2019年1月16日発売
同期のライバルも立て直しに失敗した三友銀行最難関の支店、飯田橋支店の新支店長を副頭取に命じられた片岡史郎。そこは、吸収合併した信用金庫の旧本店だった。社風も目標達成への厳しさもなにもかも違うところで、闘う支店長として銀行マンとして自ら先頭に立ち、押し寄せる難題に立ち向かう片岡だが!?
思想入り乱れる動乱の幕末。許嫁の敵討ちと狙われる志士の私信を元に、人の世の儚さを流麗に綴る表題作「失蝶記」。桜田門外の変を水戸藩藩士の視点から語る異色作「染血桜田門外」、戊辰戦争、甲州勝沼の戦いを背景に描く傑作「米の武士道」など八篇。人心揺れる世に、変わらぬものとは。傑作幕末短篇小説集。
社内で無能の烙印を押された五十人がひとつの部署に集められた。三有不動産首都圏特販部。その本部長を命じられたのが、篠田洋だった。不動産不況の中、売り捌けるはずのない物件と到底不可能な販売目標を押しつけられ、解雇の瀬戸際にまで追い込まれた五十人を守れるか。篠田の絶望的な闘いが始まった!
唯一の家族だった母を亡くした明日香は、遺品から一通の出されなかった手紙を見つける。宛名は「林鋭生様」。それが将棋の真剣師の名だと知り、明日香は林を捜すことに。「新世界の昇り龍」と呼ばれ、ある対局後に、忽然と姿を消したという男と母との関係は。昭和を生きた男女の切なさと強さを描いた傑作。ドラマで林鋭生を演じる石橋蓮司さん×塩田武士さん巻末特別対談を収録!!
21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に抜擢された期待の女性弁護士・松岡千紗。しかし、千紗はその事件で監禁された少女の一人だった。間一髪で自分を殺めたかも知れない容疑者に千紗は敢然と対峙する。罪を作り出す罪、「冤罪」法廷が迎える衝撃の結末。大ベストセラー『雪冤』を超える傑作。
芸者がゆきかう花街の用心棒として頼りにされる九頭竜覚山。三人の刺客に、刃引の脇差と樫の八角棒で対するが、手疵を負い、妻よねに心配をかける。同じ夜、殺しが二件あった。一件は辻斬。袈裟懸けの一刀。もう一つは強盗。寺町通りの料理屋の若旦那が殺された。深川人情シリーズ、第三弾!
運命が運び、連れ戻すところに、われわれは従おうー。1789年、フランス革命によって階級制度は崩壊し、ピエール(貴族)、ローラン(商人)、コレット(平民)の運命は変転する。三人は、革命期の不条理によって負った「傷」への代償として、復讐を試みるが。小説の女王が描く壮大で企みに満ちた歴史ミステリー。
大雪に慌てる江戸。帰路を失った北町御番所の同心への見舞酒に毒が盛られていた。さらに御番所の前に置かれた雪だるまの中から死体が!探索に出た新八郎だが、そこには賄賂の横行、私利私欲の政治に翻弄される旗本たちの姿が。幕府の威信を揺るがす事件の陰にある出来事とは!?御用帳シリーズ堂々の完結!
二億円の絵が一夜にして二百万円に急落。鑑定人は、忘却探偵・掟上今日子。しかし、絵がすり替えられた形跡もなければ、今日子さんには記憶もない。美術館警備員・守の依頼を受けて看破した真相は、さらなるアートな難事件を巻き起こす!彼女と過ごす時間はいつだって最初で最後。「忘却探偵シリーズ」第2巻。
かつて卑劣な手段で西田を放逐した、全米第二位の巨大投資銀行が、国際的な金融ショックで青息吐息に。ジャパンマネーに縋ろうとする投資銀行は、米製薬会社の日本法人に勤める西田に接触するがー裏切りが横行し、欲望が渦巻く国際金融戦争に、果敢に立ち向かう若き経済人の大逆転劇!
武蔵屋分家の小売り酒屋を任されている次兄次郎兵衛は見栄っ張り。旗本御用達になれる甘言に乗り、つぶれかけた酒屋の借金の保証人になってしまった。月々ふくらむ法外な利息。妾腹三男の手代卯吉は、新酒「稲飛」の売り出しに奔走していたが、その支払金を次郎兵衛の借金に充てることになり!?
即位後、専横を強める白河帝は、先帝との約束を違えて実子に譲位し院政を始める。帝位を逃した皇弟は隠棲する。一方、平正盛を経て院に預けられたたまきは、道子のおかげで皇弟と邂逅するも、すぐに出奔。院の許へ連れ戻され、とびぬけた寵愛を受けて「祇園女御」と呼ばれるように…。傑作長編歴史小説・後編。
元浜町の閻魔長屋に住む青山麟太郎は、閻魔堂赤鬼を名乗る若い戯作者である。蔦屋重三郎亡き「蔦屋」の二代目、お蔦から絵草紙の催促を受けるほかは、いたって気楽な日々。そのお蔦から、東洲斎写楽らしい大首絵が持ち込まれたと相談を受ける。絵は本物なのか、麟太郎は調べ始めるのだが!?
絶対に怯まない刑事・淵神律子を名指しで、身元不明の中年男が警視庁に出頭してきた。男のバッグに人体の一部やノートパソコンが入っており、その画面には生き埋めにされた若い女性の姿と四八時間後に酸素が無くなるカウントダウン表示が。姿を見せぬ狂悪犯にせまるタフヒロイン警察小説。
交番近くに置かれた不審なタオルには、血染めの文字が。ほどなく民家から血みどろの遺体が見つかり、タオルの血が絶命した男のものと判明。タオルを運んだ人物と疑われたのは、まだ九歳の子供だった。捜査を進める塔子らに謎の影が忍び寄る時、事件は急展開を見せるが。ドラマ化された人気警察シリーズの快作!