2019年12月2日発売
人生に飽き千年後の時代に転生した、最強の魔導士クルト。 彼はこの時代の魔法衰退の謎に迫るべく、 王都のロザンリラ魔法学園に入学した。 帝国のディスアリア魔法学園との交流戦で勝利したクルトと、 クラスメイトのララやマリーズたちは、 交流戦で不正を働いた帝国との会談が行われる中立都市に、 学園長ディアナと向かうことになる。 だが、新たな《四大賢者》のひとりがクルトの前に姿を現すなど、 会談の裏には新たな陰謀が待ち受けておりーー!? 最強魔導士の転生無双ファンタジー第二弾!
失恋のショックで十歳くらいの銀髪の超絶美少女に変貌してしまった元男子高校生の訊太郎は、VRMMOゲーム『クラン・クラン』の中でリアルと同じ少女の姿のままで『タロ』と名乗り、ゴミスキルと言われた錬金術をひたすら極めていった。その容姿と有力クラン『百鬼夜行』との戦いで一躍有名になったタロは、「天使ちゃん」と呼ばれるようになる。クラン・クランの有名人になった自覚もなく相変わらず錬金術に勤しむ日々を送っていたタロはある日、ミソラの森で金髪美幼女神官と出会う。なぜか見覚えのある面影を宿す彼女との出会いが、タロと現実世界の訊太郎に大きな転機をもたらすことになるとは、その時は未だ知るよしもなかったーー。 「小説家になろう」2800万PV突破、突然TS美少女のVRMMOゲームプレイストーリー!!
あらゆるものがダンジョンモンスターからドロップされる世界に転移した佐藤亮太。ユニークスキルを武器に、信頼できる仲間たちと構えたファミリー全員で大活躍!そんなリョータの前に現れたのは、リョータの能力を強化する、新たな仲間でー!
勇者パーティーを追放されたビーストテイマーのレインは、 猫霊族のカナデをはじめとした最強種の少女達と、賑やかな冒険者生活を送っていた。 魔族との激闘を終え、一躍ホライズンの英雄となったレインたち一行。 ギルドの受付嬢ナタリーさんの薦めで自分たちの家を探すことになったのだが、 やっと見つけた理想の屋敷には、お喋り好きなメイドの幽霊ーーティナが住みついていた! レインたちとの騒がしくも楽しい暮らしのなかで孤独を癒やしていくティナだったが、 ひょんなことから、かつて自分を殺した仇と再会してしまう。 さらに、ティナの仇討ちを誓うレインたちの背後に謎の最強職・アサシンの魔の手が忍び寄り……!? 「甘えて……ええの? 無理をさせて……ええの?」 「それが仲間っていうものだろう?」 大切な仲間と出会い成長していく冒険ファンタジー、ますます盛り上がる第3幕!
創刊以来86年ぶりの3刷となった「文藝」2019年秋季号の特集「韓国・フェミニズム・日本」、内容を新たにした完全版! ベストセラー小説『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョ・ナムジュによる傑作短編「家出」、シンガー・ソングライターのイ・ランによる初邦訳作「手違いゾンビ」、新世代のフェミニスト作家ユン・イヒョンの代表作「クンの旅」、性暴力をめぐり社会の現実を克明に暴くパク・ミンジョン「モルグ・ジオラマ」など、韓国文学の最前線をいち早く紹介! さらに、いま韓国で最も注目を集め、文学の未来を担う作家ファン・ジョンウンとチェ・ウニョンのふたりによる、本書のための書き下ろしエッセイを収録。 他にも大注目の書き手たちによる書き下ろしと特別企画を加え、「文藝」の特集からさらにパワーアップし、『完全版 韓国・フェミニズム・日本』としてここに誕生!
