2019年4月11日発売
帝国オロンドリアを二分した、書物と言葉を巡る大乱。その只中を生きた四人の女性たちー戦いにその身を投じた剣の乙女、彼女を愛した遊牧民の歌い手、反乱軍に囚われた女司祭、政略結婚の駒として翻弄された王家の娘は、正史からは葬られた物語を自らの声で語り始める。響き合う物語からやがて立ち上がるのは、彼女たちにとっての“歴史”-デビュー作にして世界幻想文学大賞など四冠の長編『図書館島』の世界に連なる、壮大にして精緻なる傑作ファンタジイ。
芸術家の老女は、懐かしい家で家族の幽霊を見るー。結末の鮮烈なイメージが胸を打つ表題作を初め、ブッカー賞候補作家が贈る切なく愛おしい短編集。カナダ総督文学賞最終候補作。
緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。著者の生前、単行本に収録されなかった短編小説などを収めた作品集を、二分冊に文庫化してお届けする。『絡繰篇』には、大胆不敵な盗賊・隼小僧の正体を追う「大奥の七不思議」ほか、江戸の雲見番番頭・亜智一郎が活躍する時代ミステリシリーズなど、傑作17編を収めた。
ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、二分冊に文庫化してお届けする。『手妻篇』には、辛辣な料理評論家を巡る事件の謎を解く「カルダモンの匂い」ほか、ヨーガの達人にして謎の名探偵・ヨギガンジーが活躍するミステリシリーズや、酔象将棋の名人戦が行われた宿で殺人が起こる、新たに発見された書籍初収録短編「酔象秘曲」など名品13編を収録する。
10年の時を経て、再び親友となった太秦萌、小野ミサ、松賀咲の女子高生3人組。かつて3人が住んでいた太秦荘も、再び下宿屋としてスタートすることになった。下宿人第一号となったのが、漫画家見習いの大学生、藤沢翔真。翔真が引越してきて2週間がたったある日、萌、ミサ、咲の3人が太秦荘にやってきた。「実は私たち、『探偵』になろうと思っていまして」事務所は太秦荘の空き部屋。3人組が京都中を駆け回って謎を解く!
函館で松尾象山は天才的なバランス感覚をもつ青年と出会う。一瞬でこの漢・京野京介に魅了された象山は、京野の師である磯村露風とともに、暴力団に拉致された京野のもとに向かった。時を経て、ボクシングのプロテストで京野はアマチュアの金メダリストと闘う。試合後に露風は、京野らと格闘技の「世界征服」を目指すと宣言した。露風はさらに、丹波文七を「ヤマト商店」へ招いた。そこは文七にとって因縁の場所だったー。
夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいてーー。280万部超の青春小説『君の膵臓をたべたい』の著者、住野よるの三作目が待望の文庫化!!
都市で漂流を続ける少女たちにとって、衣食住をめぐんでくれる“神様”とは?自殺の名所で発見された女子高校生の死因を探る「僕」に協力者が現れた。河川敷で死体を発見した若者。だが彼には通報をためらうだけの理由が。事件のショックで記憶を失ってしまった被害者。催眠療法で記憶を戻すと…。儲け命の札差に五両を借りに来た御家人と、辻斬り事件に関係はあるのか。五編のどんでん返しをご賞味あれ。
シロが逃がした鹿を追いかけて、山中を駆け回っていた芽衣は、大量の釣り針に埋もれた神様、山幸彦と出会う。山幸彦は芽衣の鹿探しを手伝ってくれ、あっという間に捕まえる。そのまま芽衣を抱えて鳥居まで運んでくれた山彦神は、芽衣を見て「ヒトとは思えぬほどに軽い」と不思議がる。その後、『やおよろず』に戻った芽衣だが、天と出会った頃のことをどうしても思い出せない。さらに、『やおよろず』での記憶も徐々に抜け落ちていき…。芽衣にいったい何が!?緊迫のシリーズ第5弾!
