2019年2月20日発売
戦争を続ける愚かさは、誰の目にも明らかである。 講和派としてレルゲンがイルドアに飛び懸命の外交折衝を行うも 失敗した場合の予備計画を巡りルーデルドルフ大将が暗躍。 これ異を唱えた盟友・ゼートゥーア大将は必要の女神に奉仕する。 『障害物は排除されねばならない』と。 義務。 必要。 友情。 何が正しかったのかすら、見えなくなる総力戦。 昨日迄の正義は、今日の不正義。 それでもすべては祖国の未来のために。
天天コーポレーション社員の悲喜交々の日常。 経理部の佐々木真夕、営業部の山崎柊一、総務部の平松由香利……森若さんを取り巻く、一癖も二癖もある彼らの物語。 佐々木真夕が経理部に異動してきて一か月。異動直後にミスをしてからは、数字が恐くて仕方がない。 そんな真夕のストレス発散を兼ねた趣味は、ビジュアル系バンドの追っかけだ。 イチオシはCAROLINEのボーカル“アレッサンドロ"。 追っかけ仲間からアレッサンドロも参加するという、複数バンドの合同打ち上げに誘われるけれど……? (「初恋アレッサンドロ」)など5編を収録! <収録作> 「佐々木真夕 初恋アレッサンドロ」 「山崎柊一 カラークリスタル」 「平松由香利 ゾンビと嘘と魔法の笛」 「中島希梨香 それでもあたしは男っぽい女」 「田倉勇太郎 三十八歳の地図」
<椿屋敷>と呼ばれる一軒家に住む香澄(かすみ)と柊一(しゅういち)は、ワケあって結婚した、仲良しだけど"偽夫婦"だ。 しかし最近ますます、偽とも言い切れない感情が育まれているような……。 町の相談役である柊一のもとには今日も今日とて客人が絶えない。 夕立のたび夏椿をもらいに現れる老婦人。柊一、担当編集・二本松、晶紀、男三人の一夜……。ほか三篇を収録。 第一話 白雨の便り 第二話 蛍火 第三話 夏の幻 第四話 月の横顔 すみれ荘にてーふりむかないでー 大人気『下鴨アンティーク』シリーズ、『後宮の烏』シリーズの著者がおくる 〈家〉が語るご近所事件簿、第4巻。 今作は様々な表情をみせ、緑深まる夏の椿屋敷が舞台!
式典での花束贈呈役を頼まれた、大病院の秘書室で働く青井朋子。だが贈呈相手のイケメン代議士に拳銃を向ける男が…!気がついたとき、朋子は男になっていた。そして目の前には朋子の姿をした、警視庁のエリートSPである葵がいたのだった…。中身が入れ替わったふたりは、事情を知る代議士の協力の下、お互いの仕事をこなしながら事件の真相を探ることになり!?
人生の「酔」を凝縮した日本酒短編小説集。 山梨出身ワイン好き女子VS新潟出身日本酒好き男子の川中島合戦開幕!?(桑原水菜) 日本酒好きな「桜の神様」(スマホ在住)の我が儘に振り回される女子の大奮闘?(前田珠子) 「俺が好みそうな酒を持ってこい!」という日本酒好きな父の無茶振りに娘は…(響野夏菜) 近所の居酒屋で酔いつぶれた謎の女を拾う羽目になった男は…(山本瑤) 高校時代の女友達と飲んでいたらあれよあれよといううちに良からぬ扉が開いて?(丸木文華) あだ名は『鋼鉄女子』。大学の事務室で働くカタブツ女子が出逢った国文科教授は無類の酒好きで!?(相川真) この世の酸いも甘い辛いも、すべて醸せばこんなに美味しい。飲める人も飲まない人もあったまる、日本酒短編小説全6編。
出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。非合法のベビー・スークの存在を聞きつけ、友人・優子とドバイを訪ねた。そこで、少女「バラカ」を養女にしたが、全く懐いてくれない。さらに川島と出来婚をしていたが、夫との関係にも悩んでいた。そんな折、マグニチュード9の大地震が発生。各々の運命は大きく動き出す。
東日本大震災によって、福島原発4基すべてが爆発し、日本は混沌としていた。たった一人で放射能被害の警戒区域で発見された少女バラカは、豊田老人に保護された。幼くして被曝した彼女は、反原発・推進両派の異常な熱を帯びた争いに巻き込まれー。全ての災厄を招くような川島に追われながらも、震災後の日本を生き抜いてゆく。狂気が狂気を呼ぶ究極のディストピア小説、ついに文庫化!
時は幕末。赤い両眼で幽霊を見る憑きもの落とし・浮雲は、夜毎、無数に現われる赤子の霊におびえる男の依頼を受ける。怪異には、男が旅人から預かったという曰くありげな黄金の菩薩像が関係しているようで…(「菩薩の理」)など3編を収録。土方歳三、近藤勇、そして無敵の少年剣士・沖田宗次郎が登場!尊皇攘夷の気運高まる江戸で、異能の男が事件の謎を解き明かす。幕末ミステリー!
