2018年7月19日発売
トリョラの町は敗北こそ免れたものの、戦争の爪痕が深く残り荒れ果てていた。義勇軍の代表として住民から恨まれていたセイギは、役人たちに戦争の責任を押し付けられそうになってしまう。そんなセイギが会議で提案したのは、トリョラの再建計画だった。莫大な資金は私財を投じると主張し、セイギを庇うハイジの後押しもあり、再建計画は進められていく。しかし、ひどい資金繰りに加え、命を狙われ続ける日々。街には違法な麻薬が横行し始め、治安は悪化していくばかり。追い詰められていくセイギは、大陸屈指の大商会の代表・クーンに融資を求めるのだがー。嘘とハッタリで生き延びる、信用ならない語り手が紡ぐダークファンタジー。
村上ひまり、高校二年生。陸上部のエースでチョコが好きな元気な少女。しかしある日、部活中に倒れてしまい、病院で、とある病に侵されていると告げられる。余命は一年。幼馴染みで恋人でもある森恭介を悲しませたくないひまりは病のことを隠して別れを切り出すが、絶対に嫌だと拒否されてしまう。二人は平行線のまま、刻一刻と残された時間は過ぎていきー瑞々しい高校生の愛の奇跡を描く、感動の純愛小説!!!
ルーナの記憶は戻らず、ユアンも子供に返ったままだったが、カズキ達はガリザザ行きの船上でそれなりに平穏に過ごしていた。しかし突然の嵐によって船は難破。次に目を覚ましたときには、何故かガリザザのの兵士とともに囚われていた。皇子ディナストは、罠に人間を嵌めて上から見学する遊戯にハマっているとのこと。とんでもなく悪趣味な事態に巻き込まれたものの、アリスとルーナの持ち前の運動神経により、一同は何とか試練をクリアしていく。しかし、同じ闘技場に囚われた仲間だと思っていた男たちに、突如として剣を突きつけられてしまいー。
『岸辺露伴は動かない』短編小説集! 杜王町在住の漫画家・岸辺露伴。漫画のためにあらゆる犠牲も厭わない彼が遭遇する奇妙な事件とは!? 『UJ(ウルトラジャンプ)』付録の3編+書き下ろしの、全4編を収録!
二百年前の怨敵・ドーミリオネを人知れず倒し、都市に持ち込まれた陰謀を密かに凌いだランベールの物語は、次の都市へと向かってた。その目的は『笛吹き悪魔』という禁魔術組織の情報収集である。死してなお、レギオス王国への忠義心を忘れぬ超英雄ランベールは、王国への危機を全て滅ぼす覚悟を持つ。そんな彼の前に現れる『笛吹き悪魔』の八賢人が一角。それは、かつてランベールが討ち果たした、史上最悪の錬金術師ガイロフの魔導書を操る魔術師だった!最強のアンデッドナイトが繰り広げる、再英雄譚。堂々の第二弾!!
東京のとある町に事務所を構えるヤクザの親分・阿岐本雄蔵は、困った人をほっとけない上、文化事業好きな性格が困りもの。そのせいで組員たちは、これまで出版社、高校、病院などの経営再建に携わる羽目になってきた。今度の舞台は赤坂の路地裏にある古びた銭湯!世の中どんどん世知辛くなって、ヤクザ稼業も楽じゃないが、阿岐本、代貸・日村はじめ個性的な面々は、銭湯にお客を取り戻すことができるのか!?
銀河系船団所属のカラック船“ボサ・コヴァ”が、惑星バジス=1にもどってきた。ところが、乗員たちはまるで幽霊でも見たように茫然自失の状態だ。やがて、バジス=1にいたほかの艦船の乗員たちも奇妙な衝動にかられて支離滅裂な行動をとりはじめ、ローダンやアトランは不審に思う。そのうち、“バジス”に同乗していたシグリド人たちが船を出てどこかへ向かった。サイバネティカーのフラガン・タインがあとを追うが…
アルコン人との遭遇を契機に、宇宙時代の到来を確信したローダンが、己の理想を実現させるべく建国したテラニア。しかし世界はいまだ彼らに対して毀誉褒貶相半ばしていた。ローダンたちは米軍に接収されたままのアルコン製宇宙船を奪還するべく、アルコンの超技術で大統領一行に成りすまし米国領に侵入するがー世界最長スペースオペラのリブート新シリーズ、外宇宙ヴェガ星系へ飛翔する新シーズン開幕!