東京の神楽坂は、石畳の路地で有名な花街。まるで迷路のように広がるその路地のひとつに、不思議な学校はあった。教員志望の如月由那は、その学校の求人を知り、二つ返事で飛びついてしまう。だが、そこは、あやかしたちの通う学校だった。不安ながらも、念願だった教師となった由那の前に、妖怪退治の祓い屋・蒼野秋斗が現れる。
長年の夢だった自分の店を経営不振で閉じることにした佐山。失意のまま実家に帰った佐山は、不思議な鏡を見つけ、ふと気づくと異世界に飛ばされていた。そこには、洋食屋をひとりで切り盛りしている少年がいて、佐山を見るなり「救世主様、きつね亭を救ってください!」と懇願してきた。左山は安くて美味しいハンバーグを提供することで、店の苦境を脱しようとするが…。心もお腹もあたたまるハートフルな異世界グルメストーリー。
寺社奉行・本山相模守が神君家康公より拝領した刀を盗まれた。困った本山は幼馴染みの南町奉行・曲田伊予守を頼り、定廻り同心の樺山富士太郎に密命が下る。折しも謎の墜落死を調べていた富士太郎は探索を中断し、わずか一日で拝領刀の行方を突き止めてみせる。ふたたび墜死事件を追う富士太郎に、大石に上半身を潰された死体発見の一報が届く。摩訶不思議な連続死と拝領刀の盗難は、何の繋がりもないと思われたのだが…。大人気書き下ろしシリーズ第44弾!
はぐれ長屋を訪ねてきた若い娘と、その弟が三人の武士に襲われた。危うく難を逃れた二人から源九郎は仇討ちのための剣術指南を懇願される。何者かに斬殺された姉弟の父は、若き日に鏡心明智流の士学館で共に剣の修行に励んだ旧友であった。源九郎は長屋に居を移した二人に稽古をつけつつ、仲間たちの協力をえて下手人の捜索に乗りだす。大人気シリーズ第四十五弾!
怪僧隆光の権勢が強まるにつれて、厳しさを増していく生類憐みの令。度重なる発令によって、三つ姫さまの命をつなぐ新鮮な鯛の入手を危ぶんだ川田久保家の家老稲葉主膳は、御納屋奉行の鮎貝伝八郎にまたしても高難度の課題を与える。そんな中、かつて伝八郎が暮らしていた長屋の腕白“あぶ”こと文吉に犬殺しの疑いがかけられたとの知らせが舞い込んだ。文吉の身を案じた伝八郎は本所に駆けつけるが…。さまざまな難局に立ち向かう若侍の活躍を爽快に描く、好評書き下ろしシリーズ第二弾。
神田鍋町の飯屋の看板娘・おはるは頑固一徹な料理人の父と二人暮らし。うどんに鱈鍋、いなり寿司。父の料理は素朴だが、不思議と毎日食べても飽きないのが売りで、店は常連客で賑わっている。千客万来ー店にはおかしな事件や揉め事も舞い込んでくるけど、亡き母に教わった笑顔の大切さを胸に、ともすれば顔を出す短気や弱気をおさえ込んで元気一杯に前を向く。注目の書き下ろし新シリーズ、開店!
大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったいなぜー?さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。
戸次鑑連(後の立花道雪)は、父・親家が主君の怒りを買い、その責を負って切腹し果てた母から生まれた。新たに主君となった大友義鑑に認められた鑑連は、次々と戦功をあげ、多くの家臣に慕われて、大友最強の将と称えられた。ついには幼馴染で永年想い続けていた重臣入田家の娘・お道と結ばれ、評判のおしどり夫婦となったのだが…。鬼と呼ばれた男の凄烈な運命と愛。
八朔の日、亥の刻。芝湊町の土蔵に、見知らぬ者の文で呼び出された男たちが、密かに集まってきた。 骨董商の仁吉、役者の銀蔵、寄木細工職人の和太郎、浪人の右近、板前の壱助。文の差出人は果たして誰なのか? 五人が呼び出された真の理由とは? 一方、虚の一味、初谷男吏と榊惣一郎は仕事をしくじり、高尾山から江戸市中に戻ってきた。 めくるめく展開に一瞬も目が離せない。まさかのラストに、驚愕すること間違いなし。 最強の決闘あり、ミステリーあり、人情あり……無敵のエンターテインメント時代小説、熱望の書き下ろし第四弾。