2019年2月20日発売
天天コーポレーション社員の悲喜交々の日常。 経理部の佐々木真夕、営業部の山崎柊一、総務部の平松由香利……森若さんを取り巻く、一癖も二癖もある彼らの物語。 佐々木真夕が経理部に異動してきて一か月。異動直後にミスをしてからは、数字が恐くて仕方がない。 そんな真夕のストレス発散を兼ねた趣味は、ビジュアル系バンドの追っかけだ。 イチオシはCAROLINEのボーカル“アレッサンドロ"。 追っかけ仲間からアレッサンドロも参加するという、複数バンドの合同打ち上げに誘われるけれど……? (「初恋アレッサンドロ」)など5編を収録! <収録作> 「佐々木真夕 初恋アレッサンドロ」 「山崎柊一 カラークリスタル」 「平松由香利 ゾンビと嘘と魔法の笛」 「中島希梨香 それでもあたしは男っぽい女」 「田倉勇太郎 三十八歳の地図」
“椿屋敷”と呼ばれる一軒家に住む香澄と柊一は、ワケあって結婚した、仲良しだけど“偽夫婦”だ。しかし最近ますます、偽とも言い切れない感情が育まれているような。町の相談役である柊一のもとには今日も今日とて客人が絶えない。夕立のたび夏椿をもらいに現れる老婦人。柊一、担当編集・二本松、晶紀、男三人の一夜…。緑深まる夏の椿屋敷が見守る、第4巻。
式典での花束贈呈役を頼まれた、大病院の秘書室で働く青井朋子。だが贈呈相手のイケメン代議士に拳銃を向ける男が…!気がついたとき、朋子は男になっていた。そして目の前には朋子の姿をした、警視庁のエリートSPである葵がいたのだった…。中身が入れ替わったふたりは、事情を知る代議士の協力の下、お互いの仕事をこなしながら事件の真相を探ることになり!?
日本酒好き男子VSワイン好き女子による川中島合戦、開幕?スマホ在住の「桜の神様」に振り回された女子の奮闘?日本酒好きな父の無茶振りに娘は?居酒屋で酔いつぶれた謎の女を拾った男は?女友達と飲んでいたらあれよあれよと扉が開いて?カタブツ女子が出逢った国文科教授は無類の酒好きで?人生の「酔」を凝縮した、日本酒をめぐる美味しい短編小説6編を収録。
出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。非合法のベビー・スークの存在を聞きつけ、友人・優子とドバイを訪ねた。そこで、少女「バラカ」を養女にしたが、全く懐いてくれない。さらに川島と出来婚をしていたが、夫との関係にも悩んでいた。そんな折、マグニチュード9の大地震が発生。各々の運命は大きく動き出す。
東日本大震災によって、福島原発4基すべてが爆発し、日本は混沌としていた。たった一人で放射能被害の警戒区域で発見された少女バラカは、豊田老人に保護された。幼くして被曝した彼女は、反原発・推進両派の異常な熱を帯びた争いに巻き込まれー。全ての災厄を招くような川島に追われながらも、震災後の日本を生き抜いてゆく。狂気が狂気を呼ぶ究極のディストピア小説、ついに文庫化!
時は幕末。赤い両眼で幽霊を見る憑きもの落とし・浮雲は、夜毎、無数に現われる赤子の霊におびえる男の依頼を受ける。怪異には、男が旅人から預かったという曰くありげな黄金の菩薩像が関係しているようで…(「菩薩の理」)など3編を収録。土方歳三、近藤勇、そして無敵の少年剣士・沖田宗次郎が登場!尊皇攘夷の気運高まる江戸で、異能の男が事件の謎を解き明かす。幕末ミステリー!
