2018年発売
新入部員を迎えた瑞沢高校かるた部。全国制覇に向け、予選から部員一丸となって戦うはずだったがー試合当日、千早は太一の突然の退部を知りショックを受ける。進路に、恋に、自分の目指すべき姿に迷う、高校最後の夏。千早、太一、新は再びかるたで繋がれるのか。青春をすべて懸けた一途な情熱の物語、完結!
貧乏御家人の婿養子になった野依駿平は、お家を守るために幼馴染みの智次郎とお役めぐりを始める。無役無勤の小普請組を振り出しに、同朋衆、徒組、奥右筆、果ては長崎奉行にまで体当たり。算術や剣術、水練はもちろん、上役への朝駆けや付届けにも抜かりがあってはならない。これってまるで…。お仕事時代小説決定版!
初老の弁護士が全裸で緊縛、猿轡されたまま、遺体で発見された。容疑者は新進気鋭のギタリスト。貧しい少年時代を過ごした彼には、しかるべき動機があった。その直後、またも彼と因縁深い弁護士が同じ手口で殺害された。ロンドンを舞台に、容疑者、被害者、関係者の、錯綜した過去が解き明かされる人間ドラマ。
福岡藩士の子として生まれた團琢磨は、明治初期の米国MIT留学で鉱山学を修め、苦難の末に三井三池炭鉱の基礎を築く。群馬の山村に生まれ、悩み深き青春時代を過ごした井上四郎(日召)は、新天地を求めて満州に渡る。まるで光と影のような二つの熱い魂が、近代日本の悲劇「血盟団事件」を引き起こすまで。
財界の頂点と徒手空拳の宗教家。国を憂う気持ちは同じでも、團と日召の立場はあまりに対照的だった。戦争、震災を経て、社会不安が広がった時代に、日召は革命を目指して「一人一殺」を掲げ、体制の象徴・琢磨を狙う。吉川英治文学新人賞&大藪春彦賞受賞作家が、近代日本の転換点となった大事件を描き尽くす。
信平の下城中、とんでもない暴れ馬が現れ町は騒然、逃げる馬を怪力の家来・佐吉がやっとの事でつかまえる。馬の持ち主は弟の借金を返すため馬を売りに来たという無役の貧乏旗本。借金取りに脅され身体は痣だらけなのに仔細を話さず信平は訝しむ。馬が暴れた真相は如何に?絶好調「公家武者シリーズ」第二弾!
不倫、恫喝、逆ギレ、云々(でんでん?)、未曾有(みぞうゆう!)、無教養?政治家にも資格試験を!立法・司法・行政の三権のうち、中央省庁の役人も裁判官も、超難関の試験を通っている。なのに、一番大切な立法府を構成する国会議員には試験がないのは、おかしくないか?国会議員の在り方に一石を投じる問題作。
突如、世界中で株価が暴落して大不況に。食糧を巡り国内でも略奪・暴動が横行ー二〇二九年、半年後に開かれるウェブ万博「日本館」企画部に出向した別所暉は、恐るべき光景を目撃した。日本館の目玉企画として披露されるスーパーコンピュータによる未来予測が、どう転んでも「恐慌」だったのだ。何かの間違いでは?万博協会の上層部は製作サイドに苦言を呈するが…。
恋人に捨てられ、絵が描けなくなった日本画家の沢井西陽は十年前に家出同然で飛び出した故郷に戻る。かつて活気があった商店街はすっかり寂れ、光を失っていた。変わり果てた街で唯一待っていてくれたのは、飼い主はいないけれど、みんなに可愛がられている不思議な犬“ブック”だった。人々はなぜか“彼”の前だと素直になれて…。一途な犬の愛に満ちた心温まる物語。
算盤の腕を買われ神田青物市場に職を得た唐木市兵衛は、高熱の童女を助けたことから浪人親子と親しくなる。そんな折、吉野山金峯山寺から修験者が市兵衛を訪ねてきた。祖父・忠左右衛門に縁をもち、市兵衛も知らない出自を明かすという。逡巡の末、市兵衛は急遽、吉野へ。一方、江戸では一刀のもとに首を刎ねる連続強盗が発生。だが、犯行の手掛かりは掴めず…。
