2018年6月5日発売
黒髪の美しい、不思議な女の後を追って…「黒髪奇談」。暗い土蔵のなかに捨て置かれた鏡、その中で蠢くものは…「鏡の中」。同じ夢を見る。他人には言えない秘密を持った日には…「白い部屋」など全12編。ふと目をあげた先に、怪異があなたを待っている。夢と現のあわいに立ち現れる恐怖ー珠玉の短編集。
コレクターで研究家の老ダニエルにチャンスがめぐってきた。盗掘者が偶然に発掘した、アステカ最後の皇帝の宝石で作られた美しいマスクを入手できそうなのだ。彼の代理でメキシコへ飛ぶのは、娘のアナ。だが入手直前、取引現場に乱入してきた暴漢がマスクを強奪してしまった。富豪コレクター、マローンの横槍だ。怒ったアナは奪回のため、秘かに彼の身辺に潜入する。いっぽう地元の麻薬王レイエスもまた、マスクを手に入れようと画策して…かくして執念と欲望まみれの壮絶な闘いの幕がここに切って落とされた!
マークスの原理主義者であるグレク336は、テラナーが精神世界にのめりこむことを阻止するのが自分の使命と思いこんでいる。マークス種族を分裂させる原因となった“非物質化・精神化”のすべてを憎んでいるためだ。そこでテラ政府はグレク336に対処するには影マークスへの進化のきっかけを探る必要があると考え、マークスが556年前に住んでいた使節惑星マーコラにガルブレイス・デイトンひきいる調査隊を送った!
スミス准将が指揮する老朽航宙母艦“アーク・ロイヤル”が拿捕した異星艦の研究により、新たな重力トラムラインを使った新航法が開発された。攻撃は最大の防御と考えた地球連合政府は、ネルソン作戦を発令、少将へと昇進したサー・セオドア・スミスを司令官とする多国籍艦隊を敵のコロニー惑星である異星1へと派遣する。だが、その行く手には強大な敵艦隊が待ち受けていた…齢70の老提督の活躍を描く戦争SF第2弾!
最愛のデナが宿敵アンブローズと談笑しているところを目撃したクォートは、デナを忘れようと苦悩する。そんな彼を心配したシモンとウィレムに連れられて訪れた酒場でクォートはデナと偶然再会し、アンブローズとは知人に紹介されただけの関係だとわかる。ただそのとき、大事な指輪をアンブローズに預けたが返してくれないのだとも。クォートは指輪を取り返すため、アンブローズが宿泊する金の仔馬亭の部屋に忍びこむが!?
現代日本SF第一世代作家6人の傑作選を日下三蔵の編集により刊行するシリーズ。第1期完結篇の第6弾は、『産霊山秘録』『妖星伝』などの伝奇SFで知られる半村良。長篇『石の血脈』の原型たる「赤い酒場を訪れたまえ」や「わがふるさとは黄泉の国」など、日常の影に蠢く別世界を幻想味溢れる筆致で描いた初期作品や、過去へ跳ばされた自衛隊の壮絶な運命を描いた『戦国自衛隊』など、卓越した語りの全12篇を収録。
CIA分析官ヴィヴは、米国に潜むロシア工作員の調査に心血を注いでいた。二年に及ぶ暗闘の末、ついにその手がかりを掴んだヴィヴ。だが目にした機密画像に衝撃を受け、彼女は当局への報告をためらう。なぜならロシア側の重要人物として映し出されたのはヴィヴの夫、マットだったのだ!最愛の人物の裏面を知った彼女は決断を迫られる。夫を告発するか、国家を裏切るのか?CIA出身の著者による迫真の諜報スリラー。
明智小五郎、少年探偵団、そして怪人二十面相…。いまだ多くの人々を魅了し続ける、江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズ。彼らの対決に胸を躍らせた、現代を代表する豪華ミステリ作家陣が集結し、愛と情熱を込めて書き上げた、珠玉のオマージュ小説アンソロジー第2弾!
小学生の陽一は、傷ついたカラスの幼鳥を「ジョンソン」と名付け、母と暮らす団地でこっそり飼い始める。次第に元気になっていくジョンソン。だが、「飼ってはならない鳥」はやがて、人間たちの過酷な仕打ちを受けることにー。少年の素朴な生命愛が胸を打つ現代の神話。
藤田しぐさは、突然末期ガンと告げられた父の現実に戸惑いながら、家族という形に改めて向き合う…。ガンの発覚から最期に至るまでの父と家族の姿を記録し、国内外で高く評価されたドキュメンタリー映画『エンディングノート』の監督が描く、父を見送る娘の物語。
突如億万長者となった男の、お金をめぐる30日間の大冒険。宝くじで3億円を当てた図書館司書の一男。不安に襲われた一男は、大富豪となった親友・九十九のもとを15年ぶりに訪ねる。だがその直後、九十九が3億円と共に失踪したー。人間にとってお金とは何か?「億男」になった一男にとっての幸せとは何か?九十九が抱える秘密と「お金と幸せの答え」とは?