2019年12月9日発売
姫こそが浪士の希望。新「忠臣蔵」の誕生。 時は、江戸幕府が生類憐れみの令を発していた元禄の頃。 広島三次藩に生まれた美しい栗姫、のちの阿久利姫は、播磨赤穂藩の浅野内匠頭長矩に輿入れしてからというもの、大名火消しや勅使饗応、藩の政治に励む夫を支え、家臣を家族とも思い、面倒を見てきた。 しかし、勅使饗応の指南役である高家筆頭・吉良上野介の「依頼」を断ってから、平穏な暮らしに目に見えないひびが入りはじめるーー。 胸騒ぎを感じながら過ごしていたある日、火事場でとった内匠頭のとっさの「行い」から、五代将軍徳川綱吉の側近である柳沢保明からも不興を買ってしまう。 質実剛健で質素倹約、大名火消しとして江戸者の人気をさらう内匠頭を目障りに思う、吉良と柳沢はとうとう赤穂藩改易を企む。 吉良のしつこい嫌がらせに、次第に身心を病んでゆき、つかえを発症した内匠頭。 疲弊した夫を癒そうと必死になる阿久利の努力も空しく、内匠頭は江戸城中松の廊下で吉良へ刃傷に及ぶ。 即日切腹を聞かされ、藩邸引き払いを命じられた阿久利は、吉良の沙汰を待つが……。 赤穂浪士一縷の望み、阿久利の静かな闘いが今はじまった。 広島県三次市出身の大人気時代小説作家が描く、新しい「忠臣蔵」! 【編集担当からのおすすめ情報】 大人気シリーズ「浪人若さま新見左近」「公家武者信平」「身代わり若殿葉月定光」で大活躍している時代小説作家が放つ、広島三次藩の「忠臣蔵」!
<内容紹介> たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起きる花咲小路商店街。 すらりと背の高いせいらちゃんが働く「バーバーひしおか」は、古きよき香りが漂うレトロな<理髪店>。 小柄な奥さん・ミミ子さんが切り盛りし、素敵に髪を整えてくれますが、店主の旦那さんはのんきに暮らしてばかり。 それもそのはず、旦那さんには思いもよらぬ<裏の顔>があってーー <プロフィール> 小路幸也(しょうじ ゆきや) 1961年北海道生まれ。『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞し、デビュー。2015年は『東京バンドワゴン』シリーズが刊行10周年となり、累計100万部を超えている。他著書に『カレンダーボーイ』『COW HOUSE』『ピースメーカー』『東京公園』など多数。
三方ヶ原で織田・徳川軍を破った武田信玄は、翌年に尾張へ突入した。その先鋒が那古野城に迫ると、織田信長は突如、降伏を申し出て武田家の軍門に降った。試練の時を過ごした信長は3年後の天正3年(1575年)、ついに尾張で蜂起。信長は尾張と美濃の奪還に成功、さらに近江で武田勢の主力を撃破する。京に逃れようとする武田勢に信玄から下知が届き、西の武田領を捨てて信濃に向かう。その頃、京では信玄の策により火が放たれ、町は炎に包まれた…。織田を叩いて国を作り変えるー鬼謀をめぐらす信玄に追いつめられる信長、その運命は!?書下ろし戦国シミュレーション。
「若君、藤丸様の護衛役を命ずる!」-白馬藩九万九九九九石の納戸頭・南条家の部屋住みであった大輔は、国家老から大役に抜擢された。側室・お嘉世の方と手を組み、御家乗っ取りを企む奥用人・仙波頼母が、藤丸を亡き者にするため、魔忍者軍団“斗狩衆”を雇ったからだった。剣は強いが女嫌い、堅物で単純直情の大輔は、斗狩衆の女忍に襲われるが、巨根絶倫であることが幸いして危機を逃れる。しかし、守るべき藤丸君には、将軍家に御目見得もできない、ある重大な“秘密”があった。そしてついに、剣難女難に立ち向かう大輔と江戸へ向かう藤丸に、斗狩衆の頭領・幻夜斎が襲いかかる!果たして正義の剣は、邪法に勝てるのかー!?書下ろし番外篇「妄龍の夜」を収録した痛快時代傑作!!
H・P・ラヴクラフトが創造した、幻想文学史上もっとも怖ろしいものたちを、21世紀にクトゥルー神話の可能性を追求しつづける気鋭の作家たちが、新たな視点から描く。 邦訳紹介が停滞しがちだった現代海外クトゥルー神話を一望するアンソロジー『ラヴクラフトの怪物たち』が遂に完結! 解説は、「吸血鬼ハンターD」シリーズはじめ数多くの作品で著名な怪奇幻想小説の先導者で、ラヴクラフト&クトゥルーファンとしても知られる、菊地秀行。 「未紹介の「ラヴクラフティアン・フィクション」とその作家たちを、日本の読者に紹介したい。できるかぎり広く、数多く。 それにはアンソロジーが最適だ。だが、今の書き手たちだけを集めたものでは、邦訳の停滞がつくった空白期間を埋めることはできない。日本の読者にも馴染みのある作家、少しでも邦訳のある作家、初紹介の作家、それぞれの作品が収録されているものはないだろうか。 そこで原書を集めて絞り込み、さらに出版社との吟味検討を経て邦訳まで漕ぎ着けたのが、この『ラヴクラフトの怪物たち』である」 (本書「訳者あとがき」より) 【収録作品】(特記なきものは本邦初訳) 「愚宗門」トマス・リゴッティ 「禁じられた愛に私たちは啼き、吠える」ケイトリン・R・キアナン 「塩の壺」ジェマ・ファイルズ 「昏い世界を極から極へ」ハワード・ウォルドロップ&スティーヴン・アトリー *新訳 「クロスロード・モーテルにて」スティーヴ・ラスニック・テム 「また語りあうために」カール・エドワード・ワグナー 「血の色の影」ジョー・R・ランズデール 「語り得ぬものについて語るとき我々の語ること」ニック・ママタス 「腸卜(ちょうぼく)」ジェマ・ファイルズ 「牙の子ら」ジョン・ランガン