2018年6月発売
漫才劇『ロミオとジュリエット』は学校内外で人気となった。秋本はコンビ続行を熱望し「ロミジュリ」をサポートする仲間との結束も深まる。仲間内で歩が恋した、秋本の幼馴染メグは幼いころから彼が好きで、なぜか猛烈に歩のことをライバル視してくる。複雑な三角関係に悩む歩。やがて受験や卒業シーズンを迎え、みんな一緒に高校に行くのだと信じていた歩たちだったが…。笑いと涙で爽やかに描いた、少年たちの物語。
恋人にふられ、やりがいのない仕事に追われていた潤は、夏祭りで気まぐれにすくった琉金にリュウと名をつけた。その夜、部屋に赤い衣をまとった謎の美女が現れ、潤に問いかける。「どこだ」。どうやら金魚の化身らしい彼女は誰かを捜しているようだが、肝心な記憶を失い途方に暮れていた。突然始まった奇妙な同居生活に、潤はだんだん幸せを感じるように。しかし彼女にはある秘密があった。温かくて切ない、ひと夏の運命の物語。
「わたしの最大の罪は、男たちが動かしている世界にあって自由で自立した女だったということ」-。1917年10月15日、パリ。第一次大戦下のフランスで、謎に包まれた一人の女性、マタ・ハリが、二重スパイの罪で銃殺刑となった。彼女は本当にスパイだったのか。世界的ベストセラー作家が、多くの史料にあたりながら、その美貌と妖艶な踊りで多くの男たちを虜にした女性の、悲しくも激しい数奇な人生を描いた話題作。
叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」(「屋根裏に」)。ある雨の日、鈴の音とともに袋小路に佇んでいたのは、黒い和服の女。あれも、いない人?(「雨の鈴」)。人気絶頂の著者が存分に腕をふるった、じわじわくる恐怖、極上のエンタテインメント小説。
皇帝パルパティーン、またの名をダース・シディアスによる支配が始まる47標準年まえ。シス卿ダース・プレイガスは不死を可能とする方法の研究に取り憑かれていた。師を殺したあと、弟子を探し求めていたプレイガスは、惑星ナブーで17歳の学生パルパティーンと出会う。邪悪なパルパティーンに魅了されたプレイガスは、言葉巧みに彼を誘導し、弟子にとる。彼らは共和国を倒し、ジェダイを滅ぼす計画を進めていく。
パルパティーンを政治の表舞台で活躍させ、自身はダマスク・ホールディングスの社長して莫大な財力を築き、政治と経済を自在に動かすプレイガス。彼はジェダイ・マスターのドゥークーとサイフォ=ディアスに目をつけ、計画のコマとして利用しようと考える。不死のかなめ、ミディ=クロリアンを操る実験にも何度か成功し、生命も銀河も、すべての支配が目前にあると思っていたプレイガスだったが…。
中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。分身を描き込むと絵の世界に入り込めることを知った真は、同級生で美術部員の珠美に制作を依頼。絵の世界にいたのは、塔に閉じ込められたひとりの少女だった。彼女は誰か。何故この世界は描かれたのか。同じ探索者で大人のパクさんと謎を追う中、3人は10年前に現実の世界で起きた失踪事件が関係していることを知る。現実を生きるあなたに贈る、宮部みゆき渾身の冒険小説!
彩雲国の王、紫劉輝の特別措置で、杜影月とともに茶州州牧に任ぜられた紅秀麗。新米官吏にはありえない破格の出世だが、赴任先の茶州は今もっとも荒れている地。末席ながら彩七家に名を連ねる豪族茶家と、州府の官吏たちが睨み合う、一触即発の状態が続いていた。万が一を考え、隠密の旅にて茶州を目指す秀麗一行。だが、そんなにうまく事が運ぶはずもなく、次々と想定外の事態に陥り!?急展開のシリーズ第4弾!
検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。ホテルの密室で男女の痴情のもつれが引き起こした刺殺事件。現場の状況証拠などから被告人は有罪が濃厚とされていた。それにもかかわらず、佐方は弁護を引き受けた。「面白くなりそう」だから。佐方は法廷で若手敏腕検事・真生と対峙しながら事件の裏に隠された真相を手繰り寄せていく。やがて7年前に起きたある交通事故との関連が明らかになり…。
中学校にはいろいろな生徒がいる。自分を変えられるような部活を探す千鶴、人気者になりたいのにキツいツッコミで女子を敵に回してしまう蒼太、初めてできた親友と恋敵になるかもしれないと焦る里緒…。小さなことで悩んだり、なんでもないことが笑ったりした、かけがえのない一瞬のまぶしさがよみがえる。北見第二中学校1年A組の1年間をクラスメイツ24人の視点でリレーのようにつなぐ、青春連作短編集。
目立つためだけに指揮者を引き受けた心平は、合唱コンクールを成功に導けるのか。持久走大会の裏で行われた里緒とアリスのある賭けの行方は。そして迎えた修了式、委員長のヒロはこの日もクラスの問題に頭を抱えていたがー。毎日顔を合わせていてもまだまだ知らないことがある。イベントとトラブルが盛りだくさんの1年A組後半戦、クラス全員が主人公となって繰り広げられる、ひとりひとりの成長物語、完結!
