2019年4月発売
奇想天外な発想。ドキドキする展開。絶妙なオチ。ブラックな笑いや心あたたまる結末ー。小さな物語たちには無限の可能性が秘められています。どうぞ、新たな扉を開けてください。思いもかけなかった別世界への冒険の旅が待ち受けています。きっと繰り返し読みたくなるお気に入りが見つかるはず。そして、次はあなたもぜひ創作にチャレンジしてくださいね。
夜叉萬と綽名される北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵。その御用聞を務める元女掏摸のお甲は、幼い頃に自分を捨てた母・お泉と再会。お泉から、岡場所より消えた武家の内儀を捜してほしいと依頼される。一方、七蔵は本両替商の手代・惣三郎が行方不明となった事件を追うが、二人はやがて、暗い欲望を持つある男の元へ辿り着くー。名手による傑作シリーズ!
因縁めいたつながりのある人々が集った“高原ホテル”。法廷で決定的な証言をし無罪をもたらした女性と結婚した千葉。大企業の社長令嬢の婿となった記憶喪失の男、辻川。彼の出現により未来を失った安西…。奇しくもホテルに同行した片山刑事たちは、複雑な人間閑係が巻き起こす事件に対峙する。そして、ホームズの可愛らしい後輩も登場!国民的大人気シリーズ第51弾!
一九九五年三月二十日、丸の内で起こった無差別乱射事件。カルト教団『シンラ智慧の会』による凶行の首謀者は、忌まわしき過去を背負う教祖、天堂光翅であった。彼や教団に関わった者たちの前に現れる一匹の煌めく蝶。金色の翅が導くのは地獄か、それとも……。平成を揺るがすテロ事件が生み落とした絶望とかすかな希望を、幻想的かつスリリングに物語る衝撃作!
順風満帆とも、波瀾万丈ともいえない人生。出張へ向かう新幹線で受けた一本の電話から、すべてが狂い始める。息子に、覚せい剤を使った疑いがあるという。警察に追われる次男、意外な姿を見せる長男、そしてーある秘密を抱える妻。次々と災厄が降り注ぐなか、中年にさしかかった男に家族の意味が問われる。この時代に生きるすべての人へ贈る、著者渾身の一作。
警視庁刑事・紗倉芽衣子は、学生時代、六本木のSMクラブで、ナンバーワンを誇った女王だった。そのころ垣間見た六本木の裏社会を浄化すべく、芽衣子は刑事になった。水商売の人脈を伝手にした情報網「六本木水脈」と、華麗な鞭捌きを武器に、芽衣子が巨悪に立ち向かう!芽衣子は、暴漢に襲われた総理夫人の警護を命じられるが、背後に大事件が隠されていた!
大学で法制史を教える山根辰雄は、古書店で集めた本に、同じ蔵書印があることに気付く。その持ち主は亡くなっていたが、両親と妻の幸子は健在で、問い合わせると家に招かれた。そこでは、若くて魅力的な幸子を中心に、青年客たちが客間に集っているのだった。ミステリアスな家族の周りで起こった事件を描いた表題作他一編を収録した傑作小説集。
父が倒れたのをきっかけに富山県にある実家の「はなまる造園」を継いだ咲和。東京育ちの咲和は雪国の勝手がわからず、年下の涼太に怒られる日々を過ごしていた。そんな中、小学校の花壇づくりの仕事を通して教員・朝倉と親しくなる。朝倉は近所の寺を一人で切り盛りする住職でもあり、その優しい人柄が、咲和の固くなった心を解かしていってー。
老中水野忠邦と目付鳥居耀蔵の悪政を正すべく将軍家慶の「闇御庭番」となった菅沼外記。卑劣な「三方領知替」の計画を実現させようと庄内藩に隠密を放った水野らの企みを阻止すべく、家慶の命を受けた外記らは芭蕉の『おくのほそ道』を辿る旅に出る。道中、隠密たちとの攻防と知恵比べの果てに、酒田湊でついに決戦!時代小説の醍醐味が詰まったシリーズ第二弾。
戦国の世、尾張の国に生まれた堀尾吉晴は、秀吉と出会い、頭角を現し、幾多の戦いに参加。信長からも「わが者ぞ」と呼ばれる存在となる。秀吉の軍師・竹中半兵衛、尼子家再興を目指す山中鹿之介らとの出会いを通して「治国平天下」を志す武人となった吉晴は、鳥取城、備中高松城などの戦いで、優れた交渉人としての活躍も見せる。歴史に埋もれた名将を描いた超大作!