中学三年の祐人は、いつも薫、理奈、春樹とプラネタリウムのある科学館で過ごしていた。宇宙に憧れる四人は似た夢を持ち、同じ高校に進む。だが、月日が経ち、祐人は逃げた。夢を諦めて町役場で働く彼は科学館を避け、幼馴染の三人をも避け続ける。ところが、館長の訃報を受けて三人に会うことに。そこで科学館の閉鎖を知り…。瑞々しい筆致で描かれる青春群像劇。第29回小説すばる新人賞受賞作。
ウィーンの古い礼拝堂で、カタコンベ(地下墓地)が発見された。偶然通りかかったのはクロロックとその娘のエリカ。家族旅行で日本から来ていたのだ。翌日、現地で知り合ったルネにカタコンベへの同行を頼まれたクロロック。するとカタコンベに埋葬されていた大量の白骨が一晩で消えてしまっていて!?直後、次々と不思議な事件が起こり、事態はローマ法王選が絡んだ大問題にまで発展していくー。
雲海に浮かぶ姿から「天空の城」と呼ばれる竹田城。現在は石垣とわずかな遺構を残すのみだが、この城を完成させたのは赤松広英という武将だった。名門の家に生まれ、少年時代に家督を継いで以来、信長、秀吉、家康と続く戦乱の世を全力で生きた。その真摯な人柄ゆえ領民に愛されるも、三十九歳の若さでこの世を去った。あまり知られていない赤松広英の生涯を丹念に描きだした長編歴史小説。
河鍋暁斎の弟子である絵師、誠之進は磐城平藩の隠密という裏の顔を持つ。兄弟子・鮫次の弟が怪しい行動を共にする連中がいるらしい。その一人はアメリカ公使館員ヒュースケンを刺殺した薩摩藩士、伊牟田尚平だった。鮫次は弟の身を案じ、誠之進は伊牟田らの動向を探るべく、鮫次の故郷、九十九里へと向かう。絵師の鋭い眼が、知られざる幕末の真実を抉り出す問題作、物語が大きく転回する第三巻。
屋上に神社があるテナントビルで受付嬢として働く苑子。屋上神社の神主の幹人と交際中だ。幹人の亡き妻との息子陽人から「おじいちゃんが入院した」と聞いて心配するが、幹人からは何も教えてもらえず不安な気持ちに。いっぽう、ビルに入居する歯科医院には、このところ謎めいた差出人不明の手紙が定期的に届いていて…。日常の小さな謎が人の縁を繋ぐお仕事ミステリー。シリーズ完結!日々の暮らしの中で、少しずつ深まったり、離れたり。人と人との「縁」を描く、心温まる連作ミステリー。
魔王。それがワシ、ガルトー・リューゼンの職業だ。妻と死別してからは、仕事一筋の毎日ーだった。つい最近女勇者の母親と再婚し、ワシには新しい家族が出来た。アンジェリカとはいい関係を築けてきたし、レイティアさんとは、改めて言うのも照れるが仲睦まじく暮らしている。もちろん、魔族の長たるワシは、父親としても一流でなければならん、のだが…どうやら、まだまだレベルアップが足りないらしい。しかし、魔王はめげたりしない!必ずや、温かい家庭を築いてみせる!話題の異世界式アットホームコメディ第2弾。
“アインシュタインの涙”と呼ばれるミニ地球に閉じこめられた百五億のテラ住民たちは、ヴィシュナのもくろみどおりヴィールス・インペリウムの一部となり、巨大コンピュータの情報処理作業に没頭していた。難をのがれたエルンスト・エラートと四次元性の影チュトンも、ヴィシュナの基地にあるクリスタル建造物“時間塔”の底に監禁されてしまう。この時間塔を管理しているのは、修道士を名乗る謎めいた存在の者だった!
メニー・メニー・シープという人類の箱舟を舞台にした、“救世群”たちとアウレーリア一統の末裔、そして機械じかけの子息たちの物語は、ここに大団円を迎える。羊と猿と百掬の銀河の彼方より伝わる因縁、人類史上最悪の宿怨を乗り越え、かろうじて新世界ハーブCより再興した地で、絶望的なジャイアント・アークの下、ヒトであるヒトとないヒトとともに私たちは願う、青葉よ、豊かなれと。天冥の標10巻・17冊、ついに完結。
「母上は知事を石で襲いました」「冗談でしょ」サミュエルの母フェイは、彼が小さいころ家を出て行方知れずになった。そして数十年後、書けない作家兼大学教員になった彼のもとに知らせが入るー母が州知事を暴行して逮捕された。事件についての様々な憶測と報道がアメリカ全土をにぎわすなか、サミュエルは自分を捨てた母に復讐しようと、母の半生を調べはじめる。しかし、見えてきたのは、長年信じてきたものとはまったく違う事実だった。1960年代から現代まで、アメリカ中西部から、ニューヨーク、ノルウェーまで、さまざまな時代と場所から浮き上がってくるフェイの人生とは?そしてサミュエルとの断絶は修復されるのか。ジョン・アーヴィングが絶賛した、ユーモアと切なさに満ちた感動長篇。ロサンゼルス・タイムズ文学賞(新人部門)受賞!