蕎麦を打つ手に、力が籠る。柔らかだけれど、こしのある蕎麦。その蕎麦が、大切な人たちと結びつけてくれた。しなやかだけれど、決して途切れない縁をー。そう料理に感謝する縄のれんの女将お園を、かつての店の居候里江が訪ねてきた。再会を喜び合う二人。そんな中、常連の吉之進のはとこという娘が、お園を目の敵にし始めて…。心づくしが胸を打つ絶品料理帖。
江戸の空に放たれた一本の矢。それは律儀な魚売りの命を奪った。北町奉行所同心鷲津軍兵衛は、矢の作りから、大身旗本を疑う。すると、手先の下っ引を同じ矢が襲い、軍兵衛も柳条流の遣い手の旗本家用人と対する。その折、一家皆殺しの残忍な押込み一味の潜伏が知れ…。軍兵衛は旗本を裁けるか?凶賊を捕えられるか?八丁堀同心の心意気が胸に響く捕物帖。
侍に斬り付けられた江戸近在鎌伝村の村役を救ったのは、人宿「相州屋」の寄子、羅宇屋の仁左だった。その少し前、相州屋の主忠吾郎は「狐の徘徊を赦さない」という妙な高札が鎌田村にあると聞く。やがて、村で年貢を搾り取り、逃散する村民を斬り捨てる、残虐で過酷な暴政が明らかに…。怒りを秘め忠吾郎ら“影走り”が立ち上がる。奉行が裁けぬ悪を討つ、第六弾。
「人も同じ、身分は違えども煙草の銘柄ほどのもの」煙管の吸い口を見つめ、平蔵は人の儚き生を思い、正義と悪との境を憂えていたー。京都西町奉行長谷川平蔵は、火を用いた奇っ怪な連続殺人を止めるため、最も頼りにする江戸の火消、松永源吾を京に呼ぶ。源吾は平蔵の息子・銕三郎と真相に迫るが、やがて銕三郎が暴走しー。勇壮な男たちが京の街を駆け抜ける!
竹花のパリ時代の旧友で、有名作家の国分英二郎の遺体が軽井沢の別荘で発見された。警察は自殺と決めつけ、事件とはならなかったが、竹花は現場の状況に違和感を覚えた。やはり自殺を疑う国分の娘・麗子の依頼で調査を開始した竹花だったが、事態は意外な展開に!圧巻の長編ハードボイルド!
同棲している彼女・桃里から、無差別殺傷事件を起こした犯人に似ていると言われた蒼太は、どこが似ているのか気になり、殺人犯との類似点を探っていく…。-蒼太と桃里が交互に語る二人の日常は、一見平穏。だが物語が進むにつれ、日常は不穏なものになり、蒼太の違う一面が見えてくる。果たして桃里は?巧みな心理描写に、一気読み必至の長編ミステリー。
“神様”の棲む社のあったハルばあさんの家が解体されるということで、瑛太はお秡いの手伝いをすることになった。瑛太はそこで、ハルばあさんの使い古された手帳を手に入れる。夏休み、瑛太と薫は、薫の祖母と三兄の住む九州への旅行に乗じて、神社巡りをすることに。まず向かったのが、筥崎八幡宮と太宰府天満宮。果たしてそこで謎は解決するのか…幼馴染二人と“神様”の名前探しの奇妙な旅、第二弾。
陰陽師学校を優秀な成績で卒業した新米陰陽師、大春日拓也。人々を苦しめる悪霊たちと戦うべく、花形である京都や鎌倉での仕事を希望していた彼だったが…配属先は、まさかの東京・八王子の電気店だった!しかもその店には、人間たちの暮らしにあこがれる「神様」や「あやかし」たちが次々とやってきてー。美顔器を愛用するのっぺらぼうに、スマホを契約する神様まで!?不思議な客が集う、街の小さな電気店を舞台にした笑って泣けるあやかしドラマ!!
『望んだ物が何でも手に入る』不思議な館に囚われた12人の男女に襲い来る惨劇。何者かの凶刃によって、一人、また一人と増えていく犠牲者。犯人は誰なのか。事件の真相は?“究極の飽和状態”が生み出す、惨劇と絆の物語『飽食の館』下巻。過去の館での出来事を描く『エピソード0』、犯人サイドの視点で描く短編『リバース・エッジ』も収録。超人気サスペンス・ホラーゲーム、待望の小説化。