信長の死後、覇権は秀吉が握ることとなった。秀吉麾下の堀尾吉晴は、ともに戦ってきた部将や、肉親の死に直面しながらも激動の時代を生きぬく。家康の天下を迎え、出雲・隠岐二十四万石に移封された吉晴は、宍道湖のほとりに松江城を築く。それは長く続いた戦国の世の終焉を意味するものだった…。今こそその人生に学びたい屈指の英傑の物語、ここに完結!
将軍家毒味役の矢背蔵人介は、姿を消した養母志乃の行方を案じていた。ある日、長州萩藩毛利家の重臣が襲われたところを蔵人介が救う。刺客は同じ毛利家の下士で、矢背家をつけ狙う刺客「痩せ男」と同じ技を遣った。再び「痩せ男」の影を追う蔵人介だが──。ついにその正体が明らかになる。そして気になる消えた志乃の行方は……。超人気シリーズ、驚愕の二十六弾。
南青山の雑居ビルに屋号を掲げる「S&S IT探偵事務所」を切り盛りするのは、出原しのぶと“スモモ”こと東條桃花。訳あって防衛省と警視庁を追い出されたふたりは手段を選ばない敏腕ハッカー。そんな彼女たちのもとに集まるのは、一癖も二癖もある曲者と厄介な事件ばかり。今日もまた、防衛省の元同僚が昨今話題のマルウェアの新種“キボウ”の調査依頼にやってきたかと思うと、行きつけの純喫茶「バルミ」のマスター、デラさんのもとには警察が。謎が多いデラさんだったが、実は七年前に愛娘を誘拐された過去があったのだ。サイバー空間を荒らす奴らと、再び動き出した誘拐犯の正体を突き止めるため、ふたりは調査に乗り出す!
人間よりも生類を憐れむ世にあって、藩主が江戸城内で刃傷沙汰を起こした赤穂・浅野家には改易の時が迫っていた。その裁きに注目した現将軍・徳川綱吉の次を狙う甲府宰相・綱豊は、懐刀の新井白石を、浅野家筆頭家老・大石内蔵助に接触させる。綱豊らは、士民を困窮から救う仁の心を持つ武士を求めていたのだ。内蔵助に会い、その人品に惹かれた白石は、紀伊国屋文左衛門らを巻き込み、浅野家再興に尽力する。だが、綱吉とその側近・柳沢吉保に阻まれ、大石たちの運命は討ち入りへと転がり始めるが…。時代劇を知り尽くした著者が、「忠臣蔵」に新たな息吹を与える瞠目の野心作!
IT企業の激務で疲れはてたロイスを救ったのは、近所の宅配レストランのパンとスープ。親しくなった店主がアメリカを去るとき餞別にもらった不思議なパン種(夜中に歌いだしたり、完成したパンに笑顔が浮かんだりする)でパンを焼きはじめた彼女は、思いもよらぬ体験を次々することに!? 不思議なパン種を巡る奇妙な一族の物語、ロボットアームを駆使したパン作り、謎の地下ファーマーズ・マーケット……。『ペナンブラ氏の24時間書店』の著者がサンフランシスコを舞台に描く、奇想天外で爽やかなフード・エンタテインメント!
帝国オロンドリアを二分した、書物と言葉を巡る大乱。その只中を生きた四人の女性たちー戦いにその身を投じた剣の乙女、彼女を愛した遊牧民の歌い手、反乱軍に囚われた女司祭、政略結婚の駒として翻弄された王家の娘は、正史からは葬られた物語を自らの声で語り始める。響き合う物語からやがて立ち上がるのは、彼女たちにとっての“歴史”-デビュー作にして世界幻想文学大賞など四冠の長編『図書館島』の世界に連なる、壮大にして精緻なる傑作ファンタジイ。
心臓移植を受けている学者は、手術中にどんな夢を見たのか。ダイアナ妃に憧れた少女が語るプリンセスの一生とは。聖戦に参加することになったイスラム教徒の青年たちは、観光地で何を思うのか。芸術家の老女が、家のあちこちにいる幽霊たちへ向ける想いとは。--すべての結末に描かれる鮮烈な「絵」が、わたしたちの心を奪っていく。ブッカー賞候補作家が放つ、驚きと寂しさ、愛おしさに満ちた12編。カナダ総督文学賞最終候補作。
緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。著者の生前、単行本に収録されなかった短編小説などを収めた作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。絡繰篇は、大胆不敵な盗賊・隼小僧の正体を追う「大奥の七不思議」ほか、江戸の雲見番番頭・亜智一郎が活躍する時代ミステリシリーズ、五節句の紋を誂えた着物にこめられた想いを読み解く「五節句」ほか、紋章上絵師たちのシリーズ、背中に見事な彫物を持つと評判の美女を巡る「荼吉尼天」といったノンシリーズなど、17編を収めた。