中学三年の祐人は、いつも薫、理奈、春樹とプラネタリウムのある科学館で過ごしていた。宇宙に憧れる四人は似た夢を持ち、同じ高校に進む。だが、月日が経ち、祐人は逃げた。夢を諦めて町役場で働く彼は科学館を避け、幼馴染の三人をも避け続ける。ところが、館長の訃報を受けて三人に会うことに。そこで科学館の閉鎖を知り…。瑞々しい筆致で描かれる青春群像劇。第29回小説すばる新人賞受賞作。
ウィーンの古い礼拝堂で、カタコンベ(地下墓地)が発見された。偶然通りかかったのはクロロックとその娘のエリカ。家族旅行で日本から来ていたのだ。翌日、現地で知り合ったルネにカタコンベへの同行を頼まれたクロロック。するとカタコンベに埋葬されていた大量の白骨が一晩で消えてしまっていて!?直後、次々と不思議な事件が起こり、事態はローマ法王選が絡んだ大問題にまで発展していくー。
雲海に浮かぶ姿から「天空の城」と呼ばれる竹田城。現在は石垣とわずかな遺構を残すのみだが、この城を完成させたのは赤松広英という武将だった。名門の家に生まれ、少年時代に家督を継いで以来、信長、秀吉、家康と続く戦乱の世を全力で生きた。その真摯な人柄ゆえ領民に愛されるも、三十九歳の若さでこの世を去った。あまり知られていない赤松広英の生涯を丹念に描きだした長編歴史小説。
河鍋暁斎の弟子である絵師、誠之進は磐城平藩の隠密という裏の顔を持つ。兄弟子・鮫次の弟が怪しい行動を共にする連中がいるらしい。その一人はアメリカ公使館員ヒュースケンを刺殺した薩摩藩士、伊牟田尚平だった。鮫次は弟の身を案じ、誠之進は伊牟田らの動向を探るべく、鮫次の故郷、九十九里へと向かう。絵師の鋭い眼が、知られざる幕末の真実を抉り出す問題作、物語が大きく転回する第三巻。
屋上に神社があるテナントビルで受付嬢として働く苑子。屋上神社の神主の幹人と交際中だ。幹人の亡き妻との息子陽人から「おじいちゃんが入院した」と聞いて心配するが、幹人からは何も教えてもらえず不安な気持ちに。いっぽう、ビルに入居する歯科医院には、このところ謎めいた差出人不明の手紙が定期的に届いていて…。日常の小さな謎が人の縁を繋ぐお仕事ミステリー。シリーズ完結!日々の暮らしの中で、少しずつ深まったり、離れたり。人と人との「縁」を描く、心温まる連作ミステリー。
「勇者が次期魔王っておかしいでしょ!?」 魔王。それがワシ、ガルトー・リューゼンの職業だ。 妻と死別してからは、仕事一筋の毎日ーーだった。いろいろあって、つい最近女勇者の母親と再婚し、ワシには新しい家族が出来た。義理の娘アンジェリカとはそれなりにいい関係を築き、妻のレイティアさんとも、改めて言うのは照れるが仲睦まじく暮らしている。万事順風満帆、魔族の長たるワシは、父親としても一流でなければならん、のだが…… 「今日、会議があって、お前を魔王の皇太子にしようという話になった」 「あら〜お祝いしなきゃだわ〜」 「待って、ママ!考えて!おかしいでしょ!!」 「確かにアンジェリカもまだ若いから不安よね〜でもきっと大丈夫だわ〜」 「違うっ!」 「もしや、『皇太子じゃなくていきなり魔王にしろ』なんてことじゃないだろうな? いくらワシでもそれは認められんぞ」 「バカ魔王!私は勇者よ!?どこの世界に勇者を魔王の後継者にしようってやつがいるのよ!?」 ……どうやら、まだまだレベルアップが足りないらしい。 これはのんびり勇者母、思春期勇者、子育て初心者魔王が織りなす新米家族の物語。「小説家になろう」でも話題の異世界式アットホームコメディ第2弾! 【編集担当からのおすすめ情報】 『物理的に孤立している俺の高校生活』や『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』の森田季節が送る、イマドキ魔王の異世界式アットホームコメディ第2弾!「マンガワン」にてコミカライズが1月6日より隔週連載スタート!
2009年9月の刊行開始から10年、ついにメニー・メニー・シープの人類の運命が決着します。万感の最終巻、よろしくお願いします。
母の葬儀に参列するパトリックは、問題を抱えていた父と母を共に失った後の人生について思いを馳せる。ずっと望んできた心の平安が遂に手に入るのだろうか? 彼の心に光がきざすーー。《タイム》《エスクァイア》誌の年間ベストブックに選出。シリーズ完結篇