セラピストのジェイクと弁護士のアリスは、友人知人に祝福されながら結婚式を挙げた。その式に招待した実業家夫妻が、奇妙な結婚祝いを贈ってくる。それは“協定”と書かれた箱におさまった契約書とマニュアルだった。やがて、ハネムーンを終えた二人のもとに使者がやってくる。“協定”とは結婚を永続させるための組織だった。気軽に“協定”に同意した二人は平穏な結婚生活を送るかに見えたが…奇抜な設定によるスリラー。
どんな夫婦にもあることだが、ジェイクとアリスの結婚生活にもさまざまな軋轢が発生する。弁護士の仕事に追われるアリスとのすれ違いが重なったとき“協定”はその真の姿を見せ、牙を剥いた。些細な規則違反をとがめることから徐々にエスカレートする“協定”の刑罰。なんとか“協定”から逃れようとするジェイクとアリスだが…結婚とは何か?夫婦の絆とは?幸福とは?すべての男女に問いかける、結婚サスペンス。
太陽がさんさんと輝き、羊たちが山で気ままに草を食む夏。羊飼いたちのプライドをかけた競売市が開かれ、一年で一番の稼ぎ時となる秋。過酷な雪や寒さのなか、羊を死なせないように駆け回る冬。何百匹もの子羊が生まれる春。600年以上つづく羊飼いの家系に生まれ、オックスフォード大学に学んだ著者が、一家の歴史をたどりながら、厳しくも豊かな農場の伝統的な生活、そして湖水地方の真実をつづる。
連邦警察官フォークは二十年ぶりに生まれ育った町へ帰ってきた。旧友のルークが自殺を遂げたと聞きつけたのだ。妻子を道連れに、なぜか赤ん坊を一人残してー。ルークの親から心中事件の真相究明を依頼されたフォークは、干魃にあえぐ灼熱の町で、自身の秘めた過去とも向き合うことに…。新人離れした文章力と卓越したストーリーテリングで世界中から絶賛されたオーストラリア・ミステリ。英国推理作家協会賞受賞作!
二十歳の夏、僕は一度も出会ったことのない女の子と再会した。架空の青春時代、架空の夏、架空の幼馴染。夏凪灯花は記憶改変技術によって僕の脳に植えつけられた“義憶”の中だけの存在であり、実在しない人物のはずだった。「君は、色んなことを忘れてるんだよ」と彼女は寂しげに笑う。「でもね、それは多分、忘れる必要があったからなの」これは恋の話だ。その恋は、出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた。
人間の眠りの世界〈ナイトランド〉で人の精神に寄生しようとする睡獣と、夢に侵入して自由に動けるスリープウォーカーという特殊能力者たちの戦いが続く現代日本。不眠症の女子高生・帆影沙耶はスリープウォーカーの金春ひつじと夢の中で恋人として出逢うーー
月が七つに分裂した日から二年がたった。無数の月の破片の落下“ハード・レイン”による地球滅亡の危機に、人類という種を残すため、宇宙ステーションを核とした“クラウド・アーク”が急造され、選ばれた若者たちと生活に必要な物資、そして数々の人類の遺産が送りこまれている。そんななか予測どおり“ハード・レイン”が始まった。地球は死の世界と化し、人類の生き残りは“クラウド・アーク”の千五百人だけとなった。だが、彼らは思想の違いから二つの派閥に分裂していく。そこに彗星に向かった探査チームの宇宙船が巨大な氷塊とともに帰還するがー近未来宇宙開発ハードSF大作、第二弾!
「廃墟趣味」に溢れた佐藤春夫の柔軟自在でありながら強靱な物語!現代仮名遣いによって甦る稲垣足穂、山之口獏、太宰治、堀口大學との交流秘話小説。佐藤春夫を一言で表せば「ノンシャラン」。ふつう「無頓着」とか「暢気」とか「だらしない」とか、褒め言葉には向かない語だが、でも「そういう気楽さで暮らせたらいいな」とちょっと憧れてしまうところのある境地を指す。都市文化に蔓延していた大衆に迎合せず、時流に迎合してふらふらしてしまう世間一般に比べたら、まことに凛としていたし、「ここではない何処か」を常に求めていた「ノンシャラン佐藤春夫」の小説世界が新たに。