2019年4月発売
函館で松尾象山は天才的なバランス感覚をもつ青年と出会う。一瞬でこの漢・京野京介に魅了された象山は、京野の師である磯村露風とともに、暴力団に拉致された京野のもとに向かった。時を経て、ボクシングのプロテストで京野はアマチュアの金メダリストと闘う。試合後に露風は、京野らと格闘技の「世界征服」を目指すと宣言した。露風はさらに、丹波文七を「ヤマト商店」へ招いた。そこは文七にとって因縁の場所だったー。
夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいてーー。280万部超の青春小説『君の膵臓をたべたい』の著者、住野よるの三作目が待望の文庫化!!
“どんでん返しの神様”がここにいる。 本格推理もクライムノベルも時代小説もジャンル不問! 全編新作、仰天でのけぞる出来! 都市で漂流を続ける少女たちにとって、衣食住をめぐんでくれる“神様”とは? 自殺の名所で発見された女子高校生の死因を探る「僕」に協力者が現れた。河川敷で死体を発見した若者。だが彼には通報をためらうだけの理由が。事件のショックで記憶を失ってしまった被害者。催眠療法で記憶を戻すと……。儲け命の札差に五両を借りに来た御家人と、辻斬り事件に関係はあるのか。五編のどんでん返しをご賞味あれ。
シロが逃がした鹿を追いかけて、山中を駆け回る芽衣。そこで、大量の釣り針に埋もれた神様、山幸彦と出会う。山幸彦は芽衣の鹿探しを手伝ってくれ、あっという間に捕まえる。そのまま芽衣と鹿を抱えて草の縁まで運んでくれたが、芽衣は山幸彦から「紙のように軽い」と言われる。その後、やおよろずに戻った芽衣だが、天と出会った頃のことをどうしても思い出せずに…。芽衣にいったい何が!? 大人気シリーズ第5弾!
東京の神楽坂は、石畳の路地で有名な花街。まるで迷路のように広がるその路地のひとつに、不思議な学校はあった。教員志望の如月由那は、その学校の求人を知り、二つ返事で飛びついてしまう。だが、そこは、あやかしたちの通う学校だった。不安ながらも、念願だった教師となった由那の前に、妖怪退治の祓い屋・蒼野秋斗が現れる。
夢だった洋食屋を経営不振で閉じることにした佐山。失意のまま実家に帰った佐山は、倉庫で不思議な鏡を見つけ、ふと気づくと異世界に飛ばされていた。そこには、洋食屋をひとりで切り盛りしている少年がいて、佐山を見るなり「救世主様、きつね亭を救ってください!」と懇願してきた。佐山は安くて美味しいハンバーグを提供することで、店の苦境を脱しようとするが…。心もお腹もあたたまるハートフルな異世界グルメストーリー。
寺社奉行・本山相模守が神君家康公より拝領した刀を盗まれた。困った本山は幼馴染みの南町奉行・曲田伊予守を頼り、定廻り同心の樺山富士太郎に密命が下る。折しも謎の墜落死を調べていた富士太郎は探索を中断し、わずか一日で拝領刀の行方を突き止めてみせる。ふたたび墜死事件を追う富士太郎に、大石に上半身を潰された死体発見の一報が届く。摩訶不思議な連続死と拝領刀の盗難は、何の繋がりもないと思われたのだが…。大人気書き下ろしシリーズ第44弾!
はぐれ長屋を訪ねてきた若い娘と、その弟が三人の武士に襲われた。危うく難を逃れた二人から源九郎は仇討ちのための剣術指南を懇願される。何者かに斬殺された姉弟の父は、若き日に鏡心明智流の士学館で共に剣の修行に励んだ旧友であった。源九郎は長屋に居を移した二人に稽古をつけつつ、仲間たちの協力をえて下手人の捜索に乗りだす。大人気シリーズ第四十五弾!
怪僧隆光の権勢が強まるにつれて、厳しさを増していく生類憐みの令。度重なる発令によって、三つ姫さまの命をつなぐ新鮮な鯛の入手を危ぶんだ川田久保家の家老稲葉主膳は、御納屋奉行の鮎貝伝八郎にまたしても高難度の課題を与える。そんな中、かつて伝八郎が暮らしていた長屋の腕白“あぶ”こと文吉に犬殺しの疑いがかけられたとの知らせが舞い込んだ。文吉の身を案じた伝八郎は本所に駆けつけるが…。さまざまな難局に立ち向かう若侍の活躍を爽快に描く、好評書き下ろしシリーズ第二弾。
神田鍋町の飯屋の看板娘・おはるは頑固一徹な料理人の父と二人暮らし。うどんに鱈鍋、いなり寿司。父の料理は素朴だが、不思議と毎日食べても飽きないのが売りで、店は常連客で賑わっている。千客万来ー店にはおかしな事件や揉め事も舞い込んでくるけど、亡き母に教わった笑顔の大切さを胸に、ともすれば顔を出す短気や弱気をおさえ込んで元気一杯に前を向く。注目の書き下ろし新シリーズ、開店!
