがなんとか逃れ、改めて東京にはいろいろな人間がいることを痛感する。-そしてまた夏、郷里に帰る真吾は駅で同級生の岡本と偶然一緒になり、車内で知り合った春絵に誘われて彼女の実家がある瀬戸内の島に立ち寄るため途中下車をする。夏の島には濃厚なアバンチュールが待っていた。 2018/12/10 発売
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