小説むすび | 2019年12月発売

2019年12月発売

久坂玄瑞全訳詩集久坂玄瑞全訳詩集

久坂玄瑞と高杉晋作は松下村塾で、吉田松陰の薫陶を受けた門下生のなかでの双璧である。  維新の変革期に、二人は身を挺して新しい時代をつくるべく奔走した志士であったが、ついに明治という近代国家の出現を見届けることなく、中途で倒れた。  玄瑞が蛤御門の変で討死にしたのは二十四歳。まことに短い生涯であったが、そのなかで、玄瑞はよく詩を賦した。  現存する彼の漢詩は三百三十余篇に及ぶが、その詩型は五・七言の絶句から律詩、さらに古詩にいたるまで自在によくこなした。日本の漢詩人の多くは作りやすい七言絶句を好む傾向にあるなかで、玄瑞はたしかに異能の漢詩人であった。しかも彼の詩心は深く、その詩才は高い。幕末維新期の最も傑出した詩人のひとりだとみてよいであろう。  高杉晋作もこの時代の気鋭な詩人であったことは、衆目の一致するところであるが、詩の表現に典故を巧みに使いこなす技倆においては、玄瑞の詩は晋作の詩をはるかにしのいでいた。若くして玄瑞は本格的な漢詩人の領域に到達していた。  玄瑞は自分の心につよく映るものがあれば、それを漢詩に表現し、自分の心を深く揺さぶるものがあれば、それを漢詩の姿に写し取っていくことにおいて、すこぶる熱心であった。それほどに玄瑞は自らが詩人であることに自覚的であったといえるであろう。  玄瑞の漢詩の典故表現ひとつをとりあげてみても、その学識教養は半端なものではない。それを誰から学んだのか。そこには蘭方医であった兄の玄機、玄機の友人の詩僧月性と中村九郎、そしてなによりも師の吉田松陰、口羽憂庵、さらには玄瑞が江戸に出向いた際に入門した芳野金陵などの指南が介在していたと考えられる。もうひとつ、玄瑞が二十歳過ぎたころに参加した「嚶鳴社」で漢詩作りの鍛錬を受け、そこには萩藩の学舎明倫館出身の名士たちがいて、その人たちから受けた影響も見逃せないであろう。  久坂玄瑞という詩人像は彼の天性の詩人としての資質と、こうした彼の青年期に培った学問の蓄積と詩作の鍛錬がなければ、実を結ぶことはなかったであろう。  西郷隆盛が維新政府の参議であったときに木戸孝允にむかって、「久坂先生がいまごろ存生なれば、お互いに参議などと威張ってはいられませんな」と語ったという。西郷は、「敬天愛人」の思想に徹した至誠の人であった。その西郷の玄瑞観である。玄瑞もまた至誠の人であった。  さてこの至誠の人玄瑞の詩三百三十余篇の一篇一篇の詩心を読み解いてきたのが、この『久坂玄瑞全訳詩集』である。  これに『久坂天籟詩文稿』を併録しているが、天籟は玄瑞の兄の久坂玄機の号である。玄機は緒方洪庵の適塾で塾頭をつとめたほどの蘭方医であったが、のちに萩毛利藩の藩医に招かれて早逝した。その遺文も併せて読み解くことにした。  なお、昨年は明治になってから百五十年の節目にあたり、また今年は記念すべき改元の年を迎えた。本書の刊行が久坂兄弟の新しい詩文研究に役に立ち、その人物事績にたいする再評価の端緒になることを心から願っている。(まえがきより)

ロマノフ王朝の秘宝を奪え!(上)ロマノフ王朝の秘宝を奪え!(上)