奇跡が起きなくても、人生は続いていくから。 『大人は泣かないと思っていた』で話題沸騰の著者が贈る感動作! 大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったいなぜーー? さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。
日本(ひのもと)一の武士(もののふ)、大友の宿将・戸次(べっき)鑑連(あきつら)(後の立花道雪)。 鬼と呼ばれた男の凄烈な運命と愛。無名にして最強。 『大友二階崩れ』で颯爽とデビューした著者の、魂ふるえる最高傑作。(書き下ろし) 戸次(べっき)鑑連(あきつら)(後の立花道雪)は、父・親家(ちかいえ)が主君の怒りを買い、 その責を負って切腹し果てた母から生まれた。 新たに主君となった大友義鑑(よしあき)に認められた鑑連は、 次々と戦功をあげ、多くの家臣に慕われて、大友最強の将と称えられた。 ついには幼馴染で永年想い続けていた重臣入田(にゅうた)家の娘・お道と結ばれ、 評判のおしどり夫婦となったのだが……
八朔の日、亥の刻。芝湊町の土蔵に、見知らぬ者の文で呼び出された男たちが、密かに集まってきた。 骨董商の仁吉、役者の銀蔵、寄木細工職人の和太郎、浪人の右近、板前の壱助。文の差出人は果たして誰なのか? 五人が呼び出された真の理由とは? 一方、虚の一味、初谷男吏と榊惣一郎は仕事をしくじり、高尾山から江戸市中に戻ってきた。 めくるめく展開に一瞬も目が離せない。まさかのラストに、驚愕すること間違いなし。 最強の決闘あり、ミステリーあり、人情あり……無敵のエンターテインメント時代小説、熱望の書き下ろし第四弾。
駅伝の魅力って?仲間の頑張りを信じ、想像することさー。修学院大学陸上競技部に駅伝選手として入部した走水剛の目標は、「オリンピックで金メダルを取ること」。とはいえ精鋭が集まる陸上部では、タイムも実績もチームメイトに及ばなくて…。破天荒でまっすぐな主人公が、仲間とともに箱根駅伝で襷をつなぐ。三ヵ月連続刊行スタート!
日本橋北詰の魚河岸のほど近く、「丸九」という小さな一膳めし屋がある。 うまいものを知る客たちにも愛される繁盛店だ。たまのごちそうより日々のめしが体をつくるという、 この店を開いた父の教えを守りながら店を切り盛りするのは、今年二十九となったおかみのお高。 たとえばある日の膳は、千住ねぎと薄揚げの熱々のみそ汁、いわしの生姜煮、たくわん漬け、そして温かいひと口汁粉。 さあ、今日の献立は? しあわせは、うまい汁とめし、そしてほんの少しの甘いもの。 おいしくて、にぎやかで、温かい人情派時代小説。
ミートソース、トリッパ、赤牛のロースト、鶏バター、アンチョビトースト…… 美味しい料理で人気の目黒の小さなイタリアン「食堂メッシタ」。 満希がひとりで営む、財布にも優しいお店だ。ライターの笙子は母親を突然亡くし、 落ち込んでいた時に、満希の料理に出会い、生きる力を取り戻した。 そんなある日、満希が、お店を閉めると宣言し……。 続々重版の大人気シリーズ「食堂のおばちゃん」の著者が放つ、料理と愛の物語。
総統ヒトラーは強国の復権を謳い、ベルサイユ条約の破棄を一方的に宣言。 イギリスとフランスは事なかれ主義に終始し、ヒトラーの増長を招く。 第三帝国による世界制覇を目論むヒトラーは1939年、ソ連と共謀してポーランドに侵攻して 分割占領に成功、フランス軍も撃破する。1941年にはイギリス全土を制圧し、アメリカ本土を 標的に定めたヒトラーは、防共協定を結んでいた日本に対米戦への参戦を迫る……。 日の丸を背負った海軍軍人三兄弟が激動の戦場を駆け抜け、米英仏のはみ出し者パイロットが ドイツの野望に立ち向かうーー新感覚で描く戦記ノベルスの誕生!
森の中の〈村=国家=小宇宙〉に古代から伝わる神話/歴史を描く『同時代ゲーム』。ノーベル賞受賞理由のひとつ『M/Tと森のフシギの物語』〈森の神話〉。ノーベル賞受賞作家、その爆発する想像力。