2018年9月発売
リンクスはマリエラを守り、地脈に還った。残された者は自らの無力を嘆き、友の死を乗り越えられずにいた。-哀しみにくれる『木漏れ日』に迫る、人ならざる強大な魔力にも、気づくことはなかった。200年の眠りから覚めた『炎災の賢者』の正体とは?『迷宮都市』を襲う『錬金術師誘拐事件』の目的とは?-そして明かされる、『迷宮』と『エンダルジア王国崩壊』の真実!!
かつて六軒島で使用人として過ごしていた少女は、やがて魔女「ベアトリーチェ」へと姿を変える。そしてその魔女は、異なる3組の恋心を引き金に、残忍な魔女へと姿を変える。愛が引き金となる惨劇の真相は、愛がなければ視えない。
女医の及川夏未は、東京の大学病院での研究者生活に挫折し、北関東の地元に戻って来た。過疎化が進み、外国人労働者の増加が目立つ地元では、町おこしの目玉にと、地元産の食肉を商品化しようとする動きが進んでいた。そんな中、謎のウイルス感染死が連続して起こる。独自に調査を始めた夏未を妨害する出来事が次々に起こり…。感染源は何か、そしてその裏側に何があるのか!
「私たちに、間違ったことを教えないでくださいー。」ひょんなことから母校の講演会に招かれた28歳のホテルマン・翔太。持ち前のサービス精神で自身の人生哲学を語り、好評を得る。その後、教室で思い出に浸っていると、不意に声をかけられる。その声の主は、数学オタクの孤独な女子高生・詩織だったー。
「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて…。現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作。
池袋の雑居ビルで若者が飛びおり自殺を図る。彼は急成長したチェーン店の従業員だった。無能の烙印を押され、退職を強要された末にヤケになった若者。そして、次の犠牲者がー。耳触りのいい言葉で若者を洗脳し、つかい潰すブラック企業の闇に、マコトとタカシが斬りこむ!表題作ほか3篇を収録のIWGPシリーズ第12作。
あれから六年、大学を卒業した早苗は結婚。就職が決まらぬ香織は、道場での指導の日々を送っていたが、玄明先生が倒れ、道場に後継者問題が…。香織と早苗それぞれの方法で道場を守ろうと奮闘する姿を描く「武士道」サーガ第四弾。はたして、この勝負、如何にー。番外編の「美酒道コンペティション」と書店員座談会も特別収録。
若き体育会系文芸編集者の美希。ある日、新人賞の候補者に電話をかけたが、その人は応募していないという。何が起きたか見当もつかない美希が、高校教師の父親にこの謎を話すと…(「夢の風車」)。仕事に燃える娘と、抜群の知的推理力を誇る父が、出版界で起きる「日常の謎」に挑む新感覚名探偵シリーズ。
あの日、私はあと十五分も土手でぼんやりしていたら、津波に呑まれていたかもしれない。奇跡のような十五分に恵まれた自分と、そうでない人とを比べて思うー。福島県の実家で震災に遭遇した女性の実人生に基づく表題作をはじめ、ままならない人生を直視する市井の人々を描いた大人のための名品14篇。芸術選奨文部科学大臣賞受賞作。
「週刊千石」の事件班に異動になった入社二年目の信田日向子24歳。「絶対無理!」怯える気持ちを押し隠し、未解決の殺人事件にアイドルのスキャンダル写真etc.、日本の最前線をかけめぐる!記者仲間や他部署の同期、取材で出会う人たちと現実の仕事をする中、日向子は週刊誌記者としての意義を見出していく。
警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」の館長・緋色冴子はコミュニケーション能力は皆無だが、ずば抜けた推理力を持つ美女。そんな冴子の手足となって捜査を行うのは、部下の寺田聡。過去の事件の遺留品や資料を元に、難事件に挑む二人が立ち向かった先はー。予測不能なトリック駆使、著者渾身の最高傑作!
生態系が一変した未来の地球、その熱帯雨林で少女は暮らす。“カナピウム”と呼ばれる地上四十メートルの林冠部には多彩な動植物が集まり、少女たちは彼らが発散する匂いを手掛かりに、しなやかに樹上を跳び回る。ある日やってきた旅の者たち、そして森に与えられた試練。少女の季節は大人へと巡っていく。
ありすが暮らし始めた、京都によく似た不思議な町「京洛の森」。ある日想い人の蓮が老人になり戸惑うありすは、町に迷い込み同じく突然年老いた女性たちと出会う。この町で存在するためには、大事なルールがあるが、彼らはそれに反してしまったようなのだ。かつて同じように老人化したありすは彼らを救うことができるのか?