相反するすべての思いをこめて、H・P・ラヴクラフトに捧げる。「レッド・フックの恐怖」から90年後、アフリカ系アメリカ人作家ヴィクター・ラヴァルがラヴクラフトの世界を語り直す。1924年、ニューヨークハーレムに住むアフリカ系の若者トミー・テスターは、根強い社会的差別のなか自分なりに稼ぐ手段として、街角でギターの弾き語りをするふりをし、その実怪しげな仕事を引き受けている。ある日、ブルックリンにある墓地の前で歌うトミーのもとに、ロバート・サイダムと名乗る白人の老人が、自宅で開くパーティで演奏してくれたら高額な報酬を払うと声をかけてきた。サイダムの狙いは何なのか?…サイダムを捜査するトーマス・マロウン刑事と私立探偵ハワード、父親の死、霊を呼び出す歌、海原の底に眠る王、そして“至上のアルファベット”-魔術的な出来事がトミーの人生を大きく変える。シャーリィ・ジャクスン賞、英国幻想文学大賞受賞!
久坂玄瑞と高杉晋作は松下村塾で、吉田松陰の薫陶を受けた門下生のなかでの双璧である。 維新の変革期に、二人は身を挺して新しい時代をつくるべく奔走した志士であったが、ついに明治という近代国家の出現を見届けることなく、中途で倒れた。 玄瑞が蛤御門の変で討死にしたのは二十四歳。まことに短い生涯であったが、そのなかで、玄瑞はよく詩を賦した。 現存する彼の漢詩は三百三十余篇に及ぶが、その詩型は五・七言の絶句から律詩、さらに古詩にいたるまで自在によくこなした。日本の漢詩人の多くは作りやすい七言絶句を好む傾向にあるなかで、玄瑞はたしかに異能の漢詩人であった。しかも彼の詩心は深く、その詩才は高い。幕末維新期の最も傑出した詩人のひとりだとみてよいであろう。 高杉晋作もこの時代の気鋭な詩人であったことは、衆目の一致するところであるが、詩の表現に典故を巧みに使いこなす技倆においては、玄瑞の詩は晋作の詩をはるかにしのいでいた。若くして玄瑞は本格的な漢詩人の領域に到達していた。 玄瑞は自分の心につよく映るものがあれば、それを漢詩に表現し、自分の心を深く揺さぶるものがあれば、それを漢詩の姿に写し取っていくことにおいて、すこぶる熱心であった。それほどに玄瑞は自らが詩人であることに自覚的であったといえるであろう。 玄瑞の漢詩の典故表現ひとつをとりあげてみても、その学識教養は半端なものではない。それを誰から学んだのか。そこには蘭方医であった兄の玄機、玄機の友人の詩僧月性と中村九郎、そしてなによりも師の吉田松陰、口羽憂庵、さらには玄瑞が江戸に出向いた際に入門した芳野金陵などの指南が介在していたと考えられる。もうひとつ、玄瑞が二十歳過ぎたころに参加した「嚶鳴社」で漢詩作りの鍛錬を受け、そこには萩藩の学舎明倫館出身の名士たちがいて、その人たちから受けた影響も見逃せないであろう。 久坂玄瑞という詩人像は彼の天性の詩人としての資質と、こうした彼の青年期に培った学問の蓄積と詩作の鍛錬がなければ、実を結ぶことはなかったであろう。 西郷隆盛が維新政府の参議であったときに木戸孝允にむかって、「久坂先生がいまごろ存生なれば、お互いに参議などと威張ってはいられませんな」と語ったという。西郷は、「敬天愛人」の思想に徹した至誠の人であった。その西郷の玄瑞観である。玄瑞もまた至誠の人であった。 さてこの至誠の人玄瑞の詩三百三十余篇の一篇一篇の詩心を読み解いてきたのが、この『久坂玄瑞全訳詩集』である。 これに『久坂天籟詩文稿』を併録しているが、天籟は玄瑞の兄の久坂玄機の号である。玄機は緒方洪庵の適塾で塾頭をつとめたほどの蘭方医であったが、のちに萩毛利藩の藩医に招かれて早逝した。その遺文も併せて読み解くことにした。 なお、昨年は明治になってから百五十年の節目にあたり、また今年は記念すべき改元の年を迎えた。本書の刊行が久坂兄弟の新しい詩文研究に役に立ち、その人物事績にたいする再評価の端緒になることを心から願っている。(まえがきより)