ファーゴ夫妻の元に、財団の調査主任セル マの親戚にあたる兄弟がモロッコで行方不 明になったとの知らせが舞い込む。二人が 調査していたのは第二次大戦後にナチスの 残党がヨーロッパから脱出する際に使用し た“逃走経路(ラットライン)”と呼ばれ るルートだった。現地に飛んだ夫妻は、謎 の勢力からの妨害を受けながらも、なんと か二人を無事救出することに成功。さらに は兄弟が調べていたナチスの墜落機にあっ た暗号の書かれた手紙と地図を手に入れる。 そこからは〈ロマノフの身代〉という言葉 が浮上して……。 Clive Cussler クライブ・カッスラー テレビ業界から作家に転身、1973年に架空の組織NUMA(国立海中海洋機関)に所属する特殊任務官ダーク・ピット・シリーズ第1作『海中密輸ルートを探れ』で作家デビュー。以後、同シリーズをはじめ、作品は世界的ベストセラーとなっている。印税をもとに実際にNUMAを設立し、多くの沈没船や行方不明船を発見している。 〈扶桑社ミステリーのC・カッスラー作品〉 ダーク・ピット・シリーズ  『黒海に消えた金塊を奪取せよ』上下 NUMAファイル・シリーズ  『粒子エネルギー兵器を破壊せよ』上下 探偵アイザック・ベル・シリーズ  『大追跡』『大破壊』『大諜報』各上下 オレゴン号シリーズ  『謀略のステルス艇を追撃せよ!』上下  『水中襲撃ドローン〈ピラニア〉を追え!』上下  『ハイテク艤装船の陰謀を叩け!』上下  『戦慄の魔薬〈タイフーン〉を掃滅せよ!』上下  『秘密結社の野望を阻止せよ!』上下 ファーゴ夫妻シリーズ  『マヤの古代都市を探せ!』上下  『トルテカ神の聖宝を発見せよ!』上下  『ソロモン海底都市の呪いを解け!』上下  『英国王の暗号円盤を解読せよ!』上下

ロマノフ王朝の秘宝を奪え!(下)ロマノフ王朝の秘宝を奪え!(下)

ロマノフ王家がボリシェビキの手から逃れ るために支払ったとされる〈身代〉の存在。 〈身代〉は第二次大戦中ナチスの手に渡り、 どこかへ持ち出されたという。財宝の在り 処がナチスの“逃走経路(ラットライン)” と関係があるとにらんだファーゴ夫妻は、 ロシア、ポーランド、ドイツとめぐって探 索の旅を続ける。二人を狙い、財宝を奪お うとするナチスの残党〈狼衛隊〉との壮絶 な死闘。熾烈な争奪戦は、ついにアルゼン チンの密林で最後の決着を迎える! 歴史 の謎にファーゴ夫妻が挑む巨匠入魂の冒険 アドベンチャー! Clive Cussler クライブ・カッスラー テレビ業界から作家に転身、1973年に架空の組織NUMA(国立海中海洋機関)に所属する特殊任務官ダーク・ピット・シリーズ第1作『海中密輸ルートを探れ』で作家デビュー。以後、同シリーズをはじめ、作品は世界的ベストセラーとなっている。印税をもとに実際にNUMAを設立し、多くの沈没船や行方不明船を発見している。 ダーク・ピット・シリーズ  『黒海に消えた金塊を奪取せよ』上下 NUMAファイル・シリーズ  『粒子エネルギー兵器を破壊せよ』上下 探偵アイザック・ベル・シリーズ  『大追跡』『大破壊』『大諜報』各上下 オレゴン号シリーズ  『謀略のステルス艇を追撃せよ!』上下  『水中襲撃ドローン〈ピラニア〉を追え!』上下  『ハイテク艤装船の陰謀を叩け!』上下  『戦慄の魔薬〈タイフーン〉を掃滅せよ!』上下  『秘密結社の野望を阻止せよ!』上下 ファーゴ夫妻シリーズ  『マヤの古代都市を探せ!』上下  『トルテカ神の聖宝を発見せよ!』上下  『ソロモン海底都市の呪いを解け!』上下  『英国王の暗号円盤を解読せよ!』上下

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