2019年10月29日発売
房総半島に工房を構える若手女性染色家、レイ・市東・ヴィラセニョール。父から継いだフィリピンの血と母からの日本。鮮烈な色が評価され始めた矢先、父は病身をおして祖国へ帰ると言いだす。何が彼を駆り立てるのか。染色の可能性を探求し、型にはまった「日本らしさ」に挑むレイが、苛酷な家族の歴史を知ったとき選択した道とは。美しく深みのある筆致で女性の闘いを描き出す傑作長編。
独り暮らしの初老男性が絞殺死体で発見された。捜査線上に浮上したのは家事代行業の地味な女性。女の周辺では、複数の六十代男性の不審死が報じられ、疑惑は濃厚になっていく。女は、男たちから次々に金を引き出していたのか。見え隠れする「中川綾子」という名前の謎とは。逮捕後も一貫して無実を訴える彼女だが、なぜか突如、黙秘に転じた…。判決の先まで目が離せない法廷小説の傑作。
全国紙記者の夢破れた野々村巡洋が入社した、北海タイムス。配属された整理部は、他紙の4倍の仕事量にして7分の1の年収だった。変人だらけの職場。連日の酒席。過酷な労働環境に厳しすぎる先輩。失望に加え、恋の終わりすら味わった野々村だが、あることを契機にプロフェッショナルとなる覚悟を決めるー。著者が身を置いた北海道の名門新聞社を舞台に描かれた、熱血度120%の長篇小説。
北日本のとある地方都市の一角に建つ、時間旅行者しか泊まることのできないなぞのホテル、「はなぞのホテル」。そこで働く新米の桜井千鶴は、このたびホテル系列の犬カフェへ出向して、過去や未来からやってくるお客様(徳川将軍からロボットまで!?)を必死でもてなすことに。けれど、闇ルートで違法時間旅行をする悪党の影が、彼女のドタバタで平和な日常に忍び寄りつつあった!時間旅行者が経営する犬カフェに勤める桜井千鶴のほっこりでどたばたなタイムトラベルミステリー。
どうか神様ーこの物語がハッピーエンドでありますように。「宝石病」の理奈と、受験を頑張る翔太の恋と青春の物語。読後、必ず読み返したくなる「泣ける」恋愛小説。
イギリス労働党に入党し政治家としての階段を上りつめていくサーシャ。ヴェトナム戦争を経てアメリカの経済界で伸し上がっていくアレックス。やがて二十世紀が終わる頃、二人の進路は何かに導かれたかのように同じ場所へと向っていく。そこには野望と怨念が渦巻く世界が待ち構えていた。果して両者の到達点はー現代史を背景に、人生の偶然と宿命を奇抜なスタイルで描き出す空前のサーガ。
大人気コーナー「ファミリースカッと」の感動エピソード10編を完全ノベライズ!家族のあたたかさに涙腺がゆるむ。