昭和十九年五月、津軽風土記の執筆依頼を受けた太宰は、三週間かけて津軽地方を一周した。生家と義絶して以来、帰るのを憚っていた故郷ー。懐かしい風土と素朴な人柄に触れ、自らにも流れる津軽人気質を発見する旅は、「忘れ得ぬ人たち」との交歓の日々でもあった。やがて、旅の最後に、子守・たけと三十年ぶりに再会を果たし…。自己を見つめ直し、宿命の地・津軽への思いを素直に綴った名紀行文。
『dele.LIFE』は依頼人が死んだときに動き出す。託された秘密のデータを削除するのが、この会社の仕事だ。所長の圭司の指示を受け依頼人の死亡確認をする祐太郎は、この世と繋がる一筋の縁を切るような仕事に、いまだ割り切れないものを感じていた。ある日祐太郎の妹・鈴が通っていた大学病院の元教授から依頼が舞い込む。新薬の治験中に死んだ鈴。その真相に2人は近づくが…記憶と記録をめぐるミステリ、待望の第2弾。
日雇いで暮らす阿Qは、周囲にバカにされひどい目に遭わされても、一種の精神的勝利法で問題から目を逸らしていたー。当時の中国社会を痛烈に風刺し、社会変革を目指した魯迅の代表作。辛亥革命の失敗点を暴き、民族的決意を促そうとした表題作で、魯迅は文学史にその名を刻んだ。ほかに、デビュー作「狂人日記」、終生の師を描いた「藤野先生」、「孔乙己」「小さな事件」「故郷」「家鴨の喜劇」「孤独者」「眉間尺」を収録。
兵庫県芦屋市。夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」の一同は、夏バテ払拭のため、初めての極上ビフテキに舌つづみ。そんな中、店員で元俳優の海里は、小説家の淡海から不意に問いかけられる。「もう一度、役者の道に戻りたくはないかい?」複雑な想いで否定した海里だが、後輩の役者、李英に頼まれて、芝居の読み合わせに付き合うことに。しかし練習場所に、名も無き役者の幽霊が現れて…。コスパ最高!癒し系お料理青春小説第10弾!
かなわないー。天才肌の彼女に惹かれた美大生の葛藤。書いた原稿がそのまま自分の夢で再現される不思議な現象にのめりこんでいく小説家の後悔。幼なじみの秘密を知り、彼との接し方がわからなくなってしまった男子中学生の苦悩。自分の心に正直でいたいだけなのに。誰もが胸に抱える生ぎづらさを鮮烈に切り取った、著者初の短編集。単行本未収録作品であるタイムリープSF「おれさまのいうとおり」を加えた全7編。
小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊のくんちゃんのもとに生まれたばかりの妹がやってきます。両親の愛情を奪われ、戸惑うばかり。そんな時、くんちゃんは未来からきた妹・ミライちゃんと出会いました。彼女に導かれ、時をこえた冒険へ旅立ちます。むかし王子だったと名乗る謎の男、幼い頃の母、父の面影を持つ青年。様々な出会いを経て、くんちゃんが辿り着く場所とは?細田守監督が書き下ろす原作小説!
「奥様、ご在宅でしょうか?」妻の葬儀のあった夜、見知らぬ女が訪ねてきた。その日を境に、大学教授の私の身の回りで不穏な事件がたて続く。巻き込まれた大学総長選で怪文書が飛び出し、近所のゴミ集積場では変死体が発見されたのだ。総長選で暗躍する同僚、専任講師の美しい義妹、近所に目を光らす隣人。違和感のある知人たちの行動は奇妙につながり、不気味な出来事が私に降りかかるー。悪夢へと誘う、戦慄のサスペンス。
百物語の十回目ーー最後の話を読み終えた時、これまでシリーズで書かれた物の怪の類があなたをじっと見ているかもしれない……。著者が体験、取材した実話をもとに恐怖を描く人気シリーズ、ついに最終巻!