2018年6月21日発売
ハマグリ、茄子、ミョウガ、トマト、そうめん、材料を買い込み冷蔵庫に詰める。そうか、今日は七夕だーー(「安全じゃない場所」)。誕生日に大好きなバンドのライブ、そのチケットは彼がプレゼントしてくれて。あのときは、こんな誕生日がくるなんて思いもしなかったーー(「ハグルマ」)。クリスマス、卒業式、お正月……ひとりぼっちの記念日も悪くない、かも。短編の名手が贈る、切なくてままならない心情を鮮やかに掬いとる作品集。
悪意ある噂を信じた父から勘当され、教師として自活してきた貴族令嬢のエム。教え子だった伯爵の妹たちの家庭教師の仕事を依頼されるが、断ると、急に意外な申し出をされて…。心温まるロマンス。
嵐の晩、別荘に逃げ込んできた男女。その女の虜(とりこ)になったクライヴ。死んだ男の遺作を我がものとして発表しデビューした彼が彼女に出会ったのはまさに、ハリウッドでの道が開かれようとしていた時だった。知的な恋人がいながら謎の多い娼婦イヴに振り回され、落ちていく男! デビュー作『ミス・ブランディッシの蘭』が過激な描写で発禁処分となったチェイスのもうひとつの代表作。イザベル・ユペール主演の映画公開迫る。
大学講師の母と高校生の娘、動いて喋る骸骨シドの三名が暮らすサッカリー家。娘マディソンが所属する演劇部の舞台に、シドも(頭蓋骨だけ)出演することになった。ところがある日、彼女はうっかりシドの頭を学校に忘れてしまう。翌日、回収されたシドは意外なことを言いだした。夜に講堂で殺人事件が起きたというのだ。母ジョージアはシドのため事件を調べることに……。母娘と骸骨の絆、デコボコ捜査が楽しい、痛快ミステリ第2弾。
地方領民の蜂起、自治区との小競り合い、新たな反乱魔導士組織の噂…。内乱から10年経ったラバルタの政情は、不安定さを増していた。その頃、レオンの元をかつての弟弟子が訪ねてきた。そしてその日からレオンは姿を消してしまう。一方レオンの親友ガトーは、“鉄の砦”の魔導士から奇妙な相談を受けていた。全ての謎を解く鍵はレオンの師が研究していた禁術に。感動の最終巻。
首謀者不明の上、犯行声明さえなかったヒースロー空港での爆発テロで、精神科医デーヴィットの前妻ローラは死亡した。その無作為的な死に衝撃を受けたデーヴィットは、様々な反体制活動に潜入し、空港のテロの首謀者を捜し始める。やがて組織の一員である女ケイと出会い、すべてを操る小児科医グールドとも奇妙な友情を築くが、それは中産階級者の聖地チェルシー・マリーナを実験場とした壮大な計画の始まりに過ぎなかった。
巨大ロボット・テーミスを中核とした国連地球防衛隊の創設から九年。ついに恐れていた事態が訪れたーー未知の巨大ロボットが突如、ロンドン中心部に現れたのだ! だがその男性型ロボットは人類の呼びかけにも答えず、ただ不気味にたたずむのみ。恐怖に駆られた人類の強硬策は、かえって空前の大惨事を招く。彼らの意図は? 人智を超えた圧倒的存在に対し、人類の生き残りを賭けた戦いが始まる……。『巨神計画』待望